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【社労士】介護休業 対象広く 厚労省 離職防止へ軽度でも

2016年07月11日 22時13分21秒 | 社労士
 厚生労働省は8日、取得率の低迷が続く介護休業を利用しやすくするための対策をまとめた。
 従来は「要介護2~3相当」の家族を介護する場合が条件だったが、常に見守りが必要な場合は、より軽度な要介護1以下でも休みが取れるようになる。
 祖父母や兄弟姉妹の介護で同居の用件をなくすことなどと合わせ、介護を理由に仕事を辞める人をゼロにする政府目標の実現を促す。

 新しいルールは、来年1月から適用する。
 介護休業は、家族を介護する働き手が会社に申し出ることで、最長93日間休みを取れる制度。
 家族の介護をしている労働者のうち、実際に休みを取得しているのは15.7%(2012年)にとどまる。

 一方で、介護を理由とした離職者は、年間約10万人にのぼる。
 離職者の多くは40~50代で、企業内で中核の仕事を任されている人も多い。
 制度を活用しやすくして、経験を積んだ人材が退職を迫られる事態を防ぐことが急務になっている。

 今回の見直しの柱は、休みが認められる症状の対象を広げた点だ。
 今までのルールでは、特別養護老人ホームに入所が必要かどうかが目安となっていた。
 介護認定なら「要介護2~3程度」を指していたが、利用者からは「わかりにくい」との声もあがっていた。

 新基準ではまず、要介護2以上なら休みが取れることを明記する。
 そのうえで、要介護1以下でも、「排泄」や「意思の伝達」など12項目のうち、一つでも全面的な見守りが必要な場合や、一部見守りが2つ以上必要なら休業できるようになる。
 例えば、在宅での介助は不要だが、外出すると一人で帰れない認知症の人も対象になる。

 要介護1の人は4月末時点で約122万人、要介護2は約108万人いる。
 新基準ですべての人が介護休業を取れるようになるわけではないが、対象は大きく広がる見通しだ。

 祖父母や兄弟姉妹、孫の介護もしやすくなる。
 三世代同居が減っている実態に合わせ、これまで「扶養し、同居していること」としていた条件を廃止する。
 遠方に住む祖父を父母とともに介護するような場合でも、休みが取れるようになる。

 今年の通常国会では関連法が改正され、来年から介護休業を3回まで分割して取れるようになった。
 今まで症状1つにつき1回しか休みを取れなかったが、ケアマネージャーとの打ち合わせなど、用事ごとに休みを分けられるようにした。
 (平成28年7月9日付け日経新聞1面より)

 ■介護休業■
 会社で働く人が家族の介護のために、休みをとりながら一定の給付を受けられる公的制度。
 1999年に始まった。
 条件に応じて最長93日間休みを取得できる。
 休業前の賃金の40%に相当する額を介護休業給付として受け取ることができる。
 財源は国と労使で負担する雇用保険の特別会計から出る。
 対象となる家族は配偶者、本人の両親、兄弟、祖父母などだ。

 当初は非正規労働者は利用できなかったが、2005年からは「1年以上同じ企業に勤めている」などの条件を満たせば介護休業が取得できるようになった。
 09年法改正で、介護のために最大年5日間の休暇を得られる制度も始まった。
 要介護状態にある家族の日常的な介護のために、年休や欠勤で対応している労働者が多かったことが理由だ。

 高齢化を背景に、要介護状態の人は増えている。
 要介護(要支援)認定者数は、今年4月末時点で621万5千人に達した。
 要介護の認定は、介護の必要が高い順に、要介護5から1まである。
 5の場合は「日常生活で全面的な介助が必要」、3の場合は「衣服の着脱に介助が必要」、1では「歩行が不安定」など介護度ごとの目安が定められている。
 (平成28年7月9日付け日経新聞「きょうのことば」より)

 介護施設が慢性的に不足しているなど、介護休業の対象を緩めるだけでは解決しない問題ですが、まずは第一歩ですね。

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