便所サンダル大全

日本製便所サンダルについていろいろ語ります

まるべ印入り珪藻土コースター

2020-08-21 16:13:05 | 雑記
お盆も過ぎて時間的にも精神的にも余裕が出てまいりましたので、この記事での約束通りグッズ制作にいそしみたいと思います。


最所に手掛けるのは、自分自身が欲しかった「珪藻土コースター」です。

自分の部屋で寝酒を飲むときにいつも「い草」のコースターを使っていたのですが、乾きが悪いのでだんだんと真ん中に黒カビがついてきてしまい、拭ってもぬぐっても取れません。

ということで、グッズにもなるし自分でも使えるといういいことづくめですし、珪藻土コースターなら多少の需要はあるだろうということで作ることに決めました。


ということでコースター自体はとっくに仕入れてありましたので印刷の様子をご紹介しますね。


今回はUV印刷というのを行うのですが、シルクスクリーンやパッド印刷と違って「版」を作らなくていいため、超小ロットでもできる印刷方式です。

※ただし、ロットが小さいと普通は「高額」になりますが。

まぁそれはそれとして、印刷の流れとしては

1)イラストレーターなどでデータを制作
2)下地印刷
3)本番印刷

という感じです。


今回は直径10cmのコースターの上にウチのロゴを印刷するだけですので、10cmの丸を書いてロゴをはめ込んでデータは出来上がり。


こんな感じでプリンタ操作のソフトにデータを読み込ませておきます。
※ちなみにこの写真は枠の無い本番印刷用のデータです。


これを、透明な素材の上に下地印刷(印刷物を置いて位置決めするための予備印刷)します。

サイズ的には20個くらい一気に印刷できるのですが、どうせそんなに売れないと思いますので今回は3個だけやります。(いくらでも追加できるし)


できました。


ぱっと見なんでもないように見えますが、この黒の「まるべ」マークの下に「ホワイトインクで白印刷」がしてあります。

白印刷をしないと、インクが透けて薄~い仕上がりになっちゃうんですよね。

後ろから光を通すような仕上げのものならしなくていいのですが、通常はカラーの下に白印刷をしておきます。

これが上のカラー印刷と「数ミクロン」ずれただけでも非常に目立つので、ほぼドンピシャでやるのにはテクと経験が必要です。


ということで、この下地印刷の上に珪藻土コースターをぴったり乗せていきます。


乗せました。


このコースターは厚さが9mm。

余裕をもって9.3mmでプリンタヘッドの高さをセットします。


ヘッドギャップ(プリンタヘッドの高さ)が1.5mmなので、合計1.8mmだけ印刷物とプリンタヘッドの距離を取ってプリントする、という感じですね。

ここまでできたらスイッチぽん。
印刷が始まります。



なんとなーくうっすら印刷途中の「まるべ印」が見えますかね?
これは「白印刷」の段階です。

で、この青白い光がUV。紫外線ですね。

インクを吹き付けるなり紫外線で固めるので、インクを乾かす作業が不要というのがこのUV印刷のいいところ。

印刷が終わったらすぐに梱包OKなのです。



白印刷が終わって、


その後のカラー印刷。これが終わると、印刷台が勝手にニョーンと前に出てきます。

終わって、


ニョーン


出来上がりです。

そしてこいつらを袋に詰めて、


完成!


すごく簡単にできたように見えるかもしれませんが、印刷自体は簡単です。

どんな印刷でもそうなのですが、印刷までの準備にテクニックが必要なんですよねー。


ほんとはこのUVプリンターは写真レベルのフルカラー印刷ができるのですが、今回は黒一色だけという完全にスペックオーバーなもったいない使い方です。

そんな贅沢なプリンタの使い方で作った「まるべ印入り珪藻土コースター」はマルシェルに出品中です。

まるべ印入り珪藻土コースター  


なお、このUVプリンタ。

インク(全部で8本必要)は1本2万円するし、インクの使用期限が過ぎると物理的にプリンタが動かせなくなるという仕様だし、しかも使っていない時でもメンテナンスで勝手にインクがドバドバ流れて捨てられるようになっているという、使わないでいると金をドブに捨てているくらいの金食い虫。

誰か印刷の仕事ください。( ´∀`)




