便所サンダル大全

日本製便所サンダルについていろいろ語ります

ニシベケミカル VIC No.520 コロナ

2020-03-23 15:19:38 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
かつては「VIC No.510 ダンヒル」と双璧を誇っていた「VIC No.520 コロナ」

2011年のカタログを最後にその姿を消しています。

※ニシベケミカル2011年カタログより

ベンサン.JPが誕生したのが2011年の年末ですので、まさに入れ違い。

一回も発注することはできませんでした。

このコロナは、ニシベケミカルが一番最初に作ったサンダル(とニシベケミカルの方がおっしゃっていました)で、まさに記念碑的な作品です。

廃番になったのが今から8年前なのですが、廃番になった直後から探しているもののなかなか新品が見つからず、私の把握している限りではこの8年間で発掘されたのはわずかに5足程度です。

※まぁ、おそらくは日本のどこかの履物屋でそんな貴重品になっていることとは知らず、普通に売られて普通に消え去っているのでしょうが。

このコロナ、いまだに探している人が後を絶たないサンダルで、私もできれば再販してもらいたいなぁと思っているのですが、おそらく元の金型のままで販売されることは無いと思われます。

理由はこの靴底。


ニシベケミカル初期(たぶん「西辺加工所」時代)に作られたサンダルは、軽量化の為と思われますが底の部分に大きな穴があります。

ここに小石が入るって床に傷がつくのを嫌って、現在のニシベケミカルのサンダルは石が挟まらないように隙間や穴が最小限になっているのです。

ですので、コロナが再び日の目を見るとしたら・・・。

おそらく私が金型から発注して大量生産しない限り、だれもやらないでしょうね。w

でも、デザインもカッコいいですし、横幅もダンヒルよりワイドなので履きやすく、アルペンと同じく日本人の足型にとっても合うサンダルだと思うんですよね~。

なんか足裏の吸いつきもいいですし。

私も未使用品は3足しかもっていないので、もしもどこかの履物屋で見つけることがあったら大切になさってください。(中島誠之助さん風に)


丸中工業所 PEARL No.180

2020-03-22 10:40:27 | 丸中工業所(PEARL)
製造メーカーである丸中工業所が「我が子」と呼ぶ、PEARLブランドのフラッグシップモデル、それがPEARL No.180。

「ベンサン」と言えばこの形を思い浮かべる人も多いオーソドックスなデザインで、最近金型が新しくなったものの基本的な形状はまったく変わることなく引き継がれています。



40年以上に渡って愛され続けているロングランモデルで、


「安くて丈夫で滑りづらい」という、まさに便所サンダルの重要ポイントを的確に押さえているところが素晴らしい。

とは言うものの、丸中工業所では製造されるサンダルをすべて「ギョサン」と呼んでいるため、あまり「ベンサンベンサン」というのは実ははばかられる。

この丸中工業所(PEARL)の素晴らしいところはその柔軟性。

いわゆるラインナップに無い「特色」め結構少ないロットで製造してもらえるため、小売店でも自店のオリジナルカラーを作ろうと思えば作れるのだ。

もともとある定番カラーでも「17色」というかなり多いカラーバリエーションを誇っているのですが、最近ではほかのサンダル(ホヌ、また鼻緒型のギョサン)で展開されているクリアー系のNo.180を販売しているところもあります。

もともとの重量(発泡系)が重めなので、クリアー系(無発泡)にすると相当な重量になるのですが、

・ファッションと割り切る
・風に飛ばれにくいのがメリット


という捉え方をすれば何も問題はないでしょう。

何を隠そう、私が一番最初に手にした日本製ベンサンもこのPEARL No.180であり、今の便所サンダルブームをはじめとする全てはここから始まったといっても過言ではない、日本を代表するMade In Japanなのです。

※ちなみにベンサン.JPで写真のようにオリジナルプリントもできますよ。


ニシベケミカル VIC No.610 ヘルシー

2020-03-20 15:35:46 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
生産終了後も当分の間はamazonやモノタロウなどで販売されていたが、すでに在庫も尽きてインターネット上からも姿を消してしまった「ニシベケミカル VIC No.610ヘルシー」。


見て一発でお分かりのように、極端に大きい底面のイボイボがいかにも「健康サンダル」というコンセプトを表しています。

デザイン的には「あまりにも普通」なため見過ごされがちなサンダルなのだが、想像してみてほしい。

・健康ランドの脱衣所併設のトイレ
・プールのトイレ
・温泉旅館のトイレ
・海の家のトイレ

などなど、「水場+トイレ」というシチュエーションにこれほどジャストフィットするデザインかつポテンシャルを持ったサンダルが他に存在するだろうか。

裏面はダンヒルとよく似たニシベケミカルのスタンダード(※)のもので、安定感は抜群。

しかも足の裏に与える心地いい刺激はベンサンを超えて健康サンダルの領域なので毎日履けば血行が良くなること間違いなし。

※と言ってもニシベケミカルのサンダルは一部を除いてほぼ全部デザインが違います。)

