どろぼう

つい先ほどの出来事です。玄関ドアの向こうに誰かが立っていて、カサカサと何かをいじくる音がずっと聞こえてたのです。これは半年くらい前からちょくちょく聞こえるようになった怪音で、ずっと気にはなってたんですが、近所の子供がマンションのエントランスまで入ってきて遊んでるのかなとか思っていました。

ところが今回はいささかエスカレートして、郵便受けから何かを引きずり出す音まで聞こえてきました。しかも「ズッ・・ズズッ・・・」と、住人に気づかれないように少しずつ少しずつ慎重にという意図が感じられるんです。
恐怖が広がります　(;´Д`)　ぞわゎ～。

意を決してドアをばーん！と開けてやったら妙にムンニョリした手応え。どうやら犯人を壁とドアの間にできた三角地帯に閉じこめてしまったようです。床には怪音の正体のレジ袋が落ちていて、中にはガス料金の領収書が大量に詰まっています。

犯人は見知らぬおばさんです。今日は検針の日で、各戸の郵便受けのフタに領収書がはさんであったはずですが、それをこのおばさんが盗んで回っているのです。三角地帯でジタバタしているおばさんにいったい何と言えばいいやら。何も思いつかないままとりあえずドアをゆるめてみると、半泣きのおばさんは落とした袋をサッと拾って全速で逃げていってしまいました。あばよ、おばちゃん・・。ドアが開いた瞬間思わずにぎりしめたのか、うちの分の領収書がクシャクシャになって落ちてました。

ワケわかりません！あのおばさん何？領収書マニア？うちのだけが盗まれてたのなら私の熱心なファンの方かしら？とも思うけど・・。こういうの買い取ってる業者がいるんでしょうか。ガスの領収書からいったい何を読み取ろうとしてるの？使用量から家族構成とか通勤か在宅かくらいは分かるかも知れないけど、その情報を何にどう活用しようと言うのか。少し前に情報番組でよく取り上げてた「マーキング」の一種？謎だらけ。

それにしても気味の悪い事件です。もう来ないかも知れないけど、もしあのおばさんにもう一度会えたならじっくり話を聞きたい。別に責めやしないから、私の知らない世界の話を聞かせてほしいと心から思っています。