The Blueswalk の Blues&Jazz的日々

ブルースとジャズのレコード・CD批評
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リマスターBeatles

2010-03-19 08:22:21 | Rock

リマスターBeatles
                                                                    By The Blueswalk

 2009年9月9日、世界同時発売と銘打って、ビートルズの全CDのリマスター盤が発売された。しかも、オリジナルのモノラル盤とステレオ盤の両者を全CDセットで発売という快挙である。
僕も一応ビートルズ世代である。高校一年生のとき、ビートルズが日本にやってきた。それまでは、ポピュラーミュージックを聴いてはいたけれど、ロックの類はあまり興味がなかったのであるが、ひとつ年上の兄貴が”絶対見ろ”ということで、兄貴とテレビにかじりついて見たのを思い出す。ただし、そのときは全く音楽を聴いたという感覚は残らなかったのだが・・・
 ところで、うちの奥さんは、じつはビートルズ・マニアなのだ。恥ずかしながら、うちの玄関の下駄箱の上には額に入ったビートルズのポスターが鎮座しているのだ。ちなみにその隣にはヒロミ・ゴー(郷)のぬいぐるみもいらっしゃる。
そう言う訳で、“買わないわけにはいかない”と思いつつも2つも買えるわけもないから、どちらか一方にしなきゃしょうがない。ステレオ盤35800、モノラル盤39800、まようなあ。多分、僕が若いころ買ったレコードはモノラルだったはずなので、とりあえずモノラル盤と決めて、さて、つぎはお金の算段だ。ここは、何とかして奥さんをなだめすかして、折半までには持って行きたい。しかし、何故かうちの奥さんは、このCD発売のニュースを知らなかった。それで、
(僕)『ビートルズのCDが出るんだってよ。音が格段によくなっているんだってよ。買おうと思っているんだけど、どぅ?欲しいやろ?半分ずつ出さへんか?どうせ俺はコピーしてそっちを聴くから、本体は全部あんたにやるし~』
(奥)「なんで音がよくなるん?演奏しなおしたん?」
(僕)『あほか、いまビートルズは半分しか生きとらへんわ。演奏しなおしできる訳ないやろう。それはやなぁ、・・・・・・・』
と、ジャズのブルーノートとルディ・ヴァン・ゲルダーのリマスター話に持ち込んで、煙に巻いて何とか交渉成立と相成った。
 結局、タワーレコードに行ったが、モノラル盤は売り切れで、入荷のめどが立っていないということもあり、ステレオ盤を購入したのだった。
 さて、問題はどれぐらい音がよくなったかを調べ、報告する必要がある。でないと、半額をもらえるいう確証が得られないからだ。ところが、僕はビートルズのCDを持っていないし、アナログ・レコードは押入れの奥のどこにあるか分からないので、さしあたり、奥さんのCDとリマスターを聴き比べることにした。
 結果、細かくは色々あるが、総じて以下の二点が挙げられるだろう。
第一に音がクリアーになった。「ゲット・バック」などを聴いていると、従来のCDではこんな篭った音を聴かされていたのかと思うと、可哀相になってくる。ちなみに、アナログと較べても、クリアーさではリマスターの方がいいようである。
次に、音の押し出しがよくなった。とくにベースの音が前面に出てくる部分の迫力はこれまでになかったところだ。もともと、ポール・マッカートニーのベースはメロディアスでリード・ベースなどと揶揄されたこともあったが、改めて天才的であったことが認識されるであろう。
それに引きかえ、ジョージ・ハリソンのギターの下手さ加減には相変わらず笑ってしまう。エリック・クラプトンがメンバーに誘われたというまことしやかなエピソードが真実味を帯びてくるというものだ。


※この文章は2009年11月の関西ジャズ・ソサエティの会報に載せた記事のリニューアルです。


ロックは中年おやじの音楽?

2010-03-19 08:17:11 | Rock

ロックは中年おやじの音楽?
                                                               By The Blueswalk

 少し前の話題であるが、朝日新聞に以下の記事が載っていたので紹介する。
すなわち、「6・9はロックの日」ということのようだ。

若いころ、よくナンバや心斎橋のロック喫茶に行っては、薄暗い狭い密閉された部屋で大音量のロックを聴いたものである。ツェッペリンの『ソング・リメイン・ザ・セイム』のビデオを見て感動したのを思い出す。
当時、関西を中心に「8・8ロック・デイ」という大々的なイベントがあり、よく出かけたものだから、僕にとっては8.8のほうがロックの日というイメージが残っている。
 この6・9ロックの日に因んで、インターネット上で、過去のロック・ヒーローの人気投票が行われた。その結果が以下の通りとなっている。
コメントも原文のまま。

-コメント-------------------------------------------------------------
 1位は、多くのアーティストから絶大な支持を受け、日本の音楽シーンに旋風を巻き起こした忌野清志郎。世代を超え愛されるなか、2009年5月2日に残念ながら58才という若さでこの世を去ったが、その存在は永遠だという声が全世代の男女から聞かれた。奇抜なファッション、恐れを知らぬ言動の陰にあったのは、「強く優しくそしてカッコいい」(長野県/40代/男性)音楽と「最期まで自分の音楽を貫いた」(北海道/10代/女性)ロック魂だった。

 2位は矢沢永吉。「50才すぎても全く変わらないところがロックそのもの」(群馬県/40代/女性)であり「数々の伝説がある」(東京都/20代/女性)のは、さすが永ちゃん。

 3位と4位にも熟年のロッカーが並んだ。「気ままにやりたいことだけをやっている。反骨精神の塊のような人」(東京都/20代/女性)「『ロックンロール』という口癖、『シェゲナベイベー』という名言、そして今年70才とは思えない奇抜なファッションをしている」(大阪府/20代/男性)内田裕也と、忌野清志郎の親友でもある泉谷しげる。「荒っぽい言葉の裏に優しさが見える」(静岡県/40代/女性)「あらゆる言動が扇情的。でも根はシャイ」(静岡県/30代/男性)というのは泉谷に限らずロッカーに共通の特性かもしれない。
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 この結果を見ると、ロックはもはや中年おやじの音楽になってしまったんだなあといった感慨に耽ってしまう。7番の甲本ヒロト、9番の土屋アンナについてはどんな人か全く知らないが、8番はご愛嬌としても、5番を除いては皆年寄りばっかりといった感じで、今の若者はロックは聴いていないんだろうかと思ってしまう。ロックって若者の特権みたいな時代はとっくに過去のものとなってしまったんだろうか? 
 どうも、よくよく聞いたり、調べたりしたら、今や『ロック』というカテゴリの音楽分野は存在しないと思った方が良さそうだ。つまり、テレビやCD売れ行き上位の人気のグループ達は“J-POP”や“HIP HOP”などのカテゴリに入っているのだ。もう、ロックという言葉自体が過去の遺物なのだ。

 さて、会員皆さんの想い出のロッカーは誰でしょうか?
例会でこういった企画をするのも面白いかもしれませんね。
ジャズを中心に『KJSが選ぶベストテン』なんていいじゃないですか?


※この文章は2009年8月の関西ジャズ・ソサエティの会報に載せた記事のリニューアルです。