便所サンダル大全

日本製便所サンダルについていろいろ語ります

森川ゴム工業所 Health No.863

2020-03-31 17:32:56 | 森川ゴム工業所(Health)
ちょっとご紹介が遅くなってしまいましたが、森川ゴム工業のフラッグシップモデル、Health No.863


森川さんの昔のカタログを持っていないので正確なところはわからないのですが、創業当時から作られていたというわけでは無く、比較的後発だったと記憶しております。

ホームセンターで一番よく見かける「形」のサンダルなのですが、ホームセンターに行かれることがありましたら、ゼヒ手に取って「ツマ先の模様」をご確認ください。


おそらく、ホームセンターにあるのはこの模様が楕円ではなくて「カマボコ型」になってると思います。

(あと、たぶん甲のベルトの継ぎ目が真ん中以外になっているかと思います。)

森川ゴム工業所の「本物のNo.863」はツマ先の模様が楕円

と覚えておけば良いです。


まぁ、日本製かどうかはひっくり返して裏を見ればMade in JAPANと書いていないのですぐにわかりますが。

ただ一点だけ、ホームセンターの中でも「LIFE」は森川ゴムのサンダルを扱っている(2020年現在)と思います。


さて、この森川ゴム工業所、奈良の便サン三大メーカーの中でも特に「日本製」ということに誇りをもって作っていらっしゃるメーカーさんで、私が工場にお伺いしたときに

日本製と海外製は品質がいかに違うか

ということをわかりやすく教えていただきました。


No.863は横幅はニシベケミカルのダンヒルよりも少し広く、甲はほどよく反り返っていて形がキープされているのデザインのため、とても脱ぎ履きしやすくフィット感も極上。

また、森川ゴムさんのサンダルは、どれもサンダルの素材そのものにフカフカとした感触があるため、吸いつくような履き心地があります。

丸中工業所さんのより柔らかめで、なんというか耐久性と履き心地のバランスが絶妙です。

私が通好みと呼ぶのもこれが所以(ゆえん)です。

サンダルで商売しているのでよくわかりますが、森川のサンダル以外は履けないというご年配の方は、みなさんが想像しているよりもはるかに多いです。


そんな名品のサンダルにも関わらず、なぜか形も穴の数も全然違うのにニシベケミカルのダンヒルと間違えられることが多く、間違えている方を見かけるたびに、

「ベンサンのことは、本当にどうでもいいと思っているんだろうな」

と思います。でも、それが普通の人間です。


以前TwitterでNo.863を履いた写真を載せて「便所サンダルダンス!」とTweetしてる方を見かけましたが、マキシマムザ亮君は「VIC以外は全部敵」と公言しているのでファンなら間違えないようにしたいところです。

もちろん私にしたら敵(笑)も味方も何もなく、「日本製サンダルLOVE」なわけですが、Health No.863は玄関でアルペンと共に足を通す確率が高いサンダルでもあります。


なお、もう一つ豆知識として覚えておいていただきたいのが、No.863とNo.868の違いについて。

Health No.868


とってもよく似ていますね。

そりゃそうです。同じサンダルですので。

森川ゴムさんは箱単位の色組(アソート)でナンバーを変えていますので、863の場合は

・茶組および黒 ⇒ 863
・中間色 ⇒ 868

となってます。

面倒なので私はサイトに商品掲載する際は全部茶組の型番で掲載してしまっていますが、型番が違っていてパッ見似たようなサンダルでしたら、森川さんの場合は同じサンダルですので、ご安心くださいませ。


そういう意味ではNo.863は

「黒、茶、薄茶、チョコ、ワサビ、ブルー、グレー、ゴールド、モスグリーン」

の9色のラインナップがあります。

ウチではなかなか扱うのに勇気がいるのでまだ置いていませんが、No.863がもっと皆さんに愛されるように啓蒙していきたいと思います。

ホント、いいサンダルですよ。


ニシベケミカル VIC No.600 2WAY

2020-03-28 19:19:47 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
ク〇ックスによく似た感じの「VIC No.600 2WAY」は、おそらく2012年の秋冬カタログから登場しています。

おそらく、というのは、2012年の春夏カタログにはなく、2013年の春夏カタログには登場しているのですが「NEWマーク」が無いからです。

残念ながら私は2012年の秋冬カタログを持っていないので、「おそらく」としか言えないのです。

※2013年の春夏カタログより。「NEW」マークがありません

この2WAY、ベンサンと呼ぶには他のサンダルとかけ離れた形状ですが、紳士クロスやエレファン同様、かかと部分がえぐれているためサイズの合う方にはすばらしいフィット感をもたらしてくれます。

