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クリエイティブが大好きなのに、なぜか商社マンになってしまった私のマニアバース!

芦川いづみファン必見!テレビドラマ『志都という女』

2023-06-11 09:04:34 | 芦川いづみ

僕の大好きな芦川いづみの出演映画は、かなりの数をDVDや神保町シアター等で観てきた。DVD化されているにも関わらず、まだ観れていない作品もまだ幾つかあるのでこれから順次チェックしていくが、もう一つ、芦川いづみファンとしては外せない作品がある。それは、映画ではなく、芦川いづみが主演したテレビドラマ、『志都という女』という作品だ。

『志都という女』は、1967年11月13日から12月29日にかけてTBS系で放送された、日活とTBSが共同制作した名作メロドラマドラマ。月曜日から金曜日まで週5回、毎日30分という枠で放送された。ただひたすらに愛し、人の倖せにのみ生き、何ひとつ報いられることのなかった女・志都の物語。一人の若者が純愛に生きた志都という女性に出会い、彼女が死ぬまでの清く儚い愛の歴史を、高橋玄洋の原作を日活が映像化した。主演は芦川いづみ、川地民夫、織賀邦江、小松方正、深江章喜など。

長らく幻のドラマとなっていたが、50年以上の時を経て、2020年にHDリマスターで初のDVDセット化(全35話、ディスク5枚)されたのだ。芦川いづみファンとしてはこのDVDをぜひゲットしたいとかなり前から思っていたが、定価は22,000円もしてしまうし、中古でもネットで出回っている価格は18,000-20,000円くらいするので、なかなか手が出せずにいた。しかし、今回ついに半額くらいで入手することに成功し、ようやく念願の芦川いづみテレビドラマを手に入れることが出来て感無量である。

DVDは小さなブックレットも付いており、解説や、登場人物の紹介、各話のダイジェスト説明などもあって、芦川いづみグッズという意味でもかなり貴重だ。

1967年と言えばまだ僕も生まれる前で、しかも芦川いづみが引退してしまう1968年の1年前に主演したドラマだが、当時は高度成長期の真っただ中。そんな時代背景に、お茶の間の専業主婦にはメロドラマが大変好評で多くのメロドラマが制作されたが、この作品も例に漏れず、王道のメロドラマとして制作された。

ドラマの内容だが、大学受験に失敗した浪人生・中河勉(川地民夫)は5年前に五歳上の太田志都(芦川いづみ)という女性を知り、やがて勉は翳のある志都に思い憧れ、ひそかに結婚の約束まで交わすこととなるが・・・というもの。モノクロのメロドラマでもあり、タイトルからしてかなり地味な幸薄ドラマであることは容易に想像がついてしまう。

芦川いづみのキャリア晩年となる1965-68年頃の日活映画は、徐々に浅丘ルリ子、吉永小百合、和泉雅子などが主役として定着していった時代であり、芦川いづみも主演やヒロインから、やや2番手、3番手の役柄を演じるようになっていた。その意味では華やかな芦川いづみの絶頂・黄金時代(1957-1962年頃)から比べると、“幸薄系”としての需要が増したと思われる。晩年は大人の女性としての魅力や、顔立ちの美しさにも磨きがかかったことで更に拍車がかかったのだろう。その意味では、この『志都という女』はまさにハマり役であったと思う。

DVDは全35話(第19話は原版消失のため欠番)が5枚のディスクに収められており、全話を観るには17時間以上かかってしまう為、実はDVDを購入してからまだ観れていないのだが、これから少し時間をかけてじっくりと鑑賞していきたいと思う。メロドラマだけに、純愛、すれ違いなどかなり辛いシーンが多いことも予想されるし、涙を流す芦川いづみはいつも果てしなく美しいのだが、やっぱり観ていて辛いのも事実。しかし、彼女が主演しているドラマで、DVD化されているものは殆どない上、逆にこんなに“長時間”芦川いづみを観ていられるというのは最高に幸せな時間でもあり、“歴史的芦川いづみ遺産”として、当時の芦川いづみの美しさをぜひ堪能したいと思う。また観終わった際に感想をブログでご紹介したい。


至極のモダニスト ~ 映画監督、中平康!

