テレビのツボ

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「愛の嵐」~直江兼続!?

2011-07-07 08:10:49 | 大河ドラマ
今週は利休が切腹させられたのに続き、鶴松まで早逝してしまう。
今週のツボは、愛する者に次々と先立たれ、狂気に陥っていく秀吉と、チラッとだけ登場した一昨年の主人公!?


「ちょっとやり過ぎでは?」秀次が、利休に切腹を命じた秀吉に諫言している。秀吉はもちろん意に介さない。
「利休を堺からこちらの屋敷へ移らせました。万一に備え、上杉勢ら三千の兵に屋敷を囲ませました」駆け付けた三成の言上にも「うるさい…うるさい、うるさい!」逆ギレする秀吉。自分で命じておいてこの駄々っ子ぶり。既にまともな判断力を失い始めている。
そこへ、お約束通り江も登場! これまたいつものように秀吉に文句を言い始める。
「何ゆえ利休様を切腹に?」
秀吉に代わって三成が、大徳寺の山門に自分の像を建てさせたとか、茶器に高値を付けて売り付けたとかの、どうでもいいような罪状を説明する。
「気は確かか!? それしきのことで、あれほどの方を切腹だなどと!」江は猛抗議するも、秀吉は無言で渡り廊下を去ってゆく。

「叔父上が利休様を許さないのは、利休様が離れてゆくからじゃ。利休様が作り上げるもの全てが好きで好きで堪らないから、離れるくらいなら、いっそ殺してしまいたいと思うたのよ」秀次が江に向かい、叔父秀吉の複雑な心情を代弁する。
う~ん、何だか石川さゆりの『天城越え』の世界だ
「利休様が叔父上に詫びれば許してもらえるだろうが、誇り高いお方だから命乞いなどなさるまい」秀次はそう付け加えるが、江は何としても利休に会いたいと訴える。
「何でも思い通りになると思うな!」秀次がキレる。

しかし、利休を巡る秀次の一連の指摘は、ことごとく的を射ている。典型的なバカ殿キャラなのに、利休のことのみに関していえば、まるで名君。他の面でも、これくらい聡明さを発揮してくれればなあ

と、秀勝がフラリとやってくる。
秀勝が一計を案じる。炭商人に身をやつして大八車を牽いてゆき、利休に会おうという作戦だ。
変装した秀勝と江が、利休屋敷の門前に到着する。
当然、警護の兵に呼び止められる。そこに現れたのが直江兼続らしき人物! 一昨年の大河ですっかり有名になった「愛」の字の兜の前立てだけが大映しになる。
なぜ「らしき」かというと、誰も名を呼ばず、顔すら映らないから。一昨年の主役だからエキストラに演じさせるわけにはいかず、数秒のシーンのみの出演で本編のストーリーとは何の絡みもないから、有名俳優を配するのもモッタイナイ。てなわけで、こんな思わせ振りな形での出演になったんだろうな~と思う
で、直江兼続らしき人物、簡単な検分をしただけで、二人の頬かむりも取らせず、門を通してしまう(明らかに秀吉の意を汲んでのことだろうことは、利休切腹後の秀吉の台詞で分かる)。

ともあれ、無事に屋敷に潜入できた二人は利休との対面を果たす。
秀勝の言った通り、利休は命乞いを拒否する。
「人には死に時ちゅうもんがあります」そう言って江に最期の茶を振る舞う。「これは利休が決めた、利休の道なんどす」
利休は江に自らの遺志を託す。「天下を泰平に、皆が笑って暮らせる世にして下さい」

天正十九年(1591)二月二十八日、朝から豪雨で、雹まで降り混じる大荒れの日に、利休は切腹して果てる。
利休切腹の報を受けた江は、秀吉のいる部屋へ向かう。
「利休が…死んでしもうた~!」秀吉が、大嫌いな筈の黒茶碗を持って号泣している。
「殺したのは、あなたではありませぬか!」江が責めると「そなた、利休に会いに行ったのであろうがぁ~! なぜ止めてくれなかったのじゃ~!」
身勝手極まる理屈だが、秀吉のあまりの嘆きぶりに、江はそれ以上なにも言えず静かに部屋を退出してゆく。

その直後、今度は鶴松がわずか3歳で亡くなる。「なぜ皆、ワシから離れてゆくのじゃ~!」またも号泣する秀吉。
淀も、我が子を亡くした悲しみで食事が喉を通らなくなる。心配して近江から駆け付けた初が励ましても「私も鶴松のところへ行きたい」と嘆くばかり。
おねも淀を励ましに訪れる。
「また秀吉の子を産んではくれぬか? 今はまだ考えられんだろうが、それが皆を救う道なのじゃ。秀吉も、この私も…何よりそなたをな」おねの優しい言葉に、淀は泣き崩れる。