また、つま先から脇にかけて大きく通気孔があるためムレも少なく水はけが抜群、バックストラップがついていて脱げにくくすることができるため、これが一番重宝されていたのは介護入浴時

介護施設の方から「あるだけ全部ください」と言われたこともあります。

もちろん、ニシベケミカルらしく滑りづらさもトップクラス。

ニシベケミカルのサンダルは独特の柔らかさと独特の底の形状があるため、他のメーカーのものより滑りづらいのです。

※その分、耐久性・堅牢性は丸中工業所・森川ゴムのほうが上だと思います。

私は3足だけ所持しているのですが、1足だけたまに普段履きとしてしようしており、他の2足は保存用としてキープしています。

※本ブログのタイトル画像で使用しているのがこの2WAYです。



この名品2WAY、マニアの間では有名なので息が長かったような印象があるのですが実は2014年の秋冬カタログから姿を消しています

つまり、1年半しか製造されていないサンダルなのです。

非常にディティールに凝っていて、靴底のサイド部分には前面に白と黒のベルトが前面に張り付けられており、バックストラップの取り付けには当然ボタンのようなものがはめ込まれています。

※事務所で写真撮り忘れてたので今玄関で撮りました。

一度、ニシベケミカルの方に「2WAY、需要あるんで復活してくださいよ」とお願いしたところ、

「いや~。あれ面倒くさくって」

と笑って一蹴されました。(笑)

たまに履物屋から発掘されることはあるものの、なにせ元々の生産量が非常に限られたサンダルのため非常に入手が困難なサンダルでもあります。

当然ク〇ックスと比べられることも多々あるのですが、滑らないという意味では水場でのポテンシャルは圧倒的に2WAYのほうが上。

惜しいサンダルを亡くしました。

と言っても、ク〇ックスは「クロスライト」という人の体温に反応する特殊素材で作られているため、足裏に絶対にフィットする上に水陸両用というコンセプトで作られた素晴らしいサンダルです。貶める意図はありませんのでご了承ください。

ところがなんと・・・。

この2WAY、「VIC No.6000」の新ナンバリングで2020年に復活します!

バックストラップにカラフルなファブリックを使用してよりファッショナブルになって帰ってまいりました!



当然ベンサン.JPでも取り扱い予定ですが、正式発売はもうちょい先なので今しばらくお待ちくださいませ!

ただし、お値段もドーンと上がる予定です。w

丸中工業所 PEARL No.70(婦人)

2020-03-27 14:09:36 | 丸中工業所(PEARL)
PEARL No.180が丸中工業所の紳士用サンダルの横綱なら、このNo.70は同じく婦人用の横綱

というより、婦人用ベンサン界の横綱といっても過言ではない圧倒的な定番っぷりを見せています。



婦人用定番サンダルにはニシベのNo.110カナリヤとか森川のNo.623などの強敵もいるのですが、PEARL No.70の強さはおそらくカラーバリエーションと、見た瞬間の

「これでいいや」感(超・誉め言葉です)

なのではないかと思います。

「これじゃなきゃダメ!」というわけではないけれども、前提知識なしで「どれを選ぶ?」と問われたら大半の人が手に取ってしまうであろう安定感。

キッチュで懐かしいデザイン、ビビッド&ポップなカラーで全9色のラインナップは、選ぶにあたって適度な自由度を与えてくれるため、たとえば施設などで用途によって色分けしたりサイズによって色分けしたりする場合は、ほぼ一択になるのです。

サイズがM(23.0)からLL(25.0)までの3サイズあるのも、もちろんその選ぶ理由の一つに入ってくるでしょうね。

丸中工業所らしく、他メーカーに比べれば硬い履きごこちになりますが、丈夫さで選ぶならやはりPEARL。

また、丸中工業所さんがほぼ在庫を切らさないという点からも、このサンダルの圧倒的な強さの一角が垣間見れるのではないでしょうか。

「すぐに大量に欲しいんですが」と聞かれたら、このサンダル以外にはなかなか見つけらない、そんな日本製婦人用ベンサンのトップランナー、No.70。

街で見つけるのはそんなに難しくないサンダルですので、玄関に一足常備してあげてくださいませ。



ニシベケミカル VIC No.1000 カリベン

2020-03-26 13:38:29 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
2005年に「VIC No.1000 ジャンプ」として登場して、

※ニシベケミカル2005年春夏カタログより

翌2006年に「VIC No.1000 カリベン」に改名。


※ニシベケミカル2006年春夏カタログより

改名の理由は不明ですが、実はこれによく似た形状の「VIC No.1800 ジャンプ」というのが2004年をもってカタログから消えているめ、一旦名前を引き継いだ後に改名したということになりますね。

なので、ニシベケミカルで「ジャンプ」と命名されたサンダルは3種類あるということになります。(詳細はまた後日)

ヴァン・ヘイレンが好きだったんでしょうかね?


