歌姫

　昭和を代表する歌手、美空ひばりについて書こうとしているのではない。…ないが、全く関係がないわけではない。昨夜、招待されて観て来た芝居のタイトルが、この『歌姫』なのだが、登場人物の一人が、美空ひばりから名前を取って付けられたことで、芝居の時代背景を物語っているのである。

　私の趣味と言えばまずはゴルフなのだが、それ以外にも芝居鑑賞、映画鑑賞、テレビでのスポーツ観戦と多趣味である。んっ、全部で４つか？多趣味ってことはないな。ここ数年は、芝居は映画以上に観てはいる。贔屓の劇団もいくつかあるが、何と言っても私の一押しは、東京セレソンＤＸだ。

　『歌姫』は、この東京セレソンＤＸの芝居である。“笑いあり涙あり”は、良く使われる芝居や映画、テレビドラマのキャッチだが、このベタな笑いや涙を誘う芝居には、そうそう出会えるものではない。ベタと言えば表現に難があるのかも知れないが、今これだけベタに上手に、芝居を作れる劇団がどれほどあろう。

　この劇団以外にも芝居は観るが、変にこ洒落てみたり、こ難しかったり、どこかに主張が入っていたり、妙に前衛だったりする。前衛と言えば画期的な感じではあるが、そのほとんどはわけのわからないものだ。かといってベタな芝居は、本当に下手だったりする。そのくらい外されるのも芝居だ。だから悪口になっている（笑）。

　その点、この東京セレソンＤＸには駄作がない。外されない。これまでにも何作か観させてもらっているが、すべて見事な出来映えだ。昨夜も感動させて頂いた。私は決して東京セレソンＤＸの回し者ではないが（近いかな？＝笑）、クチコミをさせて頂く。８／５まで新宿シアターサンモールで上演している。面白いので、是非ご覧になってみては如何だろう？