【東京新聞2011.5/25より】

【東京新聞2011.5/25より】

福島県第一原発事故に際し、
菅首相が「国策による被害者」だから
国が責任を持って「最後の最後まで」
対応すると強調している。
故郷を追い出された人々の移住場所を
見つける努力は、自治体に丸投げで、
省悪な避難所暮らしがいまだ続いている
ところも多い。
放置していた牛などの家畜は、殺処分
が決まった。
政府が責任をもって対処するというのは、
賠償金だけのことらしい。
それも東電だけに負わせるず、国民全体
に負担させればいいと考えているように
さえみえる。
十八日付報面「日本の電気はなぜ高い」に
よると、東京の東電本店前に、警視庁の
機動隊のバスが縦列に駐車して、東電を
守って二カ月になるという。
東電本店を、何から守ろうとしているの
だろうか。
また過日、枝野官房長官が賠償にあたって、
銀行の債権放棄がなければ、「国民の理解は
得られない」という発言をしたが、与党や
官僚から反発の声が上がっているという。
国が守ろうとしているものは、原発による
強制避難者の命や子どもたちではなく、
東電やその株主と債権者と、今までの原子力
政策そのもののように見えてしまう。
国民をなめてもらったら困る。
これは東電が引き起こした事故である。
もう少し誠意をもって対処してほしい。
東電本店を守る警視庁のバスがあるなら、
一時帰宅や計画的避難を余儀なくされている
現地の被災者の移動に使ったらいい。
避難者の住んでいた地域を見捨てて、
原子力村だけが生き残るというようなことには
してほしくない。
東京新聞2011.5/25より
投稿者　中村順二美術館　(柏市　大津ケ丘)
中村　勝　館長

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