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ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

“DARJELING” HONGOU-TOKYO

2011年09月03日 23時29分42秒 | CURRY-インド系






 欧風カレーの代名詞的存在である『プティフ』や、『アルルカン』(残念ながら閉店)『ルオー』『万定フルーツパーラー』『キャフェテラス本郷』といったカレーの美味い喫茶店など、カレー好き垂涎の名店がひしめく街、本郷三丁目。

 神保町や西荻窪などと並ぶ東京を代表するカレータウンであり、言わずと知れた東京大学という最高学府の頂点を擁する日本有数の学都でもある。そこで学ぶ学生や教職者が脳の活性効果や覚醒効果を欲するのであろう、街を歩けば常にどこからかスパイスの香りが漂ってきて、カレーを口にせずとも身体に官能的な疼きが走ってくる。そしてその香りの源はこれまたこの界隈に多く点在するインド料理店であることが多い。

 ざっと主立ったるところを挙げてみれば、インド大使館御用達でお馴染みのムンバイ本郷店』、本郷三丁目交差点近くの『ナマステ』や『パーラス』、本郷三丁目バス停前のTHE HERB(現在は『PUJA』という名前にて営業)、やや離れるが本郷二丁目の『マリカ』などなど。これに前述の欧風カレーやカレーの美味い喫茶店などが加わるのだから、この界隈のカレー屋濃度といったら相当なもんである。とはいうものの、激戦区として各店がしのぎを削る、といったささくれだった空気はなく、すべての店がそれぞれの固定客に必要とされながら平和的に調和している。まぁ、これはあくまでも俺様氏の主観であり、実際のところは血で血を争う抗争が繰り広げられているのかもしれないのであしからず。

 この『DARJELING』という店も、そんな界隈の風土に調和したインド料理店の一つ。赤門の正面という絶好のロケーションにある、4組程度で満席になってしまうような小さな店だ。座を確保した隣のテーブルにはなんらかのテキストを手にしたアカデミックな雰囲気を漂わせる教授風の御仁。どことなく辛島昇に似ているがまさか、ね……。

 チョイスしたのはカレーとナンorライス、ドリンクのセットメニュー。カレーはマッシュルームとジャガイモのパラクカレー(ホウレン草のカレー)で決まり。もちろん、組み合わせるはライスで決まり、と言いたいことろであるが、何故かこの日はナン気分がいつになく激しく高まっており、今までにない苦渋の選択を迫られることとなった。一体、“ライスマン”を自称するわたくしの内にいかなる変化が生じたというのであろうか。ま、結局ライスに落ち着いたが。

 オーダーを告げると、お通し的にすぐにサモサが運ばれてきた。これは嬉しい。付け合わせの酸味と鼻に抜ける独特の風味の効いたソースとの相性がよくて実に美味い。ここ最近、サモサから遠ざかっていた身としては胃の腑に染みる美味さだった。

 そんなサモサをムシャムシャ頬張っていると、愛しきカレー到着。カレーはカラヒに容れられての登場だ。特筆すべきはその色合いで、抹茶の如く鮮やかで奥深いグリーンである。重曹で色を際立たせているのかもしれない。なんにせよ、食欲に直結する色合いで悪くない。
 味の方だが、ややサラッとしたテイストのパラクカレーで、ライスとなかなかに好相性である。ドライタイプのカレーや粘度の高いカレーが苦手な身としては、これくらいの緩さがちょうどいい。辛さを増してもらっているので刺激感もある。具がシンプルなのも好みだ。

 と言う訳で夢中になって貪り、あっという間の完食。かなり辛くしてもらったこともあり、食後のマンゴーラッシーが口中の火照りに文字通り“染み込んで”いく。あくまでも感覚的なものだが、巷に氾濫する日本ナイズドされたインド系料理店よりも一レベル“本場感”のようなものが強い気がする。良くは分からないが、さすが本郷。良店。


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