Bravo! オペラ & クラシック音楽

オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

9/15(土)読響土曜マチネー/イオニーツァの「ロココ風〜」は切れ味の鋭い若々しさ/カンブルランのチャイコ4番は極彩色でフランス風?

2018年09月15日 23時00分00秒 | クラシックコンサート
読売日本交響楽団 第209回土曜マチネーシリーズ

2018年9月15日(土)14:00〜 東京芸術劇場コンサートホール S席 1階 A列 16番 5,150円(会員割引)
指 揮:シルヴァン・カンブルラン
チェロ:アンドレイ・イオニーツァ*
管弦楽:読売日本交響楽団
コンサートマスター:小森谷 巧
【曲目】
チャイコフスキー:幻想序曲「テンペスト」 作品18
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 作品33*
《アンコール》
 ツィンツァーゼ:チョングリ*
チャイコフスキー:交響曲 第4番 ヘ短調 作品36

 読売日本交響楽団の「第209回土曜マチネーシリーズ」を聴く。今日のお目当ては、2015年のチャイコフスキー国際コンクールのチェロ部門で優勝したアンドレイ・イオニーツァさんの登場だ。また、長らく読響の常任指揮者を務めてきたシルヴァン・カンブルランは来年2019年3月末で退任することが決まっているので、今後は聴く機会はあまりないかもしれない。

 イオニーツァさんの弾くチャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」は、まず音色が明るくとても明瞭でスッキリしている。明るく艶やかな音色で旋律を大らかに歌わせる。もともとこの曲はオーケストラ側が非常に大人しく書かれていて、音量も抑えられているので、独奏チェロが浮き上がるような造型になっている。その辺りもうまく利用して、全体に大きめの音量で独奏チェロが主張していく。馬力をかけた強奏の際には、多少荒っぽくなってもお構いなしにガリガリ音を押し出して来るし、弱音時も意外に大きな音を出していて、この分なら後方席まで音は通っていくだろう。協奏曲の演奏の方法としては的を射た表現手法で派手なパフォーマンスだけでなく小技も上手い人のようである。

 一方、後半のチャイコフスキーの「交響曲 第4番」は、予想していた通りのとても色彩感の豊かな演奏になった。カンブルランさんが振ると、確かに読響の音がカラフルになる。リズム系が明瞭であるため、旋律が歌うようなイメージは少なく、舞踏系といった感じ。その上に鮮やかな色彩が乗ってくるのである。「交響曲 第4番」は金管が派手に大活躍する。だから全体のイメージはまるでカーニバルのよう。読響の演奏自体は非常にシッカリしているので、カンブルラン節にうまく対応している。残念ながら、チャイコフスキーの持つ哀愁やロマン性、ロシア音楽に共通する土俗的な生命力(失礼)のようなものは感じられず、カーニバルではしゃぎまくっているような印象の演奏であった。

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