2023-06-10 15:10:32 | 芦川いづみ

僕が大好きな芦川いづみが主演している作品のうち、なんと9作品で監督を手掛けるのが中平康という監督。まさに1950年代、60年代に日活映画で活躍した映画監督で、当時からその斬新でモダンな映画手法で、一躍時代の寵児となった。そんな中平康に関する2つの本を最近入手した。

一つはこちらの『中平康レトロスペクティブ』。赤い、斬新なデザインの装丁と、中もカラーを上手く使った構成で、中平康のモダニズムを感じさせる。2003年に発売されていた小さな本だが、彼の代表作や芦川いづみ、浅丘ルリ子、加賀まりこ、吉永小百合などの主演女優なども取り上げるカラーページもあり、まタ後半にはフィルモグラフィーなどもあって、全体的になかなかオシャレな本である。

僕は芦川いづみが取り上げられている本などを常に探しているのだが、実はかなり少ない。そんな中、この中平康の2冊の本は、芦川いづみ主演作品も取り上げられており、また彼女をメインにフィーチャーしたページなどもあって、かなり貴重である。その意味でも僕にとってはこの中平康の本はとても有難いお宝本である。

もう一つがこちら『至極のモダニスト – 中平康』。1999年に発売された小さな本で、こちらは黒をベースにしたシックでオシャレな装丁。構成としてはやはり彼の代表作を取り上げつつ、加賀まりこやその他主演者へのインタビューなどもあり、最後にはフィルモグラフィーが付いている内容。コンパクトながら、中平康の斬新な映画コンセプトなどを上手く取り上げている。

ちなみに、芦川いづみ主演の中平康9作品とは、『疑惑』、『紅の翼』、『その壁を砕け』、『学生野郎と娘たち』、『あした晴れるか』、『あいつと私』、『アラブの嵐』、『結婚相談』、『喜劇 大風呂敷』。僕が一番好きな芦川いづみ映画は『あした晴れるか』なので、その意味で中平康という監督には興味を持っていたし、興行収入的に中平康最大のヒット作となった石原裕次郎・芦川いづみ主演の『あいつと私』では、その斬新なタッチと軽快なテンポにはとても斬新に感じていた。両作品とも、中平康の映画キャリアの中では大衆映画的にライトな内容のものだった為、本当に彼が描きたかった内容ではなかったかもしれないが、石原裕次郎などのスターによって、彼の名前が世の中に知れることになったのも事実であった。

その後他の芦川いづみ作品も観ていくうちに、他の中平康作品も観ることになったわけだが、ジャンルとしてはコメディー、青春群像劇、サスペンス、シリアス社会派ドラマなど多岐に渡っている。しかし、どこか中平イズムのような特徴的なタッチがあり、とても独特な映画センスであることを感じさせる。

僕はまだ観ていないのだが、彼の代表作としてしばしば取り上げられるのが、1964年の作品、『月曜日のユカ』。加賀まりこ主演で、彼女の小悪魔的な魅力がさく裂して話題になった映画だ。こちらもぜひまた鑑賞したいと思う。


芦川いづみ祭り2023年 第7弾:『お転婆三人姉妹 踊る太陽』!

2023-05-15 22:50:55 | 芦川いづみ

今年のひとり芦川いづみ祭りは早くも第7弾。今回ご紹介するのは、1957年に公開された日活映画、『お転婆三人姉妹 踊る太陽』という作品だ。ミュージカル作品ということで、芦川いづみ出演全作品の中でもかなりの異色作だと言える。ミュージカル仕立てになっているのは、この作品と、引退前に参加した『君は恋人』くらいだと思うので、結構珍しい。

しかし、1957年当時は、この手の華やかな作品が結構ウケていたようで、こちらも日活が人気スターを総動員して、鳴り物入りで制作した作品であったことは想像に難くない。

