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【何故ベストを尽くさないのか】より良い製品となるための改善と、それを覆してあまりある汚点

2015年10月29日 20時23分04秒 | キワモノすぎるレビューたち
Thermalright Archon IB-E X2, Dual Fans, Eight Copper Heatpipes by Thermalright [並行輸入品]
クリエーター情報なし
メーカー情報なし


 しばらく前、グラフィックボードを買い替えて、それに合わせてCPU等も一新しました。
 その結果現用にしていたThermalright Archon SB-Eが、PCI-eスロットの位置の変更によるグラフィックボードの干渉によって使えなくなってから苦節早十一ヶ月(当時)。
 HR-22やArrow IB-Eが発売されるのを横目になぜArchonは出ないのかと臍を噛んでいたのですが、最近になってようやく発売されました。台湾のHPをたまたま見ててArchonの新製品の製品情報を見つけたときは、思わずリアルに声をあげてしまいました。

 SB-Eはファンクリップの位置を変更してリブありリブ無し、外止め内止めを自由に設定出来、ベースの平面度が高くてフィンの剛性も高く、クリップの形状を除けば間違い無く名作でした。Arrow? 三枚ファンが出来ないからイラネ。せめてヒートシンクの間隔が、FHP-141を組めるだけあればね。
 
 しかし。
 
 残念ながら、新製品はなぜか前作より手を抜いて造られている様です。





 新製品はベースに対してヒートシンクの位置がオフセットしており、うちのPCにも物理干渉を回避して組みつけることが出来ました。メモリ八枚刺しは無理ですが、四枚なら問題ありません。グラボとの間にも、十分なクリアランスが開いています。

 しかし、クリップは従来のままです。
 コネコネットでレビューを書いたとき、俺が最大の問題点として挙げたのはSB-Eのファンクリップ形状でした。
 SB-Eに付属していたファンクリップは140mmファンに120mm用のねじ穴を設けたファンを用いることを前提にしたもので、それだけなら別にいいんですが、それしか使えない形状でした。
 要するに、普通の形状の140mmファンはそもそも使えない仕様だったのです。
 140mmファンの中には120mmファンよりもはるかに大きな風量を持つものがいくつもあるのですが、俺が使っているのは140mmサイズのものの中でもっとも風量の大きい製品のひとつです。
 SB-Eに採用されているファンクリップはThermalruight製品に最近採用され始めた自社製の140mmファンを120mmのねじ穴を設けたフレーム内に納めたラウンドフレームタイプのケースファンの使用を前提に設計されたもので、俺の使ってる製品はそれよりもずっと風量が多いのです。
 要するに付属のファンを使うと逆に性能落ちるのです。
 今回もそれと同じ、ラウンドフレームファンしか使えない形状のものが付属しています。
 個人的にはこの点がかなりのマイナスです。

 この製品最大の問題として、これはSilver Arrowのレビューで瀬文茶さんが問題にしていましたが――荷重調整機構が無くなっています。
 荷重調整機構は荷重調整よりも位置決めの正確さという意味において利点が大きく、非常に有用性の高いものでした。これが無くなるということは、場合によってはヒートシンクが下にずれるということです。

 なぜベストを尽くさないのか?

 冷却能力検証なんですが、ここしばらくCPUの発熱が大きすぎて熱伝導シート派から宗旨替えしています。そのため、グリスの塗り方の差が出てくるので完全なイコールコンディションが造れません。
 同様に干渉によって以前のCPUクーラーはすべて組めないので、今回は比較対象は銅しげるのみになってしまいました。
 この時点ですでに120mmと140mmの風量差が出てきているため、銅しげるは実際のところ比較対象にもなりません。
 このため、正確な冷却性能の比較では無くわたしの環境による結果程度に認識していただけると幸いです。

 前提条件としてPC構成は
・PCケース:CoolerMaster Trooper-Window(Trooperに別売りのサイドパネルを組み合わせてStrikerと同じ状態にしたもの)

