ベルリン交響楽団 日本公演 2018
BERLINER SYMPHONIKER Japan Tour 2018
2018年6月22日（金）19:00〜 サントリーホール S席 2階 LB3列 9番 11,000円
指 揮：リオール･シャンバダール
チェロ：辻本 玲*
管弦楽：ベルリン交響楽団
【曲目】
ドヴォルザーク：序曲「謝肉祭」
ベートーヴェン：交響曲 第7番 イ長調 作品92
シューマン：チェロ協奏曲 イ短調 作品129*
《アンコール》
カザルス：鳥の歌*
ベートーヴェン：交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」
今年は海外からのオーケストラの来日公演がけっこう多くなったので、あれもこれも行くというのは控えることにした。だからいくつか厳選して聴くことになった。そのひとつにベルリン交響楽団を選んだのは、お値段が手頃だったのと、辻本玲さんがツアーに参加してシューマンのチェロ協奏曲を弾くから、というのが主な理由であった。
今回は気まぐれに、2階のLBブロックで聴くことにした。チェロ協奏曲をメインに考えるなら、もちろん1階のステージ近くのセンターが良いはずだが、プログラムにきベートーヴェンの交響曲が2曲入っていたので、ドイツのオーケストラということでもあるし、交響曲をより良い条件で聴いてみたくなったのであった。
結果は････サイアク(涙)。
辻本さんのチェロは、2階のLBからでもよく聞こえはしたが、やはり距離がある程度離れているために、細やかなニュアンスなどはホールの響きの中に埋没してしまう。ストラディヴァリウスの艶やかで豊かな音色は随所で輝きを見せたものの、オーケストラ側の演奏も非常に残念なものだったので、結果としては面白味のない演奏に聞こえてしまった。むしろソロで弾いたアンコールのカザルスの「鳥の歌」の方が辻本さんらしさを出せていたような気がする。
そう、つまりベルリン交響楽団の演奏は、非常に残念なものだった。指揮者のせいなのか、オーケストラの実力なのかは、1回聴いただけでは何とも言えないが、サントリーホールの公演で、S席で11,000円というお値段を考えると、期待する方が間違っていたようだ。東京フィルの方がよほど上手いと断言できる（もっとも東京フィルの定期演奏会のS席は定価10,000円だが）。
指揮のリオール･シャンバダールさんはこのオーケストラを率いるようになって20年以上経つというのが、ちょっと信じられない。一見して巨匠風の音楽作りだが、全体に遅めのインテンポでまったりしていてメリハリに乏しく、スコア通りに演奏しています、といった感じ。そこには創造性というものが感じられず、古くさくさえ思える。従ってベートーヴェンの声も全然聞こえてこない。
オーケストラ側も大いに問題ありだ。金管や木管の個々の演奏が平板で抑揚に乏しく、こちらも楽譜通りに演奏しています、に終始している。とてもプロのレベルとは思えない。弦楽を含めたアンサンブルもバラバラで、縦の線も横の線もずれることがしばしば。全体がドタバタしていてまとまりがなく、何だか音楽的な表現力以前の問題。要するに演奏レベルが低いのである。
2階のLBで聴いているから、ステージの隅々まで見通せ、つまりすべての楽器が比較的近い距離感で見えるという位置。聴く方の条件は、サントリーホールの中でも最高のポジションなのだから、上手ければ最高だが、下手だとハッキリ分かってしまう。21時30分に終わった長いコンサートだったが、かかった時間以上に異様に長く感じられた。
････というように、私にとってはサイアクの演奏だったが、面白いもので近くの席でしきりにBravo!!を叫んでいる人がいた。どこがBravo!!なんだよ！、と思わずツッコミを入れたくなった。自分だけが正しいなどと言うつもりは毛頭ないが、普段から日常的にオーケストラのコンサートを聴きに行っていれば、多分、分かるはず。日本のオーケストラだって素晴らしいし、ドイツのオーケストラだって、下手なものは下手なのだ。名前に惑わされてはいけない。
