酒と地域と近代化遺産・庵田の日常雑記

『地域文博・高炉館』管理人庵田の、愚痴と嘆きとどうでもいい日常。

土木パラダイス・北九州

2006年05月07日 10時41分53秒 | 地域情報
この間結婚式に出席したときに話を戻します。
そのとき北九州に戻っていた友人が窓の外を見ながら、
「北九州ほど、土木工事やってるとこは全国そう無いね」
と呟いていました。

 ここ数年の鹿児島本線沿線の変わり様は、全国でも有数のものではないでしょうか。これは、近年の都心回帰を求める不動産需要、あるいは法整備などの社会欲求に基づくもので、東京都心のそれに一回り遅れて起こっている現象です。
 ただし、北九州の場合は少し勘違いをしているところがあり、せっかくの駅前立地を活かすような建物配置を行っていない(駅前に導線を分断する幹線道路があるため、、、ペデストリアンデッキは苦渋の選択ですな)ので、戸畑や黒崎、門司あたりではとても駅前とは思えないSCやロードサイドショップが出来ています。
 駅前に大規模遊休地がこれだけたくさんあるのは、工業都市であった北九州市ならではのことで、この開発には本来、鉄道会社が小躍りしながら参画すべきです。
 もしここに小林一三(阪急の創業者)がいれば、門司の旧競輪まで100円コインバスを走らせてサッカーチームを誘致するでしょうし、駅前には庭付き住宅地がずらっと並ぶでしょう(あ、今やってるか)。
 五島慶太(東急)ならば、堤康次郎(西武グループ)ならば、と考えるところは多々ありますが、彼ら私鉄創業者の共通点は土地に夢を見せることだったのではないかと思います。電車を利用することで、買い物に、スポーツ観戦にと電車=何か楽しいことを連想させることに長けていたのだと思います(電車=通勤だけだと休日まで利用しようとは思いませんな)。
 前述しましたが、北九州市は工業都市であったが故に、JR沿線に市街地がたなびいています。こういった都市は西日本に少なく、しかも現在遊休地が多いとなれば、先哲の私鉄構想に準じた計画を用いることが、適切でしょう。郊外型の構成をしたショップをどんどん造ってしまうと、都心部に車を過剰に集めてしまい、環境にもよくありませんし、道路工事と渋滞を人為的に発現させてしまいます(まあ、土木に金は落ちますな)。
 かつてあった「道路を整備すれば自動車産業が儲かる」的整備の時代は終わったのではないでしょうか。一人一台車を持って、それ以上を望むことは難しいと考えます。ならば、都心部をもっと効率的に土地利用できる計画を考え、ヒューマンスケールに立ち返った都市計画を持つことが必要ではないかと考えてなりません。

、、、土木整備とは多少話がずれました。次回に続きます。


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