松沢顕治の家まち探しメモ

「よい日本の家」はどこにあるのだろうか。その姿をはやく現してくれ。

よい土地は素人には入手できない

2014年11月27日 17時50分37秒 | 日記

不動産仲介業者は土地が出るのをひたすら待つ。カネにこまったとき、相続したとき、持っているのが重荷になったとき。いずれかの地主事情で土地処分の相談がくる。この情報を気長に待っているわけだ。しかしひとたび土地情報がくると、対応は早い。すぐに買い手をさがす。

広い物件や高額物件ならば、まず業者に話を持っていく。個人では買い切れないからだ。建築業者ならば、土地の価格はたたかれ、手数料は減るが、決済までが早い。1週間で決済ということもあるくらいだ。

では手ごろな物件の場合、土地をさがしている個人相手に広告を出したり、頼まれている個人に情報を流したりはしないのだろうか。これもまず表には出さない。手ごろな土地物件ほど建売にちょうどいいから、業者に売る。日頃「いい土地があったらお願いします」と訪問して来る業者へのお返しのような意味もある。いっぽう、個人の買い手に情報提供すると、決済までが遅い。購入決定までに時間がかかり、土地を決めると次には建築業者を決めて数度の打ち合わせののちに見積をもらい、金融機関に提出し融資の承認が出てからでないと土地決済はできない。すぐに2、3か月間もかかってしまう。その間、業者は宙ぶらりん状態におかれ、地主からはまだかと催促される。しかも2、3か月間待っても最終的に融資の承認が出ないこともある。こうしたことを考えると、不動産業者がまず建築業者に声をかけるのも無理もない。

では個人客向けの流通市場にでてくるのはどんな物件か。悪地形、悪アクセス、悪日照、割高、ようするに人気のない土地にかぎられてくる。気の毒だが、これが土地流通の現実だ。「理想の土地はさがせません」、私はそう答えている。