マヌケ便り

テレビ番組リサーチ会社の代表をしています。

ゴキブリ

2008-08-05 02:40:21 | Weblog
 私の故郷は福島県の会津地方だ。私はここに高校を卒業するまで住んでいた。その間、ゴキブリを見たことは一度もなかった。これは私の家だけでなく地域性の問題だと思う。普段からゴキブリという言葉は会話の中に出てもこなかったし、ゴキブリが出たと言う話しも聞いたことはなかった。だからゴキブリはテレビのCMで知っている程度で、実際に見たことが無いわけだからどんな生き物なのか当時はピンとこなかったのである。

 初めてそのゴキブリを見たのは大学の寮に入ったばかりの頃だ。部屋の中を這いずり回るその異様な生き物に狼狽え、隣の部屋の友人のところへ逃げ込んだものだ。その晩はその友人の部屋に泊めてもらったのだが、翌朝起きたらその友人の部屋で再び遭遇し、今度は自分の部屋に逃げ帰っていた。私は絶対にこの生き物とは共存することができないと思い、夏休みに寮を出て一人暮らしを始めたのである。

 だが、結局どこへ行こうが、どこに住もうが、その生き物は付いて回った。空気がある限り付いて回る生き物だ。引っ越しをしたばかりのアパートでは、夜に自宅へ戻り電気を付けようとしたら、その生き物はパタパタと飛んでやって来て私の背中の中に入って来たこともあった。あの時の素っ裸になった時の早さは5秒とはかからなかっただろう。もうこちら(東京)で住む限りは仕方の無いことだとあきらめた。

 せめてもの救いは、これまでオフィスの中ではお目にかかっていないことだ。初めて就職した放送作家プロダクションのオフィスにも、その後独立して興したオフィスにもその生き物は現れてはいない。今の六本木のオフィスに至るまでに3回引っ越しをしているが、いずれのところでも私は見たことがなかった。その六本木のオフィスが手狭になり、分室を借りることになったのだが、その分室が私の仕事場になった。

 その分室は、鼻の悪い私でもカビ臭さが鼻に付くようなところで建物もかなり古い。六本木では、手頃なワンルームのオフィスになるような物件はそうそう無い。仕方なくここに決めたのだが、案の定そんな部屋だからその生き物にとっては住み心地満点なのだろう。毎日現れる。そして格闘だ。昨日は追いかけ回していたら何と私の鞄の中に逃げ込んだ。殺したくなった。実際殺したのだが、もう~この分室嫌(泣)。

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