がんは細胞の老化といえる病気です。
このため、年齢とともに急増します。
一生涯にがんになる確率は2011年時点で、男性は62%、女性では46%でした。
ただ、65歳までにがんを発症するのは、全体の15%にとどまります。
それでも会社員の約6人に1人が、がんになる計算です。
現役世代ががんになったときのお金の問題は、医療の支払いもさることながら、収入源にあります。
ただ、この問題に直面しても、医療費支出の上限を定める高額療養費制度をはじめ、経済的負担を軽減する社会保障制度はたくさんあります。
公務員や会社員ががんで働けなくなり、給与が支払われなくなった場合、標準報酬月額の3分の2が「傷病手当金」として支払われます。
受給できる期間は最長で1年半ですが、退職後も引き続き、残りの期間分を受け取ることが可能です。
しかし、退職日に出勤してしまうと、継続給付を受ける条件を満たさなくなります。
退職日の翌日以降の受給ができなくなるので、注意が必要です。
現役世代ががんになった場合、3人に1人が職場を離れていますが、私はできるだけ離職しないよう勧めています。
がんは完治すめば、体力面でもほぼ元通りになるからです。
がん治療を通院で受けられる時代となり、治癒率も全体で6割、早期なら9割以上となっています。
やむを得ず退職したケースでは、失業保険の受給を検討します。
労働の意思と能力がある人が支給対象です。
がんでまったく働けない場合は対象外です。
がんで働けなくなり生活に支障をきたした場合は、「障害年金」を受けられる可能性があります。
直腸がんなどで人工肛門を付ける、咽頭を全摘出する、在宅酸素療法を実施する、といった目に見える機能障害がある場合以外でも、対象になります。
たとえば、治療による倦怠感で仕事ができなくなり、1年半改善しないなどのケースです。
しかし、こうした社会保険制度はすべて、患者側で申請する必要があります。
受給資格があっても制度を知らなければ、適用されません。
社会保険労務士などの専門家に積極的に相談するとよいでしょう。
2016年(平成28年3月17日付け日経新聞コラム)
私が15年ほど前に入院・手術をした際、高額療養費の存在をまったく知りませんでした。
月が変わった途端に入院してくる人が多くて不思議に思ったことも、今では理由が理解できます。
高額療養費は月単位だからです。
今の日本は、知っている者が得をします。
知らなかったからといって特別措置を受けることもできません。
どんな事柄でも、自分で調べるだけではなく、専門家に意見を聞いてみる心掛けが大切です。
このため、年齢とともに急増します。
一生涯にがんになる確率は2011年時点で、男性は62%、女性では46%でした。
ただ、65歳までにがんを発症するのは、全体の15%にとどまります。
それでも会社員の約6人に1人が、がんになる計算です。
現役世代ががんになったときのお金の問題は、医療の支払いもさることながら、収入源にあります。
ただ、この問題に直面しても、医療費支出の上限を定める高額療養費制度をはじめ、経済的負担を軽減する社会保障制度はたくさんあります。
公務員や会社員ががんで働けなくなり、給与が支払われなくなった場合、標準報酬月額の3分の2が「傷病手当金」として支払われます。
受給できる期間は最長で1年半ですが、退職後も引き続き、残りの期間分を受け取ることが可能です。
しかし、退職日に出勤してしまうと、継続給付を受ける条件を満たさなくなります。
退職日の翌日以降の受給ができなくなるので、注意が必要です。
現役世代ががんになった場合、3人に1人が職場を離れていますが、私はできるだけ離職しないよう勧めています。
がんは完治すめば、体力面でもほぼ元通りになるからです。
がん治療を通院で受けられる時代となり、治癒率も全体で6割、早期なら9割以上となっています。
やむを得ず退職したケースでは、失業保険の受給を検討します。
労働の意思と能力がある人が支給対象です。
がんでまったく働けない場合は対象外です。
がんで働けなくなり生活に支障をきたした場合は、「障害年金」を受けられる可能性があります。
直腸がんなどで人工肛門を付ける、咽頭を全摘出する、在宅酸素療法を実施する、といった目に見える機能障害がある場合以外でも、対象になります。
たとえば、治療による倦怠感で仕事ができなくなり、1年半改善しないなどのケースです。
しかし、こうした社会保険制度はすべて、患者側で申請する必要があります。
受給資格があっても制度を知らなければ、適用されません。
社会保険労務士などの専門家に積極的に相談するとよいでしょう。
2016年(平成28年3月17日付け日経新聞コラム)
私が15年ほど前に入院・手術をした際、高額療養費の存在をまったく知りませんでした。
月が変わった途端に入院してくる人が多くて不思議に思ったことも、今では理由が理解できます。
高額療養費は月単位だからです。
今の日本は、知っている者が得をします。
知らなかったからといって特別措置を受けることもできません。
どんな事柄でも、自分で調べるだけではなく、専門家に意見を聞いてみる心掛けが大切です。