遥かな轍(日々雑感)

大根サラダを食いまくってカリカリな体になってみよう(笑。

日の丸構図に関する考察。

2011年08月09日 21時03分46秒 | 一眼レフカメラと・・・
一眼レフカメラを買って、意気揚々、ロケハンに出掛けて…自宅に戻って自分で撮った写真を見ると、どうもつまらなく感じる、とか、思ったほど良い出来じゃない、とか、結構ありますよね。これは構図に原因がある可能性が高いです。写真を撮る上で、まず考えなければならないのは「構図」です。例えば、これから盆休みに入る方も多いと思いますが、何処かに旅行に行こうと計画を立てている方も居るでしょう。国内だと北海道とか信州の上高地だとか、ま、とにかく普段中々行けない所へ行って気分をリフレッシュするのは楽しい事です。これが海外となると益々、期待に胸が膨らみますよね。勿論、その旅先で思い出の一枚をと、大枚を叩いて買った一眼レフカメラを旅行鞄に詰め込んで鼻息荒くなってる人も居ると思います。しかし、いざ現地でロケハンを始めると中々良いロケーションを見付ける事が出来ないとか、撮った写真の出来がイマイチだとか…苦い経験をする事も多々ありますよね。せっかく出掛けて行って、思った通りに写真を撮れないと、それだけでストレスが溜まる事も間々あります。気分をリフレッシュする為の旅行なのに、逆に疲れたなんて事もあって本末転倒な感じです。完璧な出来とは言わないまでも、ある程度は自分なりに納得できる成果を得たい所です。
そこでなるべく失敗しない、良い写真を少しでも撮る為のポイントと言うか、カメラの分野ではまだまだ初心者である僕が「何を偉そうに!」って話ですが、これでも一応油絵を幼少の頃から描き続けていて、絵や写真に対しては一家言ある僕から一言アドバイスなどを…。「あー、何かスタンスがズレてる気が…w」。ま、いっか。
僕は写真を撮ると言うと、被写体は鉄道が多いのだけど、他の被写体も結構撮ったりしていて、実は写真も本当に奥が深いと改めて実感しています。


茅葺民家。京都府南丹市美山町。2009.10.10


で、写真の構図(フレーミング)に関して僕が持ってる考えを書いてみようと言うのが今日の本題であり、エントリタイトルにも繋がる訳です。写真の世界ではよく「日の丸構図」という言葉を見かけます。つまりは主題、自分がメインで狙おうとしている被写体を画面のど真ん中に据えてしまうという事の揶揄ですが、これが実に奥深いと言うか、やっぱ、出来る限り「日の丸構図」にならないよう構図する方が良い作品を撮れるコツだと感じています。「被写体がど真ん中にあって何が悪い」と強弁する人も居ますけど、ちょっと待った!w。基本的に写真も絵も、例え自己満足の域を出ないとしても、自分が時の一瞬を切り取って絵にするんですから、構図くらいは少し工夫して、土産話に花を添えれる作品に仕立てる方が建設的だと考えます。普段中々行けない所に行って、誰でも撮れるような写真を撮ってきて何が嬉しいのかと…。ひょっとしたら貴方は写真や絵に対して類まれな感性を持っていて、それが功を奏して「ひょっとしてひょっとするかも」なんて事もあるんですから、慎重に構図して、ギャラリーを「アッ」と言わせるだけの作品にしてほしいナー、って思うんです。自己満足も結構ですが、写真や絵と云うのは芸術性の高い分野です。少しはストイックになっても良いんじゃないかって事です。コンデジならまだしも、一眼レフを持ち出して、コンデジにも劣るような作品では自分が一番がっかりするでしょう。写真を撮ると言うのは思い出を切り取る重要な作業です。プロカメラマンにでもなったつもりで良い作品を作ってほしいナーって考えます。基本スタンスとしてはリラックスして、でも、ファインダーを覗いてシャッターを切る瞬間は「真剣勝負」で挑むってのがカッコイイと思います。特にネット上にblogなりwebなりで写真をUPして、色んな人と交流するネタにしようと考えているなら尚の事です。当然、ネットにはモラルも何もあったもんじゃない、意味不明な方も居て、セオリー通りに撮った写真じゃないと、散々に批判する人も居るでしょうから、そういったどうしようもない人たちでさえ黙ってしまう「素晴らしい作品」を目指して欲しいなと思います。十分に検討もせず、行き当たりばったりで撮った写真をUPして批判されて叩かれたいだけ叩かれて「バカは放っておきゃ良いんだよ」ってかなり痛いよ、マジで。芸術性の高いモノって自己完結ではダメです。評価してくれる人がいて、自分の腕も上がって行くとポジティブに考えないと…。

自己完結で終わってはいけない!!。


ね。ちょっと文面が痛くなってきたというか、稚拙な内容になってきてどうしようもなく腹立たしいですが、もう良いですw。まァ、せっかくなんだから良い作品作ろうよ。で、じゃんじゃん叩かれて強くなろうね。批判をドシドシ受けて、それに負けず、ガンガンロケハンに出掛けて腕を磨こうよ。批判する奴を遠ざけてはいけないよ。バカ扱いして自己完結してはいけないよ。そんな事していたら何時か自暴自棄に陥って、どうしようもなくなるから。世間にドンドン評価してもらおう。あっちもこっちも良い顔して、八方美人で、自分に好意的な人だけ受け入れて、「なァなァ」で馴れ合いしていても何も前には進まないよ。写真は確固たる結果であって、自分の生き写しです。作品は自分なんだよ。自分の顔なんだな。プロセスとかも大事だけど、ギャラリーからはそこは見えない処だから、すべからく、自作品をもっと可愛がって下さい。その為には可能な限り妥協しないで頑張って良い作品を残そうという気概を持って欲しいなー…。
さ、それでは「日の丸構図」がなぜダメかと云う話ですが…。絵も結構通ずるところがあって、構図する時になるべく主題は真ん中には据えないようにするってのが基本です。何故主題がど真ん中ではダメなのか…。