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2018年6月22日（金）19:00〜 サントリーホール S席 2階 LB3列 9番 11,000円
指 揮：リオール･シャンバダール
チェロ：辻本 玲*
管弦楽：ベルリン交響楽団
【曲目】
ドヴォルザーク：序曲「謝肉祭」
ベートーヴェン：交響曲 第7番 イ長調 作品92
シューマン：チェロ協奏曲 イ短調 作品129*
《アンコール》
カザルス：鳥の歌*
ベートーヴェン：交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」
今年は海外からのオーケストラの来日公演がけっこう多くなったので、あれもこれも行くというのは控えることにした。だからいくつか厳選して聴くことになった。そのひとつにベルリン交響楽団を選んだのは、お値段が手頃だったのと、辻本玲さんがツアーに参加してシューマンのチェロ協奏曲を弾くから、というのが主な理由であった。
今回は気まぐれに、2階のLBブロックで聴くことにした。チェロ協奏曲をメインに考えるなら、もちろん1階のステージ近くのセンターが良いはずだが、プログラムにきベートーヴェンの交響曲が2曲入っていたので、ドイツのオーケストラということでもあるし、交響曲をより良い条件で聴いてみたくなったのであった。
結果は････サイアク(涙)。
辻本さんのチェロは、2階のLBからでもよく聞こえはしたが、やはり距離がある程度離れているために、細やかなニュアンスなどはホールの響きの中に埋没してしまう。ストラディヴァリウスの艶やかで豊かな音色は随所で輝きを見せたものの、オーケストラ側の演奏も非常に残念なものだったので、結果としては面白味のない演奏に聞こえてしまった。むしろソロで弾いたアンコールのカザルスの「鳥の歌」の方が辻本さんらしさを出せていたような気がする。
そう、つまりベルリン交響楽団の演奏は、非常に残念なものだった。指揮者のせいなのか、オーケストラの実力なのかは、1回聴いただけでは何とも言えないが、サントリーホールの公演で、S席で11,000円というお値段を考えると、期待する方が間違っていたようだ。東京フィルの方がよほど上手いと断言できる（もっとも東京フィルの定期演奏会のS席は定価10,000円だが）。
指揮のリオール･シャンバダールさんはこのオーケストラを率いるようになって20年以上経つというのが、ちょっと信じられない。一見して巨匠風の音楽作りだが、全体に遅めのインテンポでまったりしていてメリハリに乏しく、スコア通りに演奏しています、といった感じ。そこには創造性というものが感じられず、古くさくさえ思える。従ってベートーヴェンの声も全然聞こえてこない。
オーケストラ側も大いに問題ありだ。金管や木管の個々の演奏が平板で抑揚に乏しく、こちらも楽譜通りに演奏しています、に終始している。とてもプロのレベルとは思えない。弦楽を含めたアンサンブルもバラバラで、縦の線も横の線もずれることがしばしば。全体がドタバタしていてまとまりがなく、何だか音楽的な表現力以前の問題。要するに演奏レベルが低いのである。
2階のLBで聴いているから、ステージの隅々まで見通せ、つまりすべての楽器が比較的近い距離感で見えるという位置。聴く方の条件は、サントリーホールの中でも最高のポジションなのだから、上手ければ最高だが、下手だとハッキリ分かってしまう。21時30分に終わった長いコンサートだったが、かかった時間以上に異様に長く感じられた。
････というように、私にとってはサイアクの演奏だったが、面白いもので近くの席でしきりにBravo!!を叫んでいる人がいた。どこがBravo!!なんだよ！、と思わずツッコミを入れたくなった。自分だけが正しいなどと言うつもりは毛頭ないが、普段から日常的にオーケストラのコンサートを聴きに行っていれば、多分、分かるはず。日本のオーケストラだって素晴らしいし、ドイツのオーケストラだって、下手なものは下手なのだ。名前に惑わされてはいけない。
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