2009年
新しい歳ということで
自分の雑然とした知識になにか体系的な軸を築く参考になるものは?
と思っていました。
中公新書の新刊書『日本人の生命観』(写真)
は、記紀万葉の時代から現在までの日本の思想をあまりジャンルにこだわらずに紹介し、また、現在の社会や政治のあり方などにも関連づけて書かれています。著者は、もとはフランス文学の専攻で、大正期の思想に詳しい方のようですが、博学で楽しいです。
日本人の生命観
*目次はアップされていない。
Suzuki Sadami's Home Page
*勤務先の総合研究大学院大学の著者のホームページは目次が英語ですが、中味は日本語です。(現在、同大学院の学長特別補佐をされている)
*フランスの日本学を代表する研究者であるオーギュスタン・ベルク(風土論)との共同研究などをしている。
【それぞれの読み方】
私の場合は、社会福祉学に関連する日本の研究者が外国の理論をそのまま移入している背景や、日本社会に漂う閉塞感の根底には自分の国の文化への理解が乏しいのでは?という疑問を抱いてきたので、そういう視点で読みました。
大きな流れをつかむのに良いと思います。
ある程度、日本の思想史のようなことに関心があれば、副題が「神、恋、倫理」とあるように興味ある部分があると思います。
【印象に残ったところ・・】
○ 万葉の時代の大伴家持の寂寥感 p.41
○ 方丈記 p.52
○ 西郷隆盛が『言志四録』(佐藤一斎)を熟読していた p.104
○ 国家のハンセン病の扱い p.191
新しい歳ということで
自分の雑然とした知識になにか体系的な軸を築く参考になるものは?
と思っていました。
中公新書の新刊書『日本人の生命観』(写真)
は、記紀万葉の時代から現在までの日本の思想をあまりジャンルにこだわらずに紹介し、また、現在の社会や政治のあり方などにも関連づけて書かれています。著者は、もとはフランス文学の専攻で、大正期の思想に詳しい方のようですが、博学で楽しいです。
日本人の生命観
*目次はアップされていない。
Suzuki Sadami's Home Page
*勤務先の総合研究大学院大学の著者のホームページは目次が英語ですが、中味は日本語です。(現在、同大学院の学長特別補佐をされている)
*フランスの日本学を代表する研究者であるオーギュスタン・ベルク(風土論)との共同研究などをしている。
【それぞれの読み方】
私の場合は、社会福祉学に関連する日本の研究者が外国の理論をそのまま移入している背景や、日本社会に漂う閉塞感の根底には自分の国の文化への理解が乏しいのでは?という疑問を抱いてきたので、そういう視点で読みました。
大きな流れをつかむのに良いと思います。
ある程度、日本の思想史のようなことに関心があれば、副題が「神、恋、倫理」とあるように興味ある部分があると思います。
【印象に残ったところ・・】
○ 万葉の時代の大伴家持の寂寥感 p.41
○ 方丈記 p.52
○ 西郷隆盛が『言志四録』(佐藤一斎)を熟読していた p.104
○ 国家のハンセン病の扱い p.191
今年も、よろしくお願いします。
今年は1月9日に卒業論文の提出日です。
(学生指導は、ほぼ10年目。随分慣れてきました。)
ただ、この時期には、家でゆっくりしていても、なんだか気になりますね。
実は、1人の学生が生命観について取り上げています。子どもの性別・障害の有無による産み分けやその背景について考えるものです。
また、ご相談させていただくかもしれません。
難しい問題です。
ただ、日本はしっかり考えていますし、とても慎重な国だとわかってきました。
文化や心に支えられて、生命観がここまで国ごとに違うのは驚きです。
鈴木貞美先生のホームページを見ました。
大変興味深いですね。
関西モダミズム研究など、エキセントリックな
雰囲気を感じさせられる方ですね。
私も1920年代にも興味がありましたから、ぜひ読ませていただきたいと思います。
ご紹介ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
本年もよろしく。
私の昔の経験では(いまは学部の演習を持っていないので)
4年間で一番印象に残っているのが
この卒業論文だという学生が多いですね。
また、学部の卒論で個性ある内容を書いて人は後に成長することが多いことも経験しています。
細かなことではなく大きな筋道ですね。
こちらこそよろしく。
この本は、
博学多識も魅力ですが
何か「いのち」という視点で、著者のスタンスが明確に書かれていることが一番印象に残っています。
たんなる「ものしり」ではいけないと暗示されているようにも思って読みました。