![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/2c/6f6e79d433ad829840e41c4254520ce9.jpg)
日本フィルハーモニー交響楽団 第198回サンデーコンサート
9月19日(日)14:30~ 東京芸術劇場・大ホール S席 2階 C列 20番 7,500円
指 揮: アレクサンドル・ラザレフ
ピアノ: アリス=紗良・オット*
管弦楽: 日本フィルハーモニー交響楽団
【曲目】チャイコフスキー・プログラム
歌劇《エフゲニー・オネーギン》より「ポロネーズ」
ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23*
《アンコール》ベートーヴェン: エリーゼのために*
交響曲 第5番 ホ短調 作品64
《アンコール》バレエ音楽『くるみ割り人形』より「4羽の白鳥の踊り」
日本フィルのサンデー・コンサートに足を運んだ。今回はオール・チャイコフスキー・プログラムの超名曲コンサートだが、お目当てはもちろんアリス=紗良・オットさんの弾くピアノ協奏曲だ。彼女とこの曲の組み合わせは、今年2010年の3月2日にサカリ・オラモ指揮ロイヤル・ストックホルム・フィルとの共演で、ミューザ川崎で聴いた。およそ半年の時を隔てて、どのように進化しているかが楽しみであった。
日本フィルの会員さんが良い席を押さえしまっているのか、確か一般発売直後にチケットを取ろうとしたらすでにS席が2階席しかなかった。それでも、正面に近い左側の2列目、オーケストラ全体が見渡せるし、ピアノの鍵盤が完全に見えるという、絶好のポジションであった。ところが、当日券も売っており、S~C席で役100枚も残っていたらしい。それでも今日の会場の左右両サイドに空席が目立っていた。定期に比べるとかなり割高感があるからかもしれない。
指揮のアレクサンドル・ラザレフさんは日本フィルの主席指揮者でありロシアものを得意としているので、今日の曲目としては、これ以上はないというプログラムだろう。
1曲目は歌劇『エフゲニー・オネーギン』から「ポロネーズ」。誰でもどこかで聴いたことがあるはずの名曲だ。ラザレフさん拍手を振り切るように曲をスタート。躍動感のあるリズムでダイナミックに曲が始まり…いや、違う。金管がハラツキながら強く出て、弦が濁ってよく聴き取れない。リズム感も今一。笛吹けども踊らず、といった感じ。つまりオーケストラがうまく機能していないのである。これでは先が思いやられるが。
2曲目はピアノ協奏曲。ピアノをステージ正面に引っ張り出してくると、アリスさんが登場。白いドレスがちょっぴりセクシーで、もちろんとても美しい(週刊誌的な表現で、一時、「美人過ぎるピアニスト」なんて書かれていた)。
第1楽章冒頭の長く有名な序奏は、アリスさんのピアノはそれほど強く迫ってこない。むしろオーケストラの隙間からこぼれてくるように、素直に入ってくる。派手なオーケストラの音に対して、ピアノが徐々に入れ替わるように前面に出てきて、主張を始め、ピアノの音がキラキラ輝き出すと、そこはもうアリスの不思議な世界(それほどでもないか)。印象としては、半年前に聴いた時よりも今日の方がピアノが鳴っている。また、細部に至るまで細やかに神経が行き届いていて、それぞれのフレーズやアルペジオなどにも微妙なニュアンスの違いがあり、表現に厚みを持たせている。さらに言うなら、打鍵のタッチのキレが良くなったというか、強い打鍵ではなく、鋭い打鍵といったイメージだ。
第1楽章の主題提示部以降は、管弦楽もシンフォニックな構造を持っているし、ピアノとの協奏もめまぐるしく主客が転換する。アリスさんのピアノは時には強く主張し、時にはオーケストラの後ろで伴奏に回ったりと、曲の構造をしっかりと捉えて、ステージの上を泳ぎ回っているようだった。
