「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

銀剣草

2006年08月02日 | 季節のうつろい

 関西在住の古い友人のOさんが写真を趣味にしていて、折にふれて珍しい草花の映像をMAILで送ってくれます。

 水生植物、山野草、睡蓮と、私のブログに関連したものを季節ごとに選択して、多彩です。今回は見たことのない草花でした。

 「花博記念公園の「咲くや木の花館」で、ハワイはマウイ島特産の「銀剣草」が播種から10年、初めて花をつけたと聞いて出かけました。」といって、写真に収めたものを送ってくれました。

 シルバーソートの名前で、マウイ島で見られる高山植物ということは知っていましたが、目にするのは初めてです。

 蝉は日本では大体7年の土中の暮しですが、この草花は、南方原産でいながら、随分ゆっくりと10年から20年かけて成長するようです。一生に一度だけの花をつけた後は枯死するのだとか。ハワイでは1メートルほどの背丈になるそうですが、今では簡単には見られない絶滅危惧種だそうです。

 名前はその姿そのものからでしょう。10年の歳月の重みを纏って、それでいて、映像で見る限りではどこか儚げなのは白髪を思わせる色からでしょうか。
 火消しの振る「纏草」とでも名付けると、江戸前のいなせを感じるかもしれません。

 高山砂漠に生きる孤高の老人を、人間の知恵と心くばりで、いつの世までも、絶滅させることのないよう願うのみです。

 

3株の銀剣草




上部の剣につく、向日葵の仲間のような花