![]() ![]() 新横浜での取材の後、「何か食べて行きましょう」ということになった。もちろん、真っ先に頭に浮かんだのは「咖哩」の2文字だったが、偶然にも取材先が『横濱ラーメン博物館』のすぐそばであることが判明。「じゃ、入ってみますか」という“なんとなく”なノリで手繰り寄せられてしまった。 折しもこの日は35℃を超える猛暑日。だからか思ったよりも館内は空いている。どの店も待ち時間ゼロで入店できるのは確実であろう。平日だけに家族連れも少なく、男三匹はしゃぎながらの添い歩きが許されそうな雰囲気もいい。外界が猛暑であることが嘘のような涼しさと相まり、ちょっとした穴場と巡り会えた気分である。 ![]() ![]() ![]() もちろん頼むは『ラーメン』で決まり。この後も別の店をはしごする予定につき、ミニサイズにしてもらった。 ミニサイズとはいうものの、チャーシューは2枚も入っており、それなりにボリュームはある。 味の方だが見た目よりもさっぱりとしており、思ったよりもクセがない。麺はしなやかな中細麺でやや柔らかめに茹でてある。パキパキとした硬派な麺が好きな自分だけに、予め「硬めで」とお願いしておくべきだった。 しかしながらさすが老舗。一杯の完成度は非常に高く、老若男女誰もが「美味しい」と評すであろう調和のとれた味である。かなり好みの味だったので、(レギュラーサイズで食べておけばよかったかも…)と少し後悔したのはここだけの話である。 ![]() ![]() 腹ごなしに少し館内を散策した後、次に暖簾を手繰ったのは川越にあるつけ麺の名店『頑者』。日頃お世話になっているクライアントの編集氏がここのつけ麺をフェイバリットに挙げており、「川越に行く用事があったらぜひ一度寄ってみてください」と熱烈なお勧めを受けていたこともあってのチョイスである。余談だが川越といえば、ここのマトンカレーがとても美味かったことを思い出す。 ![]() ![]() 頼むは「つけめん」(¥900)。「超」が付くほどの極太麺だけに相当なゆで時間を要するのであろう。15分近く待ってやっとこさ到着。果たして我々の眼前に置かれた“それ”は、色・艶・太さどれを取ってもうどんにしか見えないマッシヴな一皿であった。そんなインパクトある見た目に違わず、麺はとてつもなくストロングであり、ワシワシとした小麦感に溢れる食感である。うどんと中華麺の境目に位置するような独創性に溢れる麺。噂通りのインパクトである。 ここまで自己主張の強い麺だと、並の付け汁ではうっちゃられてしまうが、ここの付け汁はそれに負けないくらいに濃く・太く・濃厚である。各素材を余すとこなく煮出したがゆえの独特の甘みととろみがあり、しっかりと極太麺に絡んでくれる。 その麺を啜ると口中に強烈な魚粉の香りが広がる。奥行きある甘みや深み、そしてぷいんと香る和の風味は、ラーメンというよりうどんやそばの「つゆ」に近い。この付け汁があってこその、ストロングな極太麺なのであろう。噂に違わぬ個性的で旨いつけ麺だった。そしてもうこれ以上何も入らないほどに腹も膨らんだ。しばし館内で涼んだ後、酷暑の街へ出て行くことにする。 ![]() ![]() |
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