第2楽章のアンダンテは、アリスさんのピアノが繊細なピアニッシモを奏でて秀逸。この人、派手な技巧派ヴィルトゥオーソというだけではない。極めて叙情的・感傷的な表現にも深みが増してきた。半年前よりも、ずっと良い。アリスさんは、ゆったりとしたフレーズを浪漫的に歌わせる時、いつも横を向いたり天を仰いだりして見せる恍惚の表情(?)がセクシーだった(別にヘンな意味じゃないですよ)。
アクロバティックな派手な超絶技巧が披露される第3楽章は、アリスさんの独壇場だ。ここでは表現力とか芸術性はちょっと横に置いておいて、技巧的なピアノを楽しむ方が素直というものだ。オペラグラスで見ていたのだが、まさに目にも止まらぬ指使い。あの大きな手が鍵盤を縦横に跳ね回るのは見ているだけで圧巻。もちろん聴いていても、ミスタッチなどほとんどない、圧倒的な超絶技巧であった。
そして、第3楽章のコーダはなぜか遅め。アリスさんの解釈がそうしているのか、指揮者が盛り上げようとしているのか分からないが、彼女の技巧ならテンポを上げてガンガン攻め込んでも十分いけると思う。その方が、協奏曲としては派手に盛り上がって、楽しいし、聴衆も喜ぶ(芸術的であるかどうかは別として)。
曲全体の印象としては、半年前よりも一段と表現が豊かになってるような気がする。やはりこの半年の間に何度もこの曲を弾く機会があっただろうし、いろいろなオーケストラとも共演しているだろうから、たった半年でもかなりの経験値をプラスしているに違いない。彼女の最大の魅力は、スケールの大きな演奏だ、大陸的というか、裾野が広いというか、スケールの大きい雄大な演奏の中に時折見せる、繊細な宝石のような煌めき。超絶技巧の持ち主ではあるが、その技巧を上回るスケール感が感じられるからこそ、その将来性がものすごく期待できるのである。まだまだ成長を続ける、恐るべき22歳に、Braaaava!!
アンコールは、意外にもベートーヴェンの「エリーゼのために」。うわー、懐かしい。誰でも知っていて、弾いたことはあっても、一流の演奏家が弾くのを聴いたことがない。ん? もしかしてプロのコンサートで聴くのは初めてかも。でも、このクラスの人が弾くと、小学生でも弾けるような曲が、なんと悩ましく、艶っぽく聞こえることか。ちょっと得をした感じのアンコールだった。でもなぜ「エリーゼのために」なんだ?
後半の交響曲第5番に関しては、少々言いたいことがある。
普段からあまり批判めいたことは書かないようにしているつもりだが、今日はさすがに言わせて欲しい。とにかく、日本フィルの演奏はあまりにもヒドイ。最初から最後まで、弦楽の音は濁りっぱなし。個々の奏者の音程が安定していないのだ。アンサンブルもキッチリ合っているとは言い難く、これの濁りの原因の一つだろう。早いパッセージのところなど、バラバラですよ、コンマスさん。木管は、格楽器とも音が平板で抑揚に乏しいく、ただ譜面通りに吹いているだけ、といった印象。金管は音量だけはモノスゴイが、オーケストラのアンサンブルの中から飛び出してしまっていて、うるさいだけ。弦が主旋律を演奏していて金管がリズムを刻んでいるような部分でも、音が大きすぎて弦が聴こえなくなってしまう。とくにトランペットの音が猛々しく、飛び出していた。第2楽章のホルンの主題も、まちがえないで吹いただけで、音は大きいし、チャイコフスキーの哀切など、全く感じられなかった。そしてティンパニ。日本フィルのティンパニは何故こんなにいつも頑張るのだろう。今日の席はS席で2階の2列目センターなのだから、もっともバランス良くすべてのパートの音が均等に聞こえる位置である。にもかかわらず、全体の音のバランスがこれほど良くないとは…。指揮者にはどのように聞こえているのだろうか、不思議に思った。ラザレフさん、これで良いのですか…?