秀吉は跡取りを亡くしたショックで、狂ったようになってしまう。
「このようなもの、邪魔じゃあ~!」短刀で自分の髷の髻を切り落としてしまう。「鶴松は、まだ髷も結えんうちに死んでしもうたのじゃな…」落武者のようなざんばら髪で呟く秀吉。
狂気を帯びた目で、三成に問いただす。
「お主言うたのう。弟秀長が死んだのも、鶴松が病気になったのも、利休の無礼な振る舞いが原因だと…。ならば、利休を殺したゆえ、鶴松は死んだのか? 言うてみよ…」答えに窮した三成は、朝鮮国王からの返書がまだ来ないことを持ち出してしまう。
「かような時に…」秀次が眉をひそめ呟く。まさにその通り。冷静さを完全に失ってる時に国政上の問題なんか持ち出しても、マトモな判断ができるわけない。
案の定、秀吉は怒りに任せ、朝鮮への侵攻を宣言。軍船を造れ、戦の準備を始めよと喚き散らす。地球儀をクルクル回し「手始めに拠点となる城を九州に造れ」と三成に命じる。鶴松を亡くした悲しみを、新たな戦で紛らわせようとしている、そんな風にしか見えない秀吉だった。

一方、江戸城では「なんと愚かな戦を…」と、家康が呆れ返っている。
「行くとしても九州までじゃな」家康の言葉に本多正信が疑問を呈する。「関白殿下が納得しましょうか?」
「関白には恩を売ってある。こういう時のために父祖伝来の三河を明け渡し、遠く江戸の地まで下ってきたのだからな…」さすが家康。策士やな~
「殿下はお子を亡くしてから、おかしくなられたのう」この言葉に秀忠が茶々を入れる。「子を亡くすっていういうのは、そんなに悲しいもんなんですかねぇ?」
「我が子を亡くすということは、この世で一番の悲しみです」正信の言葉に、秀忠は皮肉で返す。「へえ~、父上は兄信康を切腹させたくらいだから、悲しくなんてないんだと思ってました」
「バカなことを…」呟く家康に、秀忠が噛み付く。「バカ? ならなぜ、私や兄秀康を人質に出されたのですか? あっ、それから朝鮮のことですけど、そんなに愚かなら関わらなければよいではありませんか」言いたいこと言って、さっさと席を蹴っていってしまう。

「朝鮮に兵を進めるとはまことですか?」
昼ごはんをガツガツ食べる秀吉の傍らで江が抗議している。
「鶴松が亡くなったばかりなのに…」の言葉にだけは「鶴松の話はするな!」と反論するが、それ以外は何を言われても、無視してただひたすら飯を掻き込む。

夜半、揺らめく灯明の下で、習字の練習みたいに「関白」とか「秀次」とか「秀勝」などと書き散らした半紙を畳の上にばら蒔き、思い詰めたような表情で思案する秀吉。ざんばら髪とも相まって、なんとも不気味かつシュールだ。こんなホラー映画みたいなシーンは必要なんか?
で、秀吉が決定したのは、甥の秀次に関白の座を譲ること。天正十九年(1591)十二月、秀次が朝廷から正式な関白宣下を受け、秀吉は関白の父を意味する太閤と称するようになる。

年が開けたある日、江が秀吉に呼びつけられる。そこで言い渡されたのは「もう一度、嫁にいけ!」
相手はなんと秀勝。二人をツーショットにして「あとは当人同士で話し合え」秀吉はそう言い残して立ち去る。
「あなたはこんな縁組みを納得してるんですか?」江の疑問に「私の方から叔父に頼んだんですよ」と秀勝。
「兄の秀次を見張るよう命じられたので、交換条件としてあなたとの結婚を望んだんです。私の妻になってくれませんか?」秀勝のプロポーズに照れ臭くなった江は逃げるように去っていく。
姉、淀へ相談に行くと「好きならば一緒になれば良いではないか」とのアドバイスを受ける。鶴松を亡くして以来、仏間に籠りっきりの淀は、なんとしても江には幸せになってもらいたいのだ。

そして正式に祝言を挙げ、秀勝と江は夫婦になる。
「利休様の言われた、天下泰平になって皆が幸せに暮らせるようにとの言葉、ワシも共に背負ってゆく覚悟じゃ」
「私は嫁ぐのは2度目です。申し訳ありません」頭を下げる江に「やっぱり、あなたを選んだのは間違いではなかった。これから面白い暮らしになりそうです」微笑みつつ江を寝床に横たえる秀勝。
「秀勝さま…」すっかりラブラブモードの江。初夜を迎えても、もう1回目の結婚の時みたいに、頭がポポポポ~ン状態にはならない。史実でも江はこの時、すでに19歳になってるわけだし、ま、当たり前か


幸せいっぱいでスタートした新婚生活だけど、来週には早くも秀勝は討ち死にしてしまう。子供は産まれるけど夫は戦死してしまうという、過酷な運命に翻弄される江…。
史実の江の年齢と上野樹里の年齢が、やっと同じくらいになってきた。そろそろ演技にリアルさが出てくるかな?

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