正直最初はこの作品にあまり期待はしていなかったので、とりあえず芦川いづみが満喫出来ればという軽い気持ちで見始めたが、見終わった感想として、意外にも想像していたよりも収穫は多かった。

まずは主役と言える三姉妹を演じるのが、長女/ペギー葉山、次女/芦川いづみ、三女/浅丘ルリ子という豪華な女優陣の顔ぶれ。また3人の恋人役にはフランキー堺、岡田真澄、そして石原裕次郎と、これまで男優陣も豪華で、まさにお祭り的な映画であった。映画は79分で、意外と短めなので見やすい。構成として最初の1時間くらいで三姉妹の物語が展開され、最後の30分程度はミュージカル舞台が披露される。

三姉妹の物語は結構ベタだ。郊外の住宅地にあるこじんまりとした綺麗な家に住む仲良し三姉妹。姉の春子(ペギー葉山)は大学三年生でバンド歌手。しかも公の恋人(フランキー堺)がいる。次女の夏子(芦川いづみ)は日本一の美女を目指して美容体操に汗だくの毎日、そして三女の秋子(浅丘ルリ子)はガッチリ屋で貯金が趣味。そんな三姉妹は夫を亡くし苦労して自分たちを育ててきた母親を楽にするため、母の再婚相手を捜し始める・・・という展開。

物語自体は大して面白くないものの、三姉妹のやりとりなどは結構面白く、また芦川いづみの魅力としては、歌ういづみ(実際の歌は吹き替えらしいが)、踊るいづみ、変顔するいづみ、パジャマ姿のいづみ、そしてなんとタバコをふかすちょっとワルないづみ(笑)など、結構レアな映像が楽しめるのは芦川いづみのコアファンとしてはかなり嬉しい。前年の1956年に、石原裕次郎と初共演した『乳母車』が公開されたが、この頃はまさに少しずつ芦川いづみの人気が出始めた頃。とても初々しい彼女の魅力が堪能できる。浅丘ルリ子もまだブレイク前なのでかなり若い。裕次郎も岡田真澄もかなり若い。

ミュージカルへの流れは、長女がバンド歌手を務める関係で、ミュージカルの舞台に立つことになり、次女、三女も出演することになる。そしてみんな勢ぞろいでの一大ミュージカルが展開されていく。日活ダンシングチーム/月丘夢路、北原三枝、南田洋子、新珠三千代など、錚々たる女優陣が特別出演しているので、その意味でも後半のミュージカル部分は日活ファンとしては一見の価値あり。 

今回初めて『お転婆三姉妹 踊る太陽』をDVDで鑑賞したが、想像していたよりも楽しめた作品であったし、芦川いづみの魅力という意味では、新たな魅力を確認することが出来たので貴重な体験となった。やっぱり芦川いづみ作品の追求は奥深い(笑)。


『可憐な娘たち』芦川いづみ & 司葉子映画祭のチラシ!

2023-04-21 21:20:51 | 芦川いづみ

もう12年も前になると思うとびっくりするが、2011年に神保町シアターで、『可憐な娘(ひと)たち 守ってあげたい芦川いづみ、胸がときめく司葉子』という企画で、芦川いづみと司葉子の映画祭が開催された。その当時は開催を知らず、またそんなにまだ芦川いづみの映画も観ていなかったのだが、この映画祭のチラシが何とも魅力的なので、前から入手したいと思っていた。そんな矢先、ラッキーなことにこの12年も前の映画祭のチラシをゲットすることが出来た。

日活の芦川いづみに対して、東宝の司葉子。芦川いづみは1950年代中盤から1960年代、司葉子は主に1960年代に大変人気のあった女優だ。

司葉子はどこか北原三枝(石原裕次郎夫人)にも似た、どこかカッコいい女優で、ある意味男顔の美形であった。一方芦川いづみは何とも可愛い可憐な女子。その意味では、”守ってあげたい芦川いづみ“、”胸がときめく司葉子“というキャッチコピーはかなりうまくいいあてている。

