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①社会保険や労働保険、②終活、③整理収納、に関する新聞・雑誌の記事拾い読み、私の考え、お勧めなどをご紹介します。

【終活】私が終活をする理由

2017年09月11日 21時39分08秒 | 終活
 体調不良等で5ヶ月も間が空いてしまいましたが、今回から再開いたします。
 これまでは新聞記事の紹介のみでしたので、少し趣向を変えてみます。
 長文ですが、お付き合いください。

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 今から遡ること27年前、私が20歳の時に父を癌で亡くしました。
 50歳と半年の若さでした。
 当時は癌患者に対して告知を行うことはタブーであり、当然のごとく父にも病名を告げませんでした。
 どんどん容態が悪くなっていく中で、父は不安が増していったのでしょう。
 母に、「医者から何か聞いていないか?」としきりに尋ねるのです。
 涙を堪えて悟られないように、「何も言ってなかったよ。」と答えるのが精一杯の母。
 私は父から聞かれることはありませんでしたが、何も知らない振りをして接するのは、とても辛かったです。
 
 無理な延命措置をしなかったことは幸いでした。
 ただ、父はどう考えていたのでしょう。
 少しでも生きていたいと考えていたのかもしれませんが、今となっては確認のしようもありません。
 結局、父からは最後の言葉は聞けませんでしたし、家族に対して手紙のようなものも残っていませんでしたので、言い残したいことを聞いてみたい気持ちが今でもあります。
 
 病院で亡くなった直後、主治医の先生からお願いされるまま献体に同意しました。
 今後の医学の進歩に少しでも父がお役に立てるのなら、と母と私の考えが一致したからです。
 しかし、後になって知ったことですが、病院に駆けつけていた親戚は献体に反対だったそうです。
 当の本人に生前に確認していたら、どう答えたでしょうか。
 
 時は流れて3年前。
 たまたまテレビを見ていると、ある番組で終活特集が行われていました。
 終活という言葉を知ったのは、この時が初めてです。
 何か気になるものを感じましたので、初級認定講座を受講しました。
 テキストを読むと、想像していた内容と少し違うという印象を持ちました。
 それは、「人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ、今をよりよく自分らしく生きる活動」という終活の定義についてです。
 受講するときまでは、終活というものはお年寄りだけの問題かと思っていましたが、私を含めて若い世代にも十分に関係のあるものだということがわかったのです。
 エンディングノートを書くことで、これまでの人生を振り返ることができ、今後の人生に活かせます。だからこそ、「今をよりよく生きる」という点に共感しました。
 
 また、エンディングノートには、介護や病気の告知・延命治療についての項目があります。 
 面と向かって家族に伝えることに抵抗を感じる方々や、逆に本人に聞けない家族にとっても、エンディングノートに自分の意思を残すのは、本当に大切なことだと思います。
 告知について父とは話せかなったから、特に強くそう感じます。
 
 そのほか、財産や葬儀・お墓についても、残された側としては、亡くなった本人の気持ちや状態を確認できるのはありがたいです。 
 亡くなった後の気持ちが混乱しているときに、正常な判断をするのが難しいこともあるからです。
 
 残される者へのメッセージを記す欄もあります。
 意識があって生きている間には読まれることが少ないでしょうから、照れ臭いことや話しにくいことでも自由に書き残せます。
 父の死のところでも触れましたが、私の場合は父からのメッセージがなかったので、当時はそれで仕方がないと思っていましたが、とても寂しかったものです。
 
 わずか5年ほど前に生まれた「終活」により、自分の意思をエンディングノートとして残すという行動をとる方々が増えてきています。
 終活は残していく人たちへの愛情表現だとも考えられます。
 介護や終末期の治療等、自分に直接的に影響してくる事柄以外については、自身が存在しなくなるので困ることもありません。
 それでも終活を行うのは、残される家族が困らないように、寂しくならないようにするためです。
 
 見送る、見送られる、それぞれの立場で考えても、エンディングノートを書いて終活を行うことで、今後の人生を安心して生きることができると考えます。
 それは、今まで述べてきたように、自分の意思を残せる、亡くなった人の意思を確認することができる、自分へのメッセージを受け取ることができるということからです。
 ますます高齢化が進む世の中で、「終活」を行うことで、安心して生きられる世の中になればいいと思います。


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