Alphanumeric

ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

"お招き屋 ディデアン" FUKAGAWA-TOKYO

2009年08月31日 19時49分40秒 | CURRY-タイ・ベトナム・その他アジア系















LX3
 
 
  
日頃お世話になっているIT系業界新聞の編集・営業氏らと共に、暑気払いを兼ねて薬膳カレーでも貪ろうぜってなことになった。

向かったのは深川不動尊の参道にある『お招き屋 ディデアン』。オーガニック食材を用いた和洋折衷の創作料理を供する薬膳レストランで、看板メニューの「愛玉子」(オーギョーチー)に加え、化調もとい課長を一切使わない薬膳カレーが名物。深川不動尊や富岡八幡宮に詣でた経験のある方なら、その参道の途中にある『愛玉子』の吊り看板を目にしたことがあるかもしれない。

店に到着したのは20:00をちょいと過ぎた宵の口。しかしながら人気店のせいか年配客・カップル客で満席。通常ならば「じゃあ、また後で」ということになるのだが、なんせ俺らは据えて湿って澱んだ場所が好きな偏屈屋。「ならば」ということで軒先にある順番待ちのためのカウンター席に陣取り、ここでカレーを頂くことにした。

蒸し暑い夜で決して快適とは言い難いが、しん、と静まりかえった夜の参道の雰囲気は一種独特で下町好きには応えられない趣きがある。足下からは蚊取り線香の煙がたなびき、顔を上げれば電灯に群がる羽虫たちの残像。こういった状況が好きな俺にとっちゃ、金を払ってでも確保したい特等席だったりする。なんといってもここは深川。八重洲や日本橋地区、浅草などと並んで大好きな街だけに、その空気を肌にまとわりつかせながらカレーが喰えるというのはこの上なき幸せなのである。

えびしゅうまいや「変わり春巻き」なんぞを肴に冷えたジャスミン茶で一杯。サラエヴォやリガ、ブエノスなど僻地をばかり好んで旅している営業氏とユダヤ教をメインとした宗教論を交わし、アメコミ好きで尋常じゃない懸賞の当選確率を誇る編集氏と『ミッドナイト・ミートトレイン』の話で盛り上がる。そういえば、この『デディアン』という店名を聞いて真っ先に頭に思い浮かべたのは『ブランチ・ダビディアン』だったが、その教祖の「デヴィッド・コレシュ」という名前はバビロン捕囚を解放したペルシャの英雄コレシュそのものじゃねえかということに気付き小さく慄然(先のユダヤの話につながる)。それ以上に俺の深読みに唖然だ。

そうやって席を離れて通りを散策してみたり、昆虫を捕まえてみたりして1時間近くの経過を見たところでやっとカレー到着。オーガニックでロハスでスローフードなんだからこれぐらいの所要時間は当然だといえる。このメンバーだと話しもそれなりに盛り上がるし、軒先の雰囲気も悪くないので待つことが楽しい。むしろ2時間くらい要して持ってきてもらってもいいぐらいだ。

そのカレーだが、たくさんの種類のスパイスを調合したインドカレーかと思いきや、レモングラスとチリ、ココナッツミルクを効かせたタイ風カレーだったのは少々驚き。透明感ある美しいジャスミンライスの上には真っ赤なクコの実が散らされ色味も鮮やかで美しい。薬膳カレーだけにマイルドな味を想像したが、意外にもしっかりとした辛さと刺激感を持つカレーでなかなかに美味い。薬効成分もなかなかのもので食べてすぐに身体がいい具合に火照ってきた。おお、心地よいポカポカ具合だ。シモの方にも効きそうじゃねえか。ぱくもぐ。

食後のデザートに白桃と黄桃を剥いてもらう。火照った口中に文字通り桜桃の密が染み入り、その甘露に惹かれてカナブン氏まで飛来してくる始末。なんとまぁ楽しい夕餉だろうか。忙中にあるだけに嬉しさもひとしお。来て良かったよ。
という訳で気がつけば23:00近く。さて、いつものように路線バスで帰ることにするぜ。

最新の画像もっと見る