ベンサングッズについて。

2020-07-23 15:38:33 | 雑記
このブログ、マニアブログフェスタに参戦中ということもあるので、今日はマルシェルでのグッズ販売についてちょいとお話を。


ホントはいろいろグッズを販売したいんですが、なにせ春~夏に掛けてはベンサン販売の最盛期ということでなかなか他の事ができず毎日バタバタしております。

たぶんお盆過ぎくらいまでは忙しいのが続くので、お盆過ぎくらいからグッズをバシバシ用意しようと目論んでいます。


なんか作るのは結構時間がかかるものなんですが、実はあまり慌ててはいません。

なぜならば私、ある程度のものなら自社製作できるんです。(´∀` )


今のところ知り合いからしか仕事を受けていないので特に宣伝はしていないのですが、実は

・UVプリンター(MImaki UJF-6024 MkⅡ)
・小ロット用パッド印刷機(なんでもくん)
・小ロット用ホットスタンプ


を持っておりまして、ちょっとしたグッズだったら思いついたらすぐに作れるのです。


中でもUVプリンターがどんなのかと言いますと、こんなのです。


こんなの。


こんなバカでかい業務用プリンターがボロい中古の一軒家に置いてあることは近所に気づかれていません。

いわゆる「厚物UVプリンタ」というヤツで、厚さ15cm程度までのものなら大体のものに印刷できます。例えば、


こういうの(モバイルバッテリー)とか


こういうの(ゴルフボール)とか

にフルカラー印刷できます。

※写真は実際に私がプリントしたヤツです。


さて、なんでウチがこんな冗談で買うわけにはいかない大型の厚物UVプリンターを持っているのかといいますと・・・。


ホントはこれ、ベンサンにカラープリントしたかったからなんですよね・・・。


ただ、UVプリンタというのは印刷物とプリンタヘッドの間隔を2mm以内にしないといけないので、基本的には

まっ平なもの

にしか印刷できないのです。


ゴルフボールくらいの球体だったら直径2cmくらいの印刷まではできるんですが、さすがにベンサンのように複雑な立体だと印刷のしようもなかなかないわけで・・。(買う前に気づけよ)


ちょっと特殊な印刷方法(というかほぼシールのようなもの)なども試行錯誤しておりますが、数年たった今でも成功したと言えるのはほんの数足しかありません。


ということで、現在は知り合いからちょっぴり印刷の仕事をもらってたりするわけですが、結構有名どころのアーティストさんやブランドさんのものをやらしてもらったりして非常に楽しいです。


マニアのみなさんのやつもやってみたいな、と思っているのですが、ぜひ手掛けてみたいと思っているのは

『中村市のいぬくそ看板』

です。(楽しそう)



まぁ、それはさておき、お盆過ぎになったらイソイソとなんか作り始めますので、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。

では。

スタッズベンサン

2020-06-06 17:26:59 | 雑記
えー、今回はメーカーさんのオリジナルベンサンではなくて、諸般の事情により私飯田が運営するベンサン.JPのオリジナル商品「スタッズベンサン」のお話です。

このスタッズベンサン、実は私がオリジナルで考案したものではなく、マキシマムザホルモンのマキシマムザ亮君の2012年8月7日 のツイート、

「そう、ヤツの便サンは鋲付き 」

というのが元でして。


マキシマムザ亮君の10代の頃から付き合いのある友達が履いているベンサンがスタッズを付けたダンヒルだったのです。

※残念ながら、ついっぷるがサービス終了したため、当該ツイートについている画像は現在はもう見ることができません。


さて、当時そのツイートを見た私は、

「カッコいいからいつかこれを製品化してやろう」

と目論んでしました。


そんな時、私の高校のころからの友人である「ぎょさんネットのナル店長」から、

「まさかっちゃん!面白いこと思いついたからダンヒル1足送って!」

と頼まれまして。


なんだろな、と思いつつダンヒルを送って数日後、彼から送られてきたのがこれだ。(1・2・3←古)



