介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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新刊・ドイツ社会保障に関する本格的な研究書

2008-01-20 05:55:57 | 地球→ドイツブログ
【社会保障改革―日本とドイツの挑戦―】
・・・と題する本がでました。

ミネルバ書房 MINERVA人文・社会科学叢書 129
265ページ、4000円+税。

*「まえがき」は、2007年5月に書かれていますが、発行日は2008.1.30
となっています。

編著者:
土田武史   早稲田大学
田中耕太郎  山口県立大学
府川哲夫   国立社会保障・人口問題研究所

このほか、以下の4人が分担執筆
貝塚啓明   京都産業大学(←東大・財政学)
松田晋哉   産業医科大学
橋本泰子   大正大学
駒村康平   慶應義塾大学

【ドイツの専門家との共同研究】
マックスプランク研究所のベッカー所長以下6名と貝塚教授以下7名の
研究者グループが、2004年から2007年までの間に社会保障に関する共同研究を
行った。
2005年9月に、ミュンヘンで
2006年10月に、箱根で  ウォークショップが開かれ
2006年10月、東京で公開シンポジウムが開催された。

その際に発表された論文は、
Web Journal, The Japanese Journal of Social Security Policy
Vol.6, No.1, March 2007
に掲載された。(国立社会保障・人口問題研究所)

本書は、日本側メンバーによって、この共同研究の成果を集大成したもの。
制度の概要の比較だけではなく、今後の政策課題を深める考察が随所に書かれていて、
ドイツの社会保障研究を深化させる本となったと思います。

【医療・介護・年金】
ドイツは、1883年、ビスマルクの時代に健康保険制度を創設したことで知られる。
日本の社会保障制度は、社会保険方式を基礎として、ドイツの制度に多くのヒントを得てきた。
最近では、日本が2000年から導入した介護保険制度には先行して創設したドイツの制度から多くの示唆を得ている。

この本では、社会保障制度のうち、医療・介護・年金の3部門について、制度の現状・特徴・解決策・今後の課題と考察している。

日本とドイツの共通点と同時に相違点も明らかにすることによって、日本の社会保障制度が抱える課題を浮き彫りにしようとしている。

【ドイツ研究を代表する研究者】
本書は、各部門を考察する9つの章と序章、終章の合計11の章から構成される。

編著者の一人、府川部長は、かって社会保障研究所からシリーズの世界各国の社会保障を刊行した際の企画責任者であり、
私にそのドイツ編の編集を依頼した人です。(ドイツ編は、1999年、東京大学出版会から刊行された)
「・・その任にあらず」と、固辞したのですが、年齢の関係でふさわしい人がいないということでお受けしたのです。

というのも、かって、厚生省(当時)大臣官房政策課に調査室が設けられ、ドイツ出の勤務から帰国した直後の私が(初代の)室長となったとき、
課長補佐(兼務)として支えてくれたのが他ならない府川さんでしたから。

幸い、この本は10年近くたった今もドイツ社会保障研究の基本書として読まれています。
この編集の際に、助言してくれたのが、今回の編著者の一人である田中耕太郎教授です。
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2 コメント

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マックス・プランク研究所 (genesislife)
2008-01-20 07:09:51
 M・プランク研究所って自然科学だけじゃなかったんですね。

 新鮮な驚きと共に社会福祉に強い親しみを覚えました。

 ドイツは法律や社会制度に関してはやはり先進国なんですね。
社会科学分野の交流 (bonn1979)
2008-01-20 10:01:41
genesislife さん
コメントありがとうございます。

たしか、マックス・プランクというくらいですから
最初は物理学とか自然科学系かと思いますが
社会政策の分野でも日本とは深い交流があります。

この本は、その一つの成果ですが、別途読んでいる
松本勝明さんも、その国際法研究所に招聘されていました。

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