MARKETER’S BLOG【小太郎がゆく】

【小太郎がゆく】はマーケター小太郎がいろんなところで出会うさまざまなヒトやデキゴトについて等身大で描いていく日常見聞ログ

都を忘れさせてくれる名宿

2008年07月23日 | 気にな~るジュルナール
朝日新聞「ひと」より
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廃屋だった温泉旅館を再生したおかみ 佐藤京子さん(64)

【7月23日 朝日新聞「ひと」】

 秋田県の田沢湖に近い山道を、ベンツやBMWが泥にまみれて上っていく。めざす先
は夏瀬(なつせ)温泉の一軒宿「都わすれ」。携帯電話もテレビの地上波も届かない山
奥に3年前に開業。女将(おかみ)自ら間取りや壁紙、家具の配置まで決めた、こだわ
りの宿だ。

 秋田県の大曲で生まれ、結婚して東京に。デザインの仕事と子育てに追われていた47
歳の時、胃がんを患った。大手建設会社に勤めていた夫とともに仕事をやめて帰郷。祖
父母が経営する乳頭温泉郷の旅館で療養するうちに快復し、女将を継いだ。

 6年前、夏瀬温泉を訪れた。江戸時代から地元で愛された湯治場。体が弱かった幼い
ころ、祖父に背負われ通った思い出の場所だ。だが、交通の便の悪さから衰退。無人の
廃屋はカメムシだらけだった。ところが裏手に回ると、湯がこんこんとあふれている。
「手を入れると、懐かしいぬくもりに涙が出そうになった」

 がんを克服した自分の人生に、温泉の再生を重ね合わせた。周りからは「あんなへん
ぴな所、絶対成功しない」と反対されたが、2億円の借金をして、高級路線で勝負に出
た。全9部屋に源泉かけ流しの露天ぶろを備え、1泊3万円前後から。首都圏の団塊世代
を狙っている。

 昨年のテレビ番組で「究極の穴場温泉宿」の全国1位に。2泊した李登輝・元台湾総統は「日本の原風景が残っていた」と喜んだという。

「限られた命。やるなら今しかない」と腹をくくっている。

文・今野忍 写真・贄川俊
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ちょっと気になるお宿です。

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