ますぶちStyle/宝石箱の片隅
「Jewellery Column=56」
『安易な気持ちでジュエリーには手をださないこと』
何事によらず、
自分の軸足をぶらさずに継続させると言う事は、
意外に難しいものである。
特に初心者の場合、
最初の意気込みは「必ず成し遂げる!!」と
勇ましいけれど、
実際にやってみると
ハードルの高さに腰が引けてしまい、
自分は何をどうしたいのかが、
「迷い」という悪魔の囁きに踊らされて、
判らなくなってしまう。
初心を貫徹できないで
結局挫折してしまうと言う事は良くある事。
「自分でジュエリーが作れれば楽しいだろうな」
「自分の作ったジュエリーを
誰かが買ってくれれば嬉しいだろうな」などと思い、
彫金教室に通って
なんとか自分で作れるようになると、
もう一人前のジュエリー作家気取り、
と言う方がいらっしゃる。
そのうち趣味の延長で満足できなくなると、
ネットを立ち上げ、
個展や催事を開き、友人知人を招待する。
やがていつの間にか
「センセイ」とおだてられ、
気がつくと自分の部屋が、売れないジュエリーで
いっぱいになる。
こういった人は必ず途中で挫折する。
何故か。
それは基本を徹底的に学ばなかったことと、
市場や業界を知らなかった事に尽きるだろう。
趣味の世界でやるなら別段構わないけれど、
曲がりなりにもプロを目指すなら、
呉々も安易な気持ちで始めない事。
そして始めたら継続させる事。
石の上にも3年と言う諺は伊達ではない。