システム周り
・OS:Windows7 64bit
・CPU:Intel i7 3970x(定格)
・CPUクーラー:Thermalright Archon IB-E
・RAM:Corsair CMY32GX3M4B2666C11R
・M/B:ASUS RAMPAGEⅣ Extreme黒板
・電源:Coolermaster silentProGOLD1200
フロントベイ
・RAMドライブ:ACARD ANA-9010 16GB
・光学ドライブ: Pioneer BDR-S05JとDVR-S17J
 並び順はM/B標準のコントローラー、ACARD ANS-9010、BDR-S05J、DVR-S17J、グラフィックボードの排気ファン用に二段
シャドウベイ
・HDD:WestanDegital BlueCaviar640GB×2
・SSD:Intel SSDSA2VP020G201
・システムドライブ:Prexter PX-128M5Pro
・アプリケーションドライブ:Prexter PX-128M3とPX-256M5P
 シャドウベイに関しては、クリアウィンドウ化に伴う吸入空気量を補う&掃除が楽という理由で縦置きにしてあります。
 フロントパネルには細目のメッシュが仕込まれており、さらにファンのフィルタと組み合わせることもできるため、このふたつを組み合わせたほうが防塵性は高いと判断しました。現在はファンフィルタ二枚とフロントパネルを使って防塵をしています。

以下、PCIデバイス
・グラフィックスボード:MSI N670GTX PE OC
・サウンドカード:ASUS HDAV1.3D
・キャプチャボード:Monster X-i
・エンコードボード:Leadtek WinFast PxVC1100
 並び順はグラフィックボード、二スロット空けてキャプチャーボード、サウンドカード、エンコードボードとなります。

 ファン構成はトップファンにMega Flow 200 Red LED Silent Fan(R4-LUS-07AR-GP)を下に向けて吸気する様にして組んであります。純正との風量の差はわかりません。公称値で比較する限り、回転数が若干落ちているので、たぶん減ってると思います。ですが、あまり強力なものを組むと逆に内部の空気が撹拌されすぎて冷却効率落ちるので、これくらいがちょうどいいと思ってます。
 モジュールのHDD冷却ファンはKAZE JYUNIのSY1225SL12SH、最高速最大風量のものに組み変えました。
 ボトムファンは銀石のFHP-141を後部に一枚。前部には組んでいません。
 背面の排気ファンはRL4Z B1402512EHに交換し、さらに背面の外側にFHP-141を取りつけてあります。
 それと、グラフィックボードの前方に、オープンベイをふたつ潰して合計四個の80mmファンを前方に排気する様にして組んであります。グラフィックボードの排気を多少なりとも促すためのものですが、正直効果は微妙なところです。

 銅しげるはKAZE JYUNIの90CFM、Archonは親和産業の150CFMのものをそれぞれ二枚ばさみ。標準のファンは嫌いなので使いません。クリップは初代Archonからの流用です。


Archonのアイドル中、室温は21.2度


Archonのしばき中


銅しげるのアイドル中


銅しげるのしばき中

 結果、まだグリスがなじんでいないためかしばき中の温度はさほど差異がありませんが、アイドル時の温度はがくっと下がりました。
 銅しげるもレビュー書いた当時に比べて今のフルロード時の温度が若干下がっているため(室温差を考慮しても)、しばらくするともっと数字が伸びるかもしれません。
 とりあえずこれで十年戦える。

 ですがそれはArchonのクリップ流用によって取りつけるファンの自由度が確保出来る人だけで、正直SB-Eと同じくあまり気楽に勧められる製品ではないですね。位置決めが容易であると言うメリットもあり、荷重調整機構は残しておくべきだったと思います。このモデルのヒートシンクは面取りをされておらず、そもそもベースに穴があいてないので、ベース金具を流用することも出来ません。

 ところで、進撃の巨人の実写映画。ジャンとハンジ、ソウダのポスターの背景がどう見ても現代戦争映画です。思っくそ無限軌道が映ってるじゃねーか。ドウイウコトナノ……

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