ラザレフさんの曲作りといえば、第1楽章のヴァイオリンによる第2主題が急に遅くなって…。解釈は自由だが、歌えない弦楽パートで、こんなことをしたら、オーケストラがドタバタするだけ。曲全体の印象としても、4つの楽章を通じての構造感がなく、なんとなく落ち着かない。要するに、この曲で何を表現したかったのだろう。それが伝わってこないのである。まあそれは、オーケストラがあれでは、という気もするが。
ところが、曲が終わったら盛大な拍手とBravo!が飛んだ。聴衆の表情を見ても皆大喜び。私とは正反対の反応(評価)のようである。私の耳と、音楽に対する感性はかくも錆び付いてしまったのか。きっと私のような素人には理解できない、素晴らしい演奏だったのだろう。でも。でも、言わせていただきたい。どこがBravo!なんだ!!
なんでもかんでもBravo!と叫んでいるのは、何処の何奴だ!! 私はといえば、先週9/11にはコバケンさんの指揮で東京フィルを聴いたのだが、その時の東京フィルも×××な演奏だと思ったが、今日の日本フィルを聴いたら、東京フィルは実はものすごく巧いのだと思えるようになった。そしてその間に前後して、英国ロイヤル・オペラを3回聴いている。比較するのもナンだが、オーケストラの演奏とか、個々の楽器の音色とか、アンサンブルとか、表現力とか、格段の差がある(別に舶来ものを崇拝しているわけではない。海外でもヘタなオーケストラは毎年いくらでも来日している)。われわれのような音楽ファンと違って、プロオケの人たちはかえってコンサートに行かないのではないだろうか、日本フィルのメンバーの方々も、忙しいのだろうとは思うが、世界の一流の音色とアンサンブルを実際に聴いてみれば、その違いがよーく分かると思いますよ。
というわけで、正直のところ、当分の間、日本フィルを聴くことはないだろうと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/39/921434b90411f39758353b42044be6e9.jpg)
コンサートの終演後、アリスさんによるサイン会があった。アリスさんのサイン会はいつも盛況で、たいてい1点にしかサインをしてもらえない。今日は、拍手をしたくなかったから早めに抜け出して列に並んだ。彼女のデビュー盤、『リスト: 超絶技巧練習曲集』のジャケットにサインをいただいた。目の前でにっこり微笑まれると、むむ…「美人過ぎるピアニスト」だ。ホントに。
←読み終わりましたら、クリックお願いします。
9月19日(日)14:30~ 東京芸術劇場・大ホール S席 2階 C列 20番 7,500円
指 揮: アレクサンドル・ラザレフ
ピアノ: アリス=紗良・オット*
管弦楽: 日本フィルハーモニー交響楽団
【曲目】チャイコフスキー・プログラム
歌劇《エフゲニー・オネーギン》より「ポロネーズ」
ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23*
《アンコール》ベートーヴェン: エリーゼのために*
交響曲 第5番 ホ短調 作品64
《アンコール》バレエ音楽『くるみ割り人形』より「4羽の白鳥の踊り」
日本フィルのサンデー・コンサートに足を運んだ。今回はオール・チャイコフスキー・プログラムの超名曲コンサートだが、お目当てはもちろんアリス=紗良・オットさんの弾くピアノ協奏曲だ。彼女とこの曲の組み合わせは、今年2010年の3月2日にサカリ・オラモ指揮ロイヤル・ストックホルム・フィルとの共演で、ミューザ川崎で聴いた。およそ半年の時を隔てて、どのように進化しているかが楽しみであった。
日本フィルの会員さんが良い席を押さえしまっているのか、確か一般発売直後にチケットを取ろうとしたらすでにS席が2階席しかなかった。それでも、正面に近い左側の2列目、オーケストラ全体が見渡せるし、ピアノの鍵盤が完全に見えるという、絶好のポジションであった。ところが、当日券も売っており、S~C席で役100枚も残っていたらしい。それでも今日の会場の左右両サイドに空席が目立っていた。定期に比べるとかなり割高感があるからかもしれない。
