トトヤンの家庭菜園

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一気読み

2023-06-09 15:25:24 | 日記


ロシアよ、我が名を記憶せよ(新潮文庫)八木荘司(ヤギソウジ)著

とにかく今回の核の脅威をちらつかせたこの戦争は、北欧のみならず、世界全体の隅々にまで悪影響を及ぼしてしまっている。物価高、近くは食料危機。小説のほうの時代背景は全く違いますが軍神廣瀬の最後の戦い。戦場に赴く前にチョークで船橋の壁に書かれたロシア文字。「親愛なるロシアの水兵たちよ、私の名を記憶せよ。私はタケオ・ヒロセ海軍少佐である。貴軍港を閉塞せんと再度こここにきた」砲弾の雨を覚悟したアリアヅナへ熱情であり、それは戦争への怒りであったかもしれない。今回のウクライナとロシアの戦争でも国家と国家の対立図式に不幸にして旗幟を鮮明にしなければならなかった人たち。こういった似た不幸を現在進行形の報道等でそこかしこに垣間見る気がします。手紙を託された加藤寛治海軍少佐はなぜ公表しなかったのか。それは、廣瀬が「軍神」としてまつりあげられてしまったからであったろうと。「軍神廣瀬中佐が敵国の女性を愛するなど、当時の国民感情では、あってはならないことだった」、著者はあとがきに記しています。ペテルブルグ駐在中は多くのロシア人に親しまれたという廣瀬。「反ロシア」一色に染まる当時の日本で、幸せに暮すことなどできるのか。二人は愛と再会を誓い離れ離れとなるのですが廣瀬は戦場で死にます。「傲(おご)れる軍国の力を以て不法の侵略を行ふもの、それがあなたの国であることを私は悲しむ」この廣瀬の遺した言葉は、ひるがえって今のウクライナ国民の声にふさわしく響きます。

その他、いつまでも白い羽根 (光文社文庫)藤岡陽子著
とにかく、作品は導入部から良い。一気読み。

停電の夜に (新潮文庫),ジュンパ・ラヒリ著
まだ読み終えてないので、著者のプロフィールを転記
1967年ロンドン生れ。両親ともカルカッタ出身のベンガル人。幼少時に渡米し、アメリカのロードアイランド州で成長する。’99年、「病気の通訳」がO・ヘンリー賞受賞。同作収録の短編集『停電の夜に』でPEN/ヘミングウェイ賞、ニューヨーカー新人賞ほかを独占し、鮮列なデビューを飾る。2000年4月には、新人作家としてはきわめて異例ながらピュリツァー賞を受賞し、一躍全米の注目を集めた_とある。

タイトルに惹かれて選んだだなんて、この大雨。もしか停電になっても、読むつもり?(笑う)笑われてしまう。


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