さすが付き合いが長いだけあってまったく同じことを考えていました。
こういうのをシンクロニシティって言うんですよね。


せっかく作ってくれたので、いい機会だと思って製品化に邁進したのが2013年。


スタッズを危なくなく、かつ確実にダンヒルに留める方法として私が考案したのが

ねじ式スタッズ+ゴム製ワッシャー

の組み合わせでした。


金属製ワッシャーの方が当然確実で丈夫なのですが、サンダルを履くときにワッシャーが爪のスキマにグサリと入った日には目も当てられません。

ゴム製ワッシャーならネジもある程度めり込みますし、安全度は高くなります。


ということで、試行錯誤を重ねたうえで2014年に出来上がった製品化第一弾が、これです。

↑これは当時販売していたプリン型の方。


思い出しただけでも鬱になります。

パッと見た感じ何でもない製品に見えますが、このネジ式スタッズは不良品が多く、ネジがスタッズの奥まできちんと入りきらないものが多かったのです。

そのため、ネジとスタッズの組み合わせを替えてキチンと奥までネジが入るものを「30組」揃えた上に、大小のポンチ2つを使って板ゴムからゴム製ワッシャーを30枚作らねばならなかったのです。


当時お買い上げいただいた方はそんなことは知る由も無いかと思いますが、この製品を1組作るのにだいたい1時間強を費やしていました。

ゴム製ワッシャーもいろいろなホームセンターを回った結果サイズがちょうどいい物が見つからず自作せざるを得なかったというのもあります。


しかし、こんな作業をいつまでもやっていられない!と次に考案したのがジビッツ型スタッズ

これならネジを取ったスタッズにジビッツの土台(※)を接着剤で付けるだけだから楽だ!と、嬉々として制作に励みました。

※ジビッツはク〇ックスにつけるアクセサリーのことです


これです。



思い出しただけでも鬱になります。

思いついたときは楽にできると思っていたこの形状、やってみると飛んでも無い面倒さでした。

まず、ジビッツ土台の接着面のバリをヤスリで削ってまっ平にしなくてはなりません。

接着剤もいろいろなものを試しましたが合金とプラスチックをそれなりの強度で接着するにはエポキシ系+瞬間接着剤の2つが必要で、完全に接着するためには一晩おいておかないといけないわけです。


で、それだけならまだしも、翌朝強度チェックするとだいたい30個中5個くらいは「ポロリ」と土台が外れて、ヤスリで削るところからやり直しになるわけで・・・。


こんなものを大量に販売していたら、売れれば売れるほど時間を失って仕事ができなくなります。

※余談ですが、Tモリ倶楽部とMステで鬼〇院翔さんが使ってくださったのがこのバージョンです。

※そして、テレビにスタッズベンサンが映った際は毎回在庫を0にして欠品扱いにしてました。


ということで、(私の心の安寧のためにも)

もう、一体成型のオリジナルスタッズを作ろう!

と一念発起し、知り合いのツテでつながったノベルティ制作会社さんに図面を渡して鋳型からオリジナルで制作して出来上がったのが、現在の製品、

「スタッズベンサンカスタマイズチャームZ」 

というわけなのです。

おお、なんて神々しい・・・・。

これなら袋&箱に詰めるだけ。

時間を異常に浪費する労働から解放された今では、ご注文が入ると嬉々としてパッケージングしております。


で、実は何名かから、「スタッズを付けたものを販売していただけませんか」というお問合せをいただきましたが、すべてお断りしております。

なぜかというと、これを30個ダンヒルに装着するには小一時間かかる上に右手の親指が痛くなるからです。


1回だけ、フェス出店のために完成品を5個作りましたが、その日は右手の親指の腹が真っ赤に腫れました。


つまり、その労働量を製品価格に加算した場合、弊社オリジナル商品であることを鑑みると10,000円前後の価格を付けざるを得ないわけです。


というような理由で完成品の販売は行っていませんでしたが、作成したヤツがまだ残っているのでマルシェルで売ることにしました。(´∀` )

好評だったら、時間が余ってどうしようもないときにでもまた作ろうかと思います。

よろしくどうぞ。





Youtube「別視点チャンネル」で私の動画が公開されました~

2020-05-15 15:55:01 | 雑記
さて今日はサンダルの話ではなくて、メディア出演情報のお知らせです。

地上波とかそういうのではないですが、マニアフェスタもろもろで何年も前からお世話になっている、「合同会社 別視点」の松澤さんから受けたインタビュー動画がYoutubeにアップされています。

