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ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

“S A N G A M” HACCHOUBORI-TOKYO

2010年12月23日 02時06分08秒 | CURRY-インド系










大好きな街、八丁堀。

言わずと知れた江戸町奉行配下の与力・同心の街であり、ガキの頃、寝床に入りながら観ていた『必殺仕事人』の藤田まこと演じる主人公、中村主水の同心部屋および、その主水が「ムコ殿!」の台詞でおなじみ菅井きんらと生活を営む組屋敷があった場所でもある。今でも少し注意して歩けば、与力・同心組屋敷跡や松平越中守の屋敷跡、八丁堀に居住していたとされる写楽の記念碑(ちなみに隣の京橋には歌川広重の住居跡がある)や伊能忠敬が没したとする案内板、堀部安兵衛住居跡の碑など、江戸時代の名残をそこかしこに見つけることができる。
加えて霊岸島が近いこともあり、運河に架かる橋もたくさんあることも橋好きの俺にとっては大切なポイント。一時期、夜な夜な自転車に乗ってはこの界隈を訪れ、頻繁にそうした橋を撮影して回ったものだ(というか今でもやってる)。そんなこの界隈の雰囲気を味わいたいから、という理由で、東京駅から帰るときは丸の内口から出る永代橋経由の都バスに乗ることを密かな愉しみとしている。都会の真ん中をブチ抜くバスとしては老年層の年配客が多い、生活感溢れる路線で、茅場町まではビジネスマンが幅を利かせ、永代橋を渡るとお年寄りが息を吹き返すという強烈な暗転ぶりを楽しませてくれる。八丁堀2丁目からは家の前まで行ってくれるバスもある。こちらも茅場町を通過するが、永代橋は渡らず、そのまま蛎殻町方面へ向い、水天宮、浜町を抜け、新大橋を渡って江東区へ入るという、八丁堀とは一味違った東日本橋地区の風情を愉しむことができる。

そんな八丁堀で取材があり、偶然にも取材先に向かう途中、裏通りでひっそりと営業するインド料理屋を発見。これは喰わずに帰れません、ってなことで取材後、クライアントの編集氏やカメラマン氏と共にやや遅いランチを食べていくことにした。

15:00近い時間帯だからであろう、店内に先客の姿はない。ギリギリランチタイムに間に合ったので、リーズナブルなランチメニューからカレーをチョイスすることにした。
そのランチメニューだが、かなり豊富だ。我が日本式カレーの如く、1つの皿にライスとカレーを盛った『1カレーセット』を筆頭に、キーマ&サグカレーが同じく1つの皿に盛られた『2カレーセット』、ライスorナンとカレーが別々になったA~Gランチ(ダルカレーやチキンカレー、野菜カレー、マトンカレーなど、組み合わせるカレーによって微妙に値段が異なる)などがある。ちなみに日替わりカレーもあって、この日は「ヤマイモとチキンのカレー」とのこと。こういった場合、常に羊肉系カレーを第一選択肢としているのだが、先日、取手で食べたやや甘みの強いマトンカレーを思い出して警戒心が働き、ややダークホース的存在の日替わりカレーをチョイスすることに。辛さ指定もOKとのことでHotにしてもらった。もちろん付け合わせるはナンではなくライスで決まりだ。帝都の香り漂う八丁堀でなんナンか喰えるかってえのだ。

とりとめのない会話で時間をつぶしていると、程なくしてカレー到着。
おお、嬉しいことに「カダイ」に入ってのお目見えじゃねえの。カレーの色合いも実に鮮やか。こりゃ美味そう。さっそくいただきますなんだぜ。

おお、これは美味い!
口に運んですぐにスパイスの心地よい刺激がストレートにやってくるキレのいいカレーだ。妙な甘みや過剰な香り付けなどといった回りくどい演出はなしの、実直なインドカレー。誰が食べても「美味い」という言葉が自然と口を吐く逸品だと思う。加えて素晴らしいのが山芋の食感。シャクシャクとした誠フェティッシュな食感で、食べててとにかく気持ちがいい。(そうそう、俺はこんなカレーが食べたかったんだよ)などと心の中で喝采を贈らせてもらいつつ、夢中で食べ食べ「あっ」いう間の完食。文句なしにここ最近食べたインドカレーの中ではNo.1の味。まさかふらりと入った店でこんな美味いカレーにありつけるとは。

八丁堀というロケーションも最高ならば、カレーの味も最高。そして店員さんの対応も丁重。文句なしの名店だと思う。また一つお気に入りの店が増えた。次回はぜひともディナータイムの訪店を果たしたい。しん、とした夜の八丁堀で喰うカレー。食後の散歩も含めて、考えただけでもゾクゾクしてきやがる。



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