BMWにはモータースポーツ仕様のモデルを開発するM社という子会社が存在するのは有名な話だ。ベンツでいうAMGと同じ位置づけである。やっぱりBMWの究極のドライビングマシーンとしての走りに憧れる人は、どうしてもMモデルに魅せられてしまうが、Mモデルは通常モデルよりもかなり高価なので、なかなか手が出ない。通常モデルでも充分高いのだが、Mだと2倍はしてしまうし、1,000万円以下で新車のMを購入出来るモデルは基本無いのだ。その意味では高嶺の花ではあるのだが、M Sport仕様など、Mのエアロパーツなどをオプションで付けた比較的手が届くカスタム仕様モデルなどもあるので、やっぱりどうしても憧れてしまう。
先日、Mを取り上げた雑誌、『BMW LIFE』の“Mに魅せられて“を購入した。昨年の2月に出版されたものだが、色々なMモデルを取り上げており、なかなか充実した内容である。
M社は1972年に設立したBMWの子会社で、Mシリーズの開発を手がけている。もともとM社はモータースポーツという社名だった。Mシリーズ第1号となった「M1」は1978年に登場し、モデルチェンジを繰り返しながら進化を続けている。BMWは1、2、3、4、5、6、7、8シリーズに加え、SUVのXシリーズ、2シーターオープンスポーツのZシリーズなどがあるが、その全てにMモデルが存在しており、BMWが長年にわたり活動してきたモータースポーツの経験や知識、ノウハウが凝縮しており、エンジンのスペックは過酷なレース環境にも耐えられるクオリティ。高スペックのエンジンに負けない優れたボディ剛性、強力なパワーを発揮するブレーキも備えている、まさに究極のドライビングマシーンなのである。
M3などが一般的には有名だが、僕はZ3が好きなこともあり、M Roadsterが出た時はすっかり魅せられた。今乗っているZ3は、“エディション3”という75台限定発売された貴重なモデルだが、M Roadsterのシート、BBS 17インチアルミホイール、ドアミラー、エアロパーツなどM仕様のパーツなどを備えた特別装備車なのが気に入っている。本物のMではないものの、Mの息吹を備えたモデルなのである。
雑誌『BMW LIFE Mに魅せられて』には、主にBMWとランボルギーニ社が共同開発した初代MモデルのM1誕生秘話などが大きく取り上げられているが、この何とも言えないレトロ感のあるランボルギーニ的なスポーツカーが今見ても妙にカッコいい。そしてやっぱりMと言えば赤、ネイビー、ブルーという不滅のトリコロール。この3色でMであることのアイデンティティが一目瞭然なのだが、これこそが僕の魅了されるデザイン性の美しさなのだ。
雑誌ではドイツ・ミュンヘンに本拠を置くBMWのBMWミュージアムなども紹介しているのが楽しい。いつかこのBMWミュージアムを訪れてみたいものだが、とりあえずは雑誌を見ながら想像して楽しむことにしよう。