あまりにもヘタクソな図で申し訳ないけど、上図が全てを物語っています。主題がど真ん中に座ってしまうと、画面が単調になってしまって動きがなくなるし、退屈になるんだな。背景の処理も苦しくなるし、面白味がないです。すぐに飽きてしまう。
こう考えてほしいんだけど…僕が師事した絵の先生によく言われたのは、自分の作品が大きな美術館に飾られていて、両横に別の作者の作品が掲げられていると想像して絵を描けって事です。判りますか?。つまり、どれだけ頑張って描いても、構図が巧くなければすぐに飽きられてギャラリーの目線がフレームアウトするんですよ。で、隣に凄い作品があったとすると、ギャラリーの意識はそっちに行ってしまって、自作品はもう二度と見てくれないんです。悲しいでしょう。自分の作品は自分の顔なんだよ。それを否定されたって事です。俺なら間違いなく自殺するなァ、そんなぞんざいな扱いされたら…。悲し過ぎる。なので、少しでも単調さを消す為に右の図のように構図するんです。そうすると画面に動きが出てくる。



今度は副題も入れてみたけど、どうかな・。相変わらずヘタな作図だけどw。やっぱ右の方が動きがあって良いでしょう。左は完全に日の丸構図で、副題も苦しくて主題と闘い過ぎて画面を煩くしてしまっています。奥行とかもイマイチだしね。
写真や絵というのは2次元の世界でしょう。それを如何に3次元的に見せるかで、今まで過去の偉人達が一生懸命に研究して考察して実践して失敗して、大変な苦労をして、今の写真や絵の基礎を作って来たんですよ。それを、世の中のつまらない流行り事と勘違いして自己完結で満足してれば良いって話はあまりに酷過ぎます。ってか、人間不信ですか?って話にまで飛躍してしまうw。遠近法とか透視法とか色々あるけど、全てはダ・ビンチの「モナリザ」から始まったんだよ。立体的に見せる技法の大元は「モナリザ」です。そこから写実派、ロマン派、印象派、バルビゾン派…数えきれない位の人達が研究して作り上げてた基礎基盤なんですよ。写真も同じです。構図一つでグッと変わってくると言う事を実感して欲しい。それを自作品に生かして欲しいと思います。
さてさて、奥行と云う観点で日の丸構図の欠点を見てみましょう。



ね、どう?。一点透視だけど、日の丸構図だと、真ん中に点があってそこから放射状に線が出てるだけで、奥行や立体感とかはあまり感じれないでしょう?。どうしても縦の補助線が要るようになる。日の丸構図がのっぺりした画面になり易いのはこれが一番の原因です。だから、多くのカメラマンは日の丸を嫌がるのであって、俄仕立ての知識で通ぶってるんじゃないんだな。自分の作品は自分の顔。薄っぺらい構図で満足できるほど安っぽいもんじゃないでしょうが。ましてやネットで持論を繰り広げようと言う人が、満足できる構図じゃない。周りが同調して同じ事を云うから、それには共感できないって事も判らないではないけど、そうじゃないんだよ。基本は基本です。意味を履き違えないようにね。



これは飽くまでも余談ですが、2点透視にしてみたよ。作図完全に失敗して意味不明です。もう良いやw。でも、やっぱ真ん中に主題が座るよりは少しだけでも中心から外して構図すると動きが出てきて楽しい画面になるって話です…。



最後はギャラリーの目の動きに関してです。鑑賞者はまず主題を見る。それがど真ん中の「日の丸構図」ではもうその時点で飽きられて、画面の中で目が色んなところに動く事なく、隣の秀作に意識が飛んで、もう二度と見てくれないです。厳しいよ、ギャラリーって。彼らも勉強したくて見に来てる人が殆どだからね。嘗めてはいけない。で、構図が巧く行って主題が絶妙な所に座っていると、ギャラリーは「おっ!」となるんだな。で、その周りに目が行く。で、引き立て役の副題に目が行って「充足感」が得られたら更にその周りに目が行って、また主題に目が行ってため息ついて「うーん、凄いなー」ってことになるんだよ。画面の中で常に目線が動いて、でも、フレームアウトする事なく、ぐるぐる回って離れない。これが良い絵、良い写真の最低条件です。だから構図が大事なんだな。画面の外へ誘導するラインを作ってしまってギャラリーを逃がしては何もならないし、頑張って撮っても誰も見てくれないって事になるんですよ。いや、見てくれるけどすぐに飽きてしまうと言う事です。だから、目を止めさせたら、絶対に離さない!という作品を目指さないとダメだって事なんです。自分の顔なんだから、ジックリ見て欲しいでしょう。女の子に「素敵!」ってな顔されて見てないようで見てるみたいなw。こっちをずっと意識してる視線感じた事ないですか?。あれですよあれ。写真も絵も一緒なんだってば!!。捕まえたら離さないぞ!!という構図をめざす。その為に必死で歩いてロケハンして、最高の作品を作ろうって話です。ね、せっかく重たいカメラ持って行って絞りを決めて、露出も決めて、シャッター切るんだからね。良い写真撮ろうよ。楽しみながら、でも、ストイックに攻めのスタンスで…。頑張ってみてよ。オッサンからは以上で終わりwww。

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