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名水よりきれいな水道水?!

2004-09-02 16:58:00 | environment
水のきれいさや成分、起源を分かりやすく評価する方法を
徳島文理大工学部(香川県さぬき市)の吉田知司講師らの研究チームが開発した。
日本の一部の名水や水道水、市販の国内外のミネラル水を評価、比較すると、
徳島県海南町などの水道水が、名水やミネラル水と同等かそれ以上にきれい
であることが分かった。9月1日から千葉工業大で開かれる日本分析化学会で発表される。

名水よりきれいな水道水も=分かりやすい評価法開発-全国地図作成へ・徳島文理大<Yahoo!ニュース - 社会 - 時事通信(8月31日)>

旧環境庁の「名水百選」選定(1985年)から20年近く経ち、
環境も変わって新たな指標が必要になっているようです。

評価の指標として、化学的酸素要求量(COD/海洋・湖沼)
生物化学的酸素要求量(BOD/河川)溶存酸素(DO)硬度pH
などいろいろあるようですが、
比較する名水の質が低下したのか、元々きれいな水だったのか
分かりませんが、このような時代になってもまだ名水に匹敵する
水道水が存在するというのは驚きです。

「飲水思源」という諺がありますが、
水を飲んで“ああ美味かった”と
その流れの水源に思いをはせるように、
いつも物事の根本を忘れぬこと、
環境を維持・改善する心掛けがなければ
「ミネラルウォーター」よりおいしい“水道水”は
飲めなくなってしまうでしょう。

水に関連して、
老子道徳経第八章「上善若水(如水)」を紹介します。

上善若水。
(上善は水の若(ごと)し)
水善利万物、而不争。
(水は善く万物を利して而(しか)も争わず)
処衆人之所悪。
(衆人の悪(にく)む所に処(お)る)
故幾於道。
(故に道に幾(ちか)し)
居善地、心善淵、
(居るは善く地、心は善く淵)
与善仁、言善信、
(与うるは善く仁、言は善く信)
正善治、事善能、
(正すは善く治、事は善く能)
動善時。
(動くは善く時)
夫唯不争、故無尤。
(夫(そ)れ唯(ただ)争わず、故に尤(とが)無し)

理想的なあり方、生き方は水のようにあることだ。
水はあらゆるものに恩恵を与えていながら、決して争わず、
人々が嫌がる所に身を置いている。
だから、水は道のあり方に近いのだ。

住むには大地の上がよく、
心の持ち方は、奥深いのがよく、
人との交わりには、思いやりの心がよく、
言葉は、誠実なのがよく、
政治は、秩序があり平和なのがよく、
物事をなすには、有能なのがよく、
行動は、時にかなっている方がいい。

そもそも、水は争わないから、間違うことはないのだ。


人生は柔軟、謙虚でなければならないとしながらも、
自らの主体性を堅持しなければならないというのが
「上善如水」の思想のようです。

<参考>
★ 名水百選(環境省選定)
★ 水の郷百選(国土交通省選定)
★ 水質汚濁に係る環境基準について(昭和46年12月28日環境庁告示第59号)
★ 地下水の水質汚濁に係る環境基準について(平成9年3月13日環境庁告示第10号)
★ 日本の水資源-国土交通省 土地・水資源局 水資源部
★ 発掘!あるある大事典-第39回『水』
★ 美味しい水のはなし
★ 水の旅遥か。