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ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

寒い日には味噌ラーメン

2013年01月13日 23時33分57秒 | 








買い物で富士吉田まで。
前日からラーメン気分が高まっており、この日はボルテージMAX状態だったので、
道中にある馴染みの店へ。
その醤油ラーメンの味に惚れ込み、約半年の間に4回ほど訪店を繰り返している店だ。
今回も迷わず醤油ラーメンをオーダーするつもりだったのだが、
この日は寒さが厳しく、なおかつ座を確保したテーブル上に前の客のラーメン丼が置かれており、
その中に残る味噌ラーメンのスープがとてもいい芳香を放っていたことで予定変更、
前の客に倣い「味噌ラーメンください」と店主に告げる。



その味噌ラーメンだが、豚コマ小片入りの炒め野菜が載る、
典型的な味噌ラーメンのルックスである。
そして味の方も奇を衒ったところのない、誠もって実直なテイスト。
薄くもなく濃くもない塩分。濃度的にも濃淡のちょうど中間、
麺も硬軟ちょうど中間のしなやかな中細麺。
実直を通り越して愚直なほどにニュートラルであることに徹した味噌ラーメンである。

お年寄りの常連客が多い店ゆえ、魚粉を極端に効かせたスープや、
小麦粉感を強く推し出したストロングな極太麺などニューウェーブな要素はここではご法度。
何にも増して「普通でいておいしい」ことが強く求められる地域性であり、
そのニーズにしっかり応え続けているからこそ、決して人の往来の活発でない
僻地で20年以上にわたって繁盛店で在り続けることができているのであろう。
だからどの時間帯であっても常に店内には客の姿がある。

そしてこのニュートラルな要素が重奏を織りなすことで感動的な美味さを生み出す。
懐かしく、優しく、ホッとする味。老若男女すべてが「美味い……」というつぶやきを
漏らさずにはいられない味である。この日は特に寒さが厳しい日。
文字通り優しい味の味噌ラーメンが胃の腑に染み渡ってゆく。
「美味ぇ」という言葉が一際強く口を吐いた。

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