それはそれとして、このカリベン、どちらかというと「ぶっとい鼻緒のギョサン」という感じの形状で履き心地は例によって甚だ柔らかく、No.1001スポーツのような感触です。


ホールド感とフィット感もかなりのハイレベルで、フカフカ感も感じる柔らかさのため、いわゆる「母ギョ」よりも履き心地が良くて親指と人差し指の間が痛くなるなんてことも無く、おそらくは

「鼻緒系サンダル最強」

の称号を与えても良かった品かもしれません。

しかし、いかんせんデザインそのもののせいなのか知名度のせいなのか、定番化するほどには売れなかったんでしょうね。

2012年のカタログ以降、その姿を消しています。

ただ、私が所持しているこの新品の現物は、実は九州の南の方に住んでいらっしゃるマニアの方が、数年前に普通にチェーンのスーパーで並べられていたのをいくつか購入して譲っていただいたものなのです。

生産終了してからおそらく4~5年は経っていたでしょうし、スーパーが在庫処分もせずにずっと陳列し続けるなんてありえませんので、もしかしたらしばらくの間は特注で作っていたのかもしれませんね。

金型はまだ残っているでしょうから、これもなんとか復活させたいサンダルの一つではあります。


最後に。

なぜ「カリベン」なんていう名前なのかといいますと、これはまず間違い無く

カリプソ と ベンハー

をガッチャンコして命名されていると思います!


鼻緒型のサンダルは、大別して「カリプソ型」と「ベンハー型」がありまして、


※カリプソ型 PEARL No.110 ギョサン

※ベンハー型 VIC No.560大寸 プレイガイ(さりげなくレア物)

カリプソ型は、みなさまご存じ「ギョサン」と聞いたら日本人の誰もが頭に浮かぶあの形です。

ベンハー型はなんとなく「映画:ベン・ハー」でベン・ハーが履いているっぽいグラディエーターサンダルっぽい感じがするような気がしないでもないっぽい感じがするのでベンハーなのだと思います。

※要はベン・ハーはこういうの履いて無かったような気がする

みなさんも、映画ベン・ハーをゼヒご覧くださいね!(完全に話がズレている)




ニシベケミカル VIC No.1001 スポーツ

2020-03-24 17:09:43 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
VIC No.1001 スポーツは2006年にカタログデビューをして2013年までの8年間製造されていたサンダルです。

このサンダルが他のサンダルと決定的に違うのはその甲のベルト部分の薄さ。

他のサンダルのほとんどが、縁の部分で約4mmなのに比べて、このスポーツは3mm程度。

つまり、普段履き用のサンダルではなく、「ツッカケ」や「シャワー用サンダル」として作られたのではないかと思います。

名前の「スポーツ」は、もしかしたら「スポーツをした後のシャワールームで使う感じ」の意味で付けられたのではないかと睨んでいます。



とはいえ、シャワーサンダルにしてはドエライ履き心地の良さで、カカト部分のクッション性はニシベケミカル随一と称えてもよいくらいのクオリティ。

ニシベケミカルさんの倉庫に何年か眠っていた残り在庫をベンサン.JPがすべて譲り受けたため、一応サイトでも黒のMサイズの販売していますがフェスなどに出展するときには必ず持っていくサンダルでもあります。

そして、「買わなくてもいいから一度履いてみてください」と、その履き心地を啓蒙しています。

また、薄さのほかにもう一つ珍しい点がありまして、それは「Nマークを冠しているところ」。


このマークが使われているサンダルは非常に少なく、私も実物で見たことがあるのはごくわずか。

2006年デビューのこのサンダルがなぜNマークを冠しているのか未だに謎なので、いつか確かめたいと思います。


なお、現在(Mサイズだけですが)新品が手に入るとしたら偶然どこかの履物屋で見つける以外はウチで手に入れるしか方法はないと思いますが、ウチにある在庫もだいぶ減ってきてまして、この世から存在を消すのもあとわずかな時間。

当然自分用に10足はキープしますが、この「スポーツ」と出会うことなく終わらせてしまうのは惜しいサンダルですので、一度足を通していただきたいと、切に念じております。