吟遊詩人の唄

嵯峨信之を中心に好きな詩を気ままに綴ります。

空/嵯峨信之

2008-12-04 12:53:54 | 嵯峨信之
どんな小さな窓からも空は見える
どんな大きな窓からも空は見える
その二つの大きな空は垂れさがったおなじ一つの空だ
わたしはその空をひき下ろそうとしたが
空はどこまでもつづいてはてしがない

いつも
どこにいても
白い空はわたしを閉じこめている
一つの大きな心のように

しかし わたしになにか気に入ったことがあると
青いいきいきした空が
わたしの心のなかの遠くに見える
その空はきっとわたしが生まれた日の空だ
もしそうでなければ
その遠い空をながめていると
きゅうにこう眠くなるはずがない


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