田園に死んできた。

なんっか無性にいらいらしてたまらん。
別に原因があるわけじゃないんだけど。

多分やらなきゃいけないことがあるのに
それを全然やってないこととか
家事とか
部屋が汚いとか
大好きな人が引退発表とか
サンデーがゴタゴタしてることとか
体の変調の原因も対症療法もわかんないこととか

らへんにむかついてるんだと思う。


折角早稲田松竹で寺山特集してたから
張り切って見に行ったんだが、
前日の睡眠不足がたたって一作目の
書を捨てよ～では六割がた夢の中鑑賞だし、
二作目の田園に死すでも
クライマックス周辺でまさかの急転直下の下痢に襲われていて
それどころじゃなかったりトイレ途中退場したりでさんざん。

映画中に席たったとか初めてだよ。
我慢できると思ったのに、
私いつからトイレが我慢できない人間に成り下がったんだろう。
自分に負けたこともイライラの原因のひとつか。


まあそういう私個人の問題はおいといて感想はですね。
やっぱ世界観が半端ねぇなっていうのは感じた。
寺山ワールドだなーっつーのは
もう歴然としてあって、
それは彼のカリスマっつーか才能だと思うし、
邦画というジャンルが成り立ちうる要素の一端を
切り開いてくれた功労者だと確実に思う。
あの雰囲気は洋画じゃありえないし、わかんないだろうね、欧米圏じゃあ。

それと、やっぱりね、本当にすごくパフォーマティブで、
何への鬱屈なのかってのがすごくビビッドで、
そこまでやられたら逆にね、圧倒されちゃって
「くだらねえことで悩んでんじゃねえ」って言えなくなっちゃうね。

あれだけの鬱屈が打ち出せるならそりゃあ
本当に苦しいんだろうなと認めざるをえないよ。

そんでもってその鬱屈はやっぱり通じる部分があって、
映画が怒ってくれることで
見てるこっちのカタルシスにもつながるんよね。

誰にもわかってもらえないとか、
こんなに苦しんでるのは自分だけとか、
世界で一番自分が不幸とか、
そういう甘っちょろいこと言ってかわいそぶってる人は
ぜひ鑑賞してみればいいと思う。

あるいは同じ苦しみに共感してカタルシスになるかもしれないし、
逆に自分の鬱屈がどんだけ矮小かわかるきっかけになるかもしんないよ。

すごい完成品を見せてくれるわけじゃなくて、
なんだかごじゃごじゃ胸らへんに渦巻きがちなもやもやを、
なるだけフィルターをかけずに伝えようとあがいて、
どうなの？わかんないよ。って痛烈に訴えかけられることで、
こっちも質問がしやすくなるっていうか、すっきりするんじゃないかな。

答えをくれる人も必要だし、そういう人ほんとスゲー！って思うけど、
その前に一緒に悩んで一緒にわかんねぇって
試行錯誤してくれるレベルにいてくれる人も必要なんですよね。

それがああいう映像なんじゃないのかなあと思う。
答えはくれてないよね。
何かを与えようともしてなくて、
ただここにいるぜって教えて主張してくれた。

それはすごく心強いことよな。


カフちゃんがもっかい見たくなった。

白塗りの顔の、ほのかに肉の色の見える唇は
とてもエロティック。
唇が内蔵とつながっていることを強烈に意識させるし、
体内がよりぬれている感じがする。

ナイスエロティック。

今からなら寝たり下痢したりしないで落ち着いてみられるんだがなあ。
教訓：映画館には体調を整えて行きましょう。



ほんと一人で飲んでると
ちゃんとまわってんのかわかんねーな。