10月27日(日)
参加者 喜哉、突波、ジロー、鈴鹿、白水、草径、究、カエル堂、としお、うにょ、良子、樋山
互選句
新米を炊く畏みて押す釦 喜哉
特選 カエル堂、良子
入選 ジロー、究
里芋の転げ真っ赤な夕日の中
入選 鈴鹿
恋みくじアブラカタブラ神無月
入選 白水
百舌鳴けりいきなり逃げる机上の日
ひよどりのピーヨピーヨに思い馳せ
地下鉄の卵管抜けて澄む秋へ 突波
特選 ジロー、としお
残る虫夜を縫い続けをり
入選 鈴鹿、良子
斜字体にポルチーニ茸秋の燭
入選 白水
秋とふに玻璃空わすれな草色
とろろ汁白秋の恋千春の恋
品書きの端切れてゐる十三夜 ジロー
特選 究
入選 草径、カエル堂、としお
レジを待つ三分の恋花カンナ
特選 白水
入選 喜哉、突波
新しき連衆桜紅葉かな
特選 突波
門限を過ぎ木犀の闇匂ふ
入選 鈴鹿、良子
海に向く杜に風巻く神の旅 鈴鹿
特選 喜哉
秋たけて飛行機雲の真直ぐなる
道曲がれば金木犀の香の流る
木犀が金の香放つ路地の朝
振り向けばきみがいる晩秋の夜 白水
晩秋や電話するだけで楽しい
きみと金木犀の香があればいい
メーテルのやうな人ゐて神無月
柿紅葉頬に憂ひの思惟像 草径
特選 樋山
保津峡の錐もみの舟渓紅葉
入選 喜哉、カエル堂
石の斧冷たき山の響き持つ
入選 としお
茅葺に放水銃を秋桜
入選 喜哉
碑の恋の一首や実むらさき
往く手に一つ星手探りの恋 カエル堂
入選 ジロー
言うことを聞かぬ身体で悟る秋
曲がる背伸ばし歩く街角の秋
耳打ちをしてもされても星は降る
月夜茸悪女入門ファムファタル
酢橘をね絞る指先愛おしく 究
入選 突波
秋風が指の間に渦を巻く
入選 カエル堂
恋かもな恋かも知れぬ赤とんぼ
入選 ジロー
松茸にちょこんと座るすだちかな
色鳥の飛び去りて醒む恋の夢 としお
特選 草径
熟年の恋の吐息や萩の風
入選 草径、良子
ぬくめ酒恋の語らひ背に聞きて
入選 樋山
行き逝きしかのひと写す照葉かな
街灯のぽつりぽつりと冬隣 うにょ
特選 鈴鹿
夜寒にて今日はちろりを出しましょう
入選 突波
果てしなき引力秘める胸の恋
アラカルト出してあげたい秋なすび 良子
入選 樋山
この世ではみんな恋してパラダイス
宵まつり読経に合わせる虫の声
濁り酒舐めて啜りて先斗町 樋山
入選 ジロー
秋の暮ふたたび燃やす恋の草
入選 白水
秋麗輪郭あわき東山
長き夜は邪恋の闇へまっしぐら
幽天にゴルフボールを喧嘩さす