【報告の構成】
『離島の離島』では、高齢者の生活と福祉はどうなっているのか?
という問題意識で実施された報告書の紹介シリーズ。
今日は、第2回目です。
報告書は部厚いものですが、大きくいって、
○ 質的調査 といって、研究スタッフが集落の区長さんとか地域ケア会議とかに行ってヒアリングした結果を整理したもの。
○ 量的調査 では、統計的な調査です。
調査は、第1回にあげた鹿児島国際大学の教員のほか、非常勤教員や大学院生もチームとして参加しています。
調査の内容は、大学の紀要などにも報告されましたが、このブログでは、最終報告書を紹介します。
【離島の離島】
まず、ここで「離島」とは、奄美大島ですね。
奄美大島は、鹿児島から約380キロ、空路50分の外海離島です。
奄美大島の南先端が、古仁屋(こにや)といわれる都市部です。古仁屋は奄美空港からバスで2時間20分かかります。
この調査の対象は、古仁屋から、フェリーでいける次の3つの島、つまり「離島の離島」です。
・加計呂麻(かけろま)島
・請島
・与路島
【奄美大島の経済と生活】
3つの島の話の前に、奄美大島のことをごく簡単にまとめてみます。
・地理 群島、台風の常襲地帯
・1954年に本土復帰以降、特別措置による財政負担が行われた。
(50年間に、約2兆5000億円の事業費が投入された)
・サトウキビ 26529戸(1955年)→7829戸(2001年)に減少
生産量 ピーク時70万トン→44万トン
・大島紬 1972年 29.8万反→2002年 3.3万反
生産額 288億円→27億円
・人口 1965年 183471人 → 2002年 131435人
65歳以上 18361 → 34882人
65+/人口 10.0% 26.5%
・就業者の高齢化 45歳以上が、総就業者の51.9%
65歳以上 〃 13.8
【福祉】
・国民年金のみの加入者が多い
月額 5万円未満が、63.9%
・生活保護の受給率 3.7% (鹿児島県 1.2% 全国 0.9%)
【離島高齢者政策の基本的方向】
田畑教授(社会保障論)のまとめ(p7):
・所得の手厚い保障
・医療や福祉サービスのアクセス
・地域の助け合いのシステムの支持
*今日のブログは、主に、田畑先生の概況(p3-p7)によりました。
次回、第3回以降、「離島の離島」の話に入ります。
『離島の離島』では、高齢者の生活と福祉はどうなっているのか?
という問題意識で実施された報告書の紹介シリーズ。
今日は、第2回目です。
報告書は部厚いものですが、大きくいって、
○ 質的調査 といって、研究スタッフが集落の区長さんとか地域ケア会議とかに行ってヒアリングした結果を整理したもの。
○ 量的調査 では、統計的な調査です。
調査は、第1回にあげた鹿児島国際大学の教員のほか、非常勤教員や大学院生もチームとして参加しています。
調査の内容は、大学の紀要などにも報告されましたが、このブログでは、最終報告書を紹介します。
【離島の離島】
まず、ここで「離島」とは、奄美大島ですね。
奄美大島は、鹿児島から約380キロ、空路50分の外海離島です。
奄美大島の南先端が、古仁屋(こにや)といわれる都市部です。古仁屋は奄美空港からバスで2時間20分かかります。
この調査の対象は、古仁屋から、フェリーでいける次の3つの島、つまり「離島の離島」です。
・加計呂麻(かけろま)島
・請島
・与路島
【奄美大島の経済と生活】
3つの島の話の前に、奄美大島のことをごく簡単にまとめてみます。
・地理 群島、台風の常襲地帯
・1954年に本土復帰以降、特別措置による財政負担が行われた。
(50年間に、約2兆5000億円の事業費が投入された)
・サトウキビ 26529戸(1955年)→7829戸(2001年)に減少
生産量 ピーク時70万トン→44万トン
・大島紬 1972年 29.8万反→2002年 3.3万反
生産額 288億円→27億円
・人口 1965年 183471人 → 2002年 131435人
65歳以上 18361 → 34882人
65+/人口 10.0% 26.5%
・就業者の高齢化 45歳以上が、総就業者の51.9%
65歳以上 〃 13.8
【福祉】
・国民年金のみの加入者が多い
月額 5万円未満が、63.9%
・生活保護の受給率 3.7% (鹿児島県 1.2% 全国 0.9%)
【離島高齢者政策の基本的方向】
田畑教授(社会保障論)のまとめ(p7):
・所得の手厚い保障
・医療や福祉サービスのアクセス
・地域の助け合いのシステムの支持
*今日のブログは、主に、田畑先生の概況(p3-p7)によりました。
次回、第3回以降、「離島の離島」の話に入ります。