このような素晴らしいサンダルがカタログから姿を消してしまったのは悲しむべきことなのだが、ベンサン.JPはまだヘルシーの在庫が密かに眠っていること事実を押さえております。

いつか、ヘルシーを求める民衆の声が高まったころ、改めてこのサンダルをこの世に送り出したいと念じております。

今は置き場所がないので無理ですが。

ニシベケミカル VIC No.1200 トップ

2020-03-18 17:05:20 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
2017年に突如ニシベケミカルのカタログから消えたVIC No.1200 トップ。

これも割と見かけないサンダルで、量販店では「オリンピック」などが扱っていましたが、だんだんと棚から消えていき今ではすべて外国製のサンダルになってしまっています。



割と履き心地がタイトなサンダルで、他のサンダルですと私もMサイズが履けるのですが、トップだけはLLサイズじゃないと窮屈な感じでした。

そのため、『履く人を選ぶサンダル』だったと言えると思います。

ところが何と、翌2018年に新ファッションブランド「BENCH」より、

BENSAN-T

として再販されました。

実はここに写っているのはトップではなくBENSAN-T(のはず)です。

何が違うかと言いますと、オリジナルの「VIC No.1200 トップ」には、オーク(ベージュ)と金茶(キャメル)は存在しないのです。

現在は3,630円で販売されているかと思いますが、「黒、チョコ、赤茶以外のカラー」はBENCHオリジナルのため、私が手に入れるならホワイト、ネイビー、キャメル、ベージュ(BENCHさんでの色呼称)ですね。

で、ここに写っている「BENSAN-T」は某所で1,000円で手に入れております。

ご存じの方はご存じのあの場所です。


とはいえ、まだ「トップ」が街中の履物屋さんにある確率は0ではありませんので、足幅が細身でタイトなベンサンが好きな方は探してみるのもいいかもしれませんね。

※私はコレクションとしてレアカラー(モスグリーン)を含め現在は残り10足ほど持っておりますが販売することはもうありません。


ニシベケミカル VIC No.601 ジャンプ

2020-03-17 17:49:31 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
ニシベケミカルのサンダルの中でも稀有な存在なのがこの「VIC No.601 ジャンプ」。

2014年の春夏カタログに登場し、翌2015年にはカタログから消えているまさに幻のサンダルだ。

しかも、このジャンプ以来2019年まで新作は出ておらず、そればかりかカタログからは定番と思われていたサンダルまでが無くなっていった。

大幅に種類が減り始めた「その先駆け」という位置づけもできるサンダルなのです。
で、これがその「ジャンプ」なのですが、ディティールにこだわりのある良いサンダルで紳士用として非常にシックにできてます。

いかにも革で作ってあるかのようなデザインなので、サンダルOKな職場だったら迷うことなく選ぶと思います。

そして、このサンダルのもう一つの特徴は、他のサンダルではあり得ない「反り返ったつま先」。


斜め前から見ただけでも底の模様が見えるくらい反り返ってます。

もしかしたら、お年寄りが小さな段差で転んでしまうことを懸念してつま先を反らせたんじゃないかというのが私の推理(というか想像)です。

もちろんニシベケミカルらしく履き心地はとても柔らかく、ダンヒルのようにタイトでもないので、私は「イザ」という時にこのジャンプを着用することが多いです。

まぁ、そのイザというのは人前で便所サンダルの話をするときしかないのですが。

※8月31日追記

ありがたいことに実はあるお客様からこのジャンプの記事についてメールをいただきまして、ご紹介の承諾を得た上で追記です。

>この601はスキージャンプの板をモチーフにして作られたのではないでしょうか?
>名称の『ジャンプ』もここからきているのではないかと思いました。
>
>601がカタログに出たのが2014年ということで調べたらところ、ソチ五輪が開催された年でした。
>
>No.1400 サッカーもワールドカップが契機だと便所サンダル大全に書かれていたように、
>この601もオリンピックがらみで出されたモデルではないかと推理しました。

なんと、ソチ五輪の年!

そうなると、つま先の反り返りから「スキージャンプ」がイメージでされた可能性が高いというか、私もそうとしか思えなくなってまいりました。w

今度ニシベケミカルの方にお会いしたら、ジャンプとB・Mは名前の由来を確認したいと思