この映画祭は、まさに日本の映画界を代表していた女優2人に焦点を当てた点で何とも見事な企画である。そして、このピンクのチラシがまたとてもいい感じに仕上がっている。約1か月もの間、芦川いづみ主演作品、司葉子主演作品をそれぞれ14本、計28本が上映された。芦川いづみ作品は殆ど観ているが、司葉子は、上映作品の中で『その場所に女ありて』という、1962年公開作品をDVDで購入して持っている。タバコも吸って、男勝りに仕事をこなす、今で言う“バリキャリ”のハシリを描いたような、都会的な作品で、司葉子のカッコいい魅力が詰まった東宝映画であった。

この素敵な映画祭の、素敵なチラシをついにゲット出来て何とも感激であるが、芦川いづみのチラシコレクションに加えて、大切に保管したいと思う。

 


芦川いづみ祭り2023年 第6弾: 『学生野郎と娘たち』!

2023-04-15 21:52:19 | 芦川いづみ

今年の僕の芦川いづみ祭りは、新たにDVD化された『気まぐれ渡世』、『成熟する季節』、『知と愛の出発』と鑑賞してきて、更には神保町シアターで開催されていた『恋する女優 芦川いづみ映画祭』で、『東京の人』、『白い夏』を鑑賞してきたが、今回第6弾として『学生野郎と娘たち』のDVDを購入し、鑑賞した。

この映画はかなり前からDVD化されていた作品だが、まだ観ていなかったため、今回ようやく鑑賞。1960年に公開された作品。この頃は既にカラー作品が主流になっていたが、この作品はモノクロ映画。この映画は、芦川いづみがちょっと辛い目にあう映画として有名だったこともあって、観ることに躊躇があった映画だったが、今回ついに鑑賞することに。

『学生野郎と娘たち』は、鬼才・中平康監督作品。中平監督といえば、僕が一番好きな芦川いづみ作品となっている『あした晴れるか』も監督しているが、鬼才と言われるだけあって、かなり独特な勢いと感性を持った監督である。

この映画は、当時不況の中で、学生運動なども活発になっていた時代背景を捉えた映画となっており、とてもスピード感もあって、学生のエネルギーに満ちた作品だ。主役は芦川いづみというより、どちらかと言えば中原早苗とも言える作品で、他にも清水まゆみなど多くの女性が出演していることで、華やかな作品となっている。また男優も若い頃の長門裕之と岡田真澄も出演しているのも注目だ。

そして肝心な芦川いづみなのだが、冒頭に書いた通りかなり辛い役柄を演じている。学生ながらバーで働き、コールガールのように落ちていく姿が描かれているが、金持ちのボンボン学生に23回もホテルの部屋で殴られるシーンがあり、挙句の果てにレイプされて関係を強要されてしまう。そして、映画の最後は、この金持ちボンボンにも裏切られ、ついに銅像で彼を殴り殺してしまい、自分も睡眠薬を大量に摂取してガスが充満するホテルの部屋で自殺をしてしまう展開に。最後は棺桶に入った芦川いづみまで登場するという、ある意味レアな芦川いづみがいっぱい詰まった映画だ。映画の中で芦川いづみが自殺に追い込まれるのは、『完全な遊戯』、『硝子のジョニー/野獣のように見えて』と、この『学生野郎と娘たち』の3本もあるが、この作品での描写が一番辛い感じだろう。

しかし、この映画で何とも辛い役柄を演じる芦川いづみだが、やっぱりスクリーンに登場する彼女はインパクトがあるし、兎に角美しいので、ついつい見入ってしまう。ちょうど『あいつと私』でも見せたショートカットの髪型がとてもクールな大人の女性を表現していて魅力的。映画の中でいくつものファッションを披露しているのも楽しい。長い間観るのを躊躇してきた作品であったが、今回鑑賞してみて、総合的には芦川いづみを満喫出来る異色作品であった。

ちなみに、このDVDに特典として収録されているフォトギャラリーには、可愛い芦川いづみの映画オフショットもあって、思わぬ収穫となった。