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ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

“THE H E R B” YUSHIMA-TOKYO

2010年08月01日 19時16分59秒 | CURRY-ネパール系








かなり前、昨年の師走のことなってしまうのだが、なかなかにいいカレー屋と巡り会えたのでレポートさせてもらうぜ。

いつもお世話になっている本郷(現在は内神田に移転)の某パブリッシャーに仕事でお伺いした際、担当編集氏お二人と「たまにはカレーでも喰いながら打ち合わせでもしましょうや」ということになった。

本郷と言えば言わずと知れたカレータウン。『ムンバイ』『ダージリン』といったインドカレー店はもちろん、『プティフ』『アルルカン』といった欧風カレー店、『ルオー』『万定フルーツパーラー』『キャフェテラス本郷』といったカレーの美味い喫茶店など、各ジャンルの名店が狭いエリアにバランスよく点在するカレー好きにとっての理想郷とも言える街である。しかし、そういった名店をパスして我々が向かったのは、本郷と湯島の境界にあるインド・ネパール料理店『THE HERB』。この店の前にいつも利用するバス停があり、ある日突然営業を開始していたのを見て以来、常々気になっていた店である。時宜得たりということで暖簾を手繰らせてもらった。

店は歩行者を見上げるような半地下にあるという、やや風変わりな作りが成されている。15:00近い時間帯だけに店内に先客の姿なし。せっかくなので開放感ある窓際の席に陣取らせてもらうことにした。
素晴らしいことにこのお店、夕刻の17:00までがランチタイムとのこと。亀戸にある『DIP・PALACE』同様、暮れゆく街を見やりつつカレーが喰える貴重な店なのだ。地下につき、夕日を浴びながらとはいかないが、銀座の『Mumbai』などもまた17:00までランチが食えるありがたい店。こういったインド料理店がもっと増えてくれることを願う。

ランチメニューを見れば、嬉しいことにチキンや野菜、シーフードなどと並んで好物のマトンカレーの名があるではないか。これは見逃せませんということでこのマトンカレーをオーダーすることに。もちろん、いつものようにナンを外してもらい、その分、ライスを多めにしてもらった。同行の担当編集氏2名も同様にマトンカレー+ライス。そうそう、それがベストチョイスってなもんですよ。

待つことしばしでカレー到着。
おお、マトンカレーらしい、赤みがかったいい色合いのカレーだ。俺様氏のみ《激辛》にしてもらったため、さらに表面にチリペーストの真っ赤な紋様が加わる。しかもカレー、ライス共に思った以上に量が多い。た、たまらねえ。さっそくいただくことにするぜ。

ぬうお、さすがに《激辛》にしてもらっただけに強烈な辛さだ。
だが、俺様氏にとっては許容内。むしろこれくらいの方が、より食欲が強く喚起されて好都合である。味は酸味が適度に効いたマトンカレーらしい味。しかも俺様氏の好きな粘度の低いサラサラとしたテイストでライスとの相性も抜群だ。なによりも素晴らしいのが米が一粒一粒しっかり“立っている”こと。インディカ米ではなく粘りの強いジャポニカ米だが、下処理も含めて丁重に炊きあげられており、このカレーと実に合う。ううむ、これは相当にレベルが高いお店だ。

しかも嬉しいことにナンと共にライスのお代わりが自由。このライスならば何杯でも食えそうだ。ということで「ライスお代わりお願いします。激盛りでよろしくです」と店員さんに告げる。<まだまだカレーはたくさん残してある。胃腸も快調だしあと2回はお代わりできそうだぜ~>などとニヤニヤしていると、お代わりのライスが運ばれてきた。果たしてテーブルの上に置かれたライスは、「大盛り」という表現では収まらない、文字通りの「激盛りライス」であった。ココイチでいえば800gはあろうかという、俺様氏にとっては危険領域に達する量だ。ちなみに最初に運ばれてきたライスですら、ココイチの500g近くはあった。しかし、ここで残してしまっては、もったいねえお化け氏に何処かへ連れ去られてしまいそうだ。これは戦うしかねえだろう。

ということで意を決してカレーをぶっかけわしわしと喰らい進める。半分くらいまではいいペースで喰いきったが、そこからがキツい。スプーンを口を口に運ぶことがえらくかったるく感じられ、ビシバシと満腹中枢が“打ち止め信号”を発してきやがる。調子に乗って「激盛り」をお願いした己の浅はかさを恨む。だが、ここで休んでしまっては二度と戦列に復帰できない。とにかくスプーンを口に運ぶことを止めてはならないと、頭を空っぽにして咀嚼マシーンとなる。そうやって無心にスプーンを口に運び続けること20分あまり。気がつくといつの間にか皿の上のライスの山が一粒残らず消え失せていた。ちょっとした大食い大会で出されるライスの量のカレーだった。まさかあれを完食できるとは……。人間、やればできるもんである(わらい)。

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ってなことでこの『HERB』さん、カレー好きだけでなく、腹ペコヤングにもお勧めできる大のお気に入り店だったのだが、誠に残念なことに、先日、この店の前を通りかかったところ閉店となってしまっていた。ううむ、これは残念すぎる。新たな土地で営業を再開していることを強く願う。御徒町あたりでひっそりと営業再開なんてことになってくれれば嬉しいんだけどなぁ。


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