指揮のアレクサンドル・ラザレフさんは日本フィルの主席指揮者でありロシアものを得意としているので、今日の曲目としては、これ以上はないというプログラムだろう。
1曲目は歌劇『エフゲニー・オネーギン』から「ポロネーズ」。誰でもどこかで聴いたことがあるはずの名曲だ。ラザレフさん拍手を振り切るように曲をスタート。躍動感のあるリズムでダイナミックに曲が始まり…いや、違う。金管がハラツキながら強く出て、弦が濁ってよく聴き取れない。リズム感も今一。笛吹けども踊らず、といった感じ。つまりオーケストラがうまく機能していないのである。これでは先が思いやられるが。
2曲目はピアノ協奏曲。ピアノをステージ正面に引っ張り出してくると、アリスさんが登場。白いドレスがちょっぴりセクシーで、もちろんとても美しい(週刊誌的な表現で、一時、「美人過ぎるピアニスト」なんて書かれていた)。
第1楽章冒頭の長く有名な序奏は、アリスさんのピアノはそれほど強く迫ってこない。むしろオーケストラの隙間からこぼれてくるように、素直に入ってくる。派手なオーケストラの音に対して、ピアノが徐々に入れ替わるように前面に出てきて、主張を始め、ピアノの音がキラキラ輝き出すと、そこはもうアリスの不思議な世界(それほどでもないか)。印象としては、半年前に聴いた時よりも今日の方がピアノが鳴っている。また、細部に至るまで細やかに神経が行き届いていて、それぞれのフレーズやアルペジオなどにも微妙なニュアンスの違いがあり、表現に厚みを持たせている。さらに言うなら、打鍵のタッチのキレが良くなったというか、強い打鍵ではなく、鋭い打鍵といったイメージだ。
第1楽章の主題提示部以降は、管弦楽もシンフォニックな構造を持っているし、ピアノとの協奏もめまぐるしく主客が転換する。アリスさんのピアノは時には強く主張し、時にはオーケストラの後ろで伴奏に回ったりと、曲の構造をしっかりと捉えて、ステージの上を泳ぎ回っているようだった。
第2楽章のアンダンテは、アリスさんのピアノが繊細なピアニッシモを奏でて秀逸。この人、派手な技巧派ヴィルトゥオーソというだけではない。極めて叙情的・感傷的な表現にも深みが増してきた。半年前よりも、ずっと良い。アリスさんは、ゆったりとしたフレーズを浪漫的に歌わせる時、いつも横を向いたり天を仰いだりして見せる恍惚の表情(?)がセクシーだった(別にヘンな意味じゃないですよ)。
アクロバティックな派手な超絶技巧が披露される第3楽章は、アリスさんの独壇場だ。ここでは表現力とか芸術性はちょっと横に置いておいて、技巧的なピアノを楽しむ方が素直というものだ。オペラグラスで見ていたのだが、まさに目にも止まらぬ指使い。あの大きな手が鍵盤を縦横に跳ね回るのは見ているだけで圧巻。もちろん聴いていても、ミスタッチなどほとんどない、圧倒的な超絶技巧であった。
そして、第3楽章のコーダはなぜか遅め。アリスさんの解釈がそうしているのか、指揮者が盛り上げようとしているのか分からないが、彼女の技巧ならテンポを上げてガンガン攻め込んでも十分いけると思う。その方が、協奏曲としては派手に盛り上がって、楽しいし、聴衆も喜ぶ(芸術的であるかどうかは別として)。
曲全体の印象としては、半年前よりも一段と表現が豊かになってるような気がする。やはりこの半年の間に何度もこの曲を弾く機会があっただろうし、いろいろなオーケストラとも共演しているだろうから、たった半年でもかなりの経験値をプラスしているに違いない。彼女の最大の魅力は、スケールの大きな演奏だ、大陸的というか、裾野が広いというか、スケールの大きい雄大な演奏の中に時折見せる、繊細な宝石のような煌めき。超絶技巧の持ち主ではあるが、その技巧を上回るスケール感が感じられるからこそ、その将来性がものすごく期待できるのである。まだまだ成長を続ける、恐るべき22歳に、Braaaava!!
アンコールは、意外にもベートーヴェンの「エリーゼのために」。うわー、懐かしい。誰でも知っていて、弾いたことはあっても、一流の演奏家が弾くのを聴いたことがない。ん? もしかしてプロのコンサートで聴くのは初めてかも。でも、このクラスの人が弾くと、小学生でも弾けるような曲が、なんと悩ましく、艶っぽく聞こえることか。ちょっと得をした感じのアンコールだった。でもなぜ「エリーゼのために」なんだ?
