マヌケ便り

テレビ番組リサーチ会社の代表をしています。

字画なんて

2007-05-11 04:02:36 | Weblog
 名古屋市内にある印鑑販売会社が、「字画が悪い」と不安を煽り、お年寄りなどに印鑑を売りつけ、60億円もの売り上げを出して捕まったという事件を、ネット上(時事通信)で読んだ。これは、特定商取引法違反(威迫・困惑)と言う犯罪になるらしいが、私はこの手の犯罪の記事を目にすると、本当に頭にきてしまう。

 私自身は、字画とか何とかいろいろあるが、こうしたものの一切を全く信じることはない。ところが、友人達にこの手の商法にひっかかって、後になって泣いている奴が結構いるのだ。10年ほど前になるだろうか、友人が印鑑を作りに行くので付き合ってくれと言う。訊けば遠方ではないか。「何でまたそんなところまで?」と訊くと友人は、「そこで印鑑を作ると運が開けるらしい」と言っている。私は、「そんな事はないから」とは言ったのだが、その友人は頑としてきかない。

 結局、付き合う羽目になってしまった。そこで友人は、その印鑑屋のオヤジ(怪しそうに見えないのが、既に怪しい感じである)に、字画から姓名判断をされ、いろいろと言われている。私にとっては眉唾もいいところだ。その話を呆れて聞いていたのだが、友達はあっさりとその勧められた印鑑を買ってしまったのである。値段は5万円だ。私は「え~っ、5万円?」と驚いてしまった。

 すると、その印鑑屋のオヤジは、私もみてくれるというのである。私は、「“絶対に”買わないからいい」と言ったのだが、「買わなくてもいいからみてやる」と言うので、どのくらいふざけた事を言ってくれるのかと思い、みてもらったのである。凄まじい言われようだ。不安を煽るなんてレベルのものではない。何と、あのロス疑惑の三浦和義と同じくらい、最悪の字画をしていると言うのだ。

 確かに、私の名前の字画が悪いというのは、以前にも誰かに言われた事があった。だけど、これまで生きてきて、さほど自分の人生を不幸だとは思ったことがない。それに、「“絶対に”買わない」と言ったのに、そのオヤジは、「印鑑を作れば運も開けてくる」と言うのである。そこで私は、「これ以上に運が開けるのも、返って困るからいい」と言って店を出たのである。

 店を出てから私は、「今からでもキャンセルしてこい」と友人に言ったのだが、聞く耳を持たない。そればかりか、「出来上がるのに2週間かかる。2週間後に取りに来るのが楽しみだ」とまで言っている。それで私は、「300円の印鑑しか持たなくても、運が開け幸せになっている人達だってたくさんいるんだ。何より運をそんなものに頼ってはダメだ」とまで言ったのだがダメだった。マヌケな私が言うから、やはり説得力に欠けるのかな?

 2週間後、その友人から電話があった。「印鑑を取りに行ってきたんだけど、やっぱりオマエの言うように買わなきゃ良かったかな?」と言っている。私は、それ言ったことかとばかりに、「当たり前だろう。でも、何でそう思ったんだ?」と訊いたら、「店に行ったら、別の人が印鑑を作りに来ていて、それで待っている間に姓名判断されているその人の話を聞いていたら、自分に言っていた事と全く同じ事を言っていた」と言うのである。私は言ってやった。「そらみろ?そんなもんなんだよ」って。それにしても、印鑑くらい私がプレゼントしてやったのに。300円のだけど…。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