ますぶちStyle/宝石箱の片隅

ジュエリーや宝石、真珠を中心に、ジュエリー・ビジネス、歴史まで幅広く書いていきます。是非ご一読下さい。

ART DIRECTION vol-01『1975年が私の仕事元年(6)』

2022年05月19日 | 日記

増渕邦治全仕事

ART DIRECTION vol-01

『1975年が私の仕事元年(6)』

 

 

70年代から80年代にかけて

日本のジュエリー市場は、

デ・ビアスの広告宣伝戦略の恩恵を被り、

ブライダルに特化したキャンペーンを

展開したことが効果を上げてきました。

そして全国的な規模で、

それまでの三業種兼業の販売形態から、

ブライダル専門店にシフトする傾向が

顕著になってきたのです。

洋画のロードショー館に行くと、

決まって婚約指輪のCMが流れていたのは

多くの方の記憶にあるでしょう。

また、

70年の大阪万国博覧会の成功によって、

海外からの観光客が年ごとに増えてきました。

私が京都支店に出張した時のことですが、

前日に大阪支店から

 “船が神戸に着いた、

明日は今日に行くので準備よろしく” 

という電話が入り、

何事かと思っていると、

次の朝早く京都支店の店頭は

海外からの観光客の準備で大忙しです。

そして気がつくと商品は完売。

真珠製品が飛ぶように売れたのでした。

こうしてジュエリー業界は

川上から川下まで80年代のバブル協奏曲へと

進展していきました。

 

*この画像は1975年の雑誌ミセスに掲載した広告で、宝石の写真は飯塚康弘、コピーライターは浅倉勇、バックの写真はエルンスト・ハース。