後半の交響曲第5番に関しては、少々言いたいことがある。
普段からあまり批判めいたことは書かないようにしているつもりだが、今日はさすがに言わせて欲しい。とにかく、日本フィルの演奏はあまりにもヒドイ。最初から最後まで、弦楽の音は濁りっぱなし。個々の奏者の音程が安定していないのだ。アンサンブルもキッチリ合っているとは言い難く、これの濁りの原因の一つだろう。早いパッセージのところなど、バラバラですよ、コンマスさん。木管は、格楽器とも音が平板で抑揚に乏しいく、ただ譜面通りに吹いているだけ、といった印象。金管は音量だけはモノスゴイが、オーケストラのアンサンブルの中から飛び出してしまっていて、うるさいだけ。弦が主旋律を演奏していて金管がリズムを刻んでいるような部分でも、音が大きすぎて弦が聴こえなくなってしまう。とくにトランペットの音が猛々しく、飛び出していた。第2楽章のホルンの主題も、まちがえないで吹いただけで、音は大きいし、チャイコフスキーの哀切など、全く感じられなかった。そしてティンパニ。日本フィルのティンパニは何故こんなにいつも頑張るのだろう。今日の席はS席で2階の2列目センターなのだから、もっともバランス良くすべてのパートの音が均等に聞こえる位置である。にもかかわらず、全体の音のバランスがこれほど良くないとは…。指揮者にはどのように聞こえているのだろうか、不思議に思った。ラザレフさん、これで良いのですか…?
ラザレフさんの曲作りといえば、第1楽章のヴァイオリンによる第2主題が急に遅くなって…。解釈は自由だが、歌えない弦楽パートで、こんなことをしたら、オーケストラがドタバタするだけ。曲全体の印象としても、4つの楽章を通じての構造感がなく、なんとなく落ち着かない。要するに、この曲で何を表現したかったのだろう。それが伝わってこないのである。まあそれは、オーケストラがあれでは、という気もするが。
ところが、曲が終わったら盛大な拍手とBravo!が飛んだ。聴衆の表情を見ても皆大喜び。私とは正反対の反応(評価)のようである。私の耳と、音楽に対する感性はかくも錆び付いてしまったのか。きっと私のような素人には理解できない、素晴らしい演奏だったのだろう。でも。でも、言わせていただきたい。どこがBravo!なんだ!!
なんでもかんでもBravo!と叫んでいるのは、何処の何奴だ!! 私はといえば、先週9/11にはコバケンさんの指揮で東京フィルを聴いたのだが、その時の東京フィルも×××な演奏だと思ったが、今日の日本フィルを聴いたら、東京フィルは実はものすごく巧いのだと思えるようになった。そしてその間に前後して、英国ロイヤル・オペラを3回聴いている。比較するのもナンだが、オーケストラの演奏とか、個々の楽器の音色とか、アンサンブルとか、表現力とか、格段の差がある(別に舶来ものを崇拝しているわけではない。海外でもヘタなオーケストラは毎年いくらでも来日している)。われわれのような音楽ファンと違って、プロオケの人たちはかえってコンサートに行かないのではないだろうか、日本フィルのメンバーの方々も、忙しいのだろうとは思うが、世界の一流の音色とアンサンブルを実際に聴いてみれば、その違いがよーく分かると思いますよ。
というわけで、正直のところ、当分の間、日本フィルを聴くことはないだろうと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/39/921434b90411f39758353b42044be6e9.jpg)
コンサートの終演後、アリスさんによるサイン会があった。アリスさんのサイン会はいつも盛況で、たいてい1点にしかサインをしてもらえない。今日は、拍手をしたくなかったから早めに抜け出して列に並んだ。彼女のデビュー盤、『リスト: 超絶技巧練習曲集』のジャケットにサインをいただいた。目の前でにっこり微笑まれると、むむ…「美人過ぎるピアニスト」だ。ホントに。
![人気ブログランキングへ](http://image.with2.net/img/banner/c/banner_1/br_c_1117_1.gif)