なかなかテレビでは紹介されないレアものの紹介とか、最近のベンサン界の動きなどについて語っています。


たま~にテレビやラジオで私の事を取り上げていただけることがあるのですが、「ベンサンマニア」という部分がクローズアップされるので


ベンサンそのものの魅力


までお伝えできることができないんですよね~。
※ただ、「Tモリ倶楽部」だけはベンサンの魅力を存分に伝えてくれました


なかなかベンサンを履いて外をうろつくことができない今日この頃ではありますが、春も来て緊急事態宣言も解除されつつありますので、今まで以上に気を使いながらじょじょに買い物以外の外出も始めたいと思っております。

まぁ、買い物以外の外出はもともとあんまりしてないんですけどね。(なので実は生活がほぼ変わっていないという)


で、これは蛇足なのですが最近はテレビ番組もロケや撮影ができないので過去の総集編や傑作選などを放映している番組が多くなってきていますよね。

ということで、私が過去に出た番組もいくつか映像再使用のオファーがきているので、もしかしたらどこかのテレビにまた出るかもしれません。w


そんなこんなでインタビュー動画はこちら!お楽しみくださいませ~

▽6000円超えでファッションアイテム化!?「便所サンダルを日本一売る男」に驚きの便サン最新トレンドを聞いた!

ラジオ出演の裏側

2020-04-03 15:32:24 | 雑記
今回はベンサンの紹介ではなくて雑記です。

仕事柄(?)、テレビやラジオなどのマスコミに出ることが1年に1~2回くらいあるのですが、今回は久しぶりにラジオのお話をいただきました。

で、特に事前告知はしていなかったのですが、4月1日の午前10時17分より、ニッポン放送の「あなたとハッピー」という番組のワンコーナーに電話生出演をいたしまして。

当然、そのコーナーというのは

「私、熱烈マニアです。」

というマニア紹介のコーナーです。


5分ほどの電話インタビューになるのですが、その生出演の数分前に構成作家さん(ですよね?)から電話をいただき、かる~く打ち合わせをして、

「ではあと数分でニッポン放送から電話がいきますのでよろしくお願いいたします」

と言われて一旦電話を切り、一服しながら電話を前に待っておりました。


「確かオンエアが10時17分からだからあと1分くらいだな・・・。」

とイソイソと待っていると・・・。

事務所の前でトラックの止まる音が。


イヤな予感しかしません。


なにせ、前日に200足のサンダルを発注していて、届くのが翌日4月1日だったから。


「いつもは夕方に来るから、まさかね・・。」

と、そのとき電話が鳴りました。10時17分です。


すかさず電話を取りながら、「はい、もしもし~」と出たその瞬間


「(ピンポ~ン)ヤマト運輸でーす」


電話の向こうから「電話を切らずにそのままお待ちください」と言われたが、気になるのはヤマト運輸。

「はい」とだけ答えて、取り急ぎニッポン放送と電話がつながったままハンコもって玄関に行き、床にハンコを置きます。


そこへ扉を開けて荷物を持って現れたヤマト運輸さん、元気いっぱいな声で

「今日は5箱でーす!」 ←しかも160サイズのでかいの

電話の向こうからはスタジオの音声、つまり今まさにラジオで流れてる内容がそのまま聞こえてきています。


一瞬頭が真っ白になりかけたのですが、唯一できたのが

「シー!!」

いうジェスチャーの後、床に置いたハンコを指さす事。


ヤマトさんにちょっと申し訳ないなと思いつつ、自分の出演のタイミングになってしまったので荷物を放ったまま電話でやりとり。

5分だけだったのですぐに終わり、玄関に戻ってみるとヤマトさんが廊下の上にわざわざ上がって荷物を積み上げてくれていました。


うう・・・、なんかごめんなさい・・・。


よくテレビやラジオなどで電話出演される一般の方とかいらっしゃいますが、その途中で訪問者に来られたことがある人ってこの日本に何人くらいいるのだろう。

まぁ、めったにできない経験ができたので良しとしよう。



ちなみに、その直後にGoogle Anlyticsでリアルタイムのアクセスを見ていたらしばらくの間ずっと500人くらいの方がサイトを見てくださっていて、それがほぼ0になるまでお茶を飲みながらアクセス画面を眺めておりました。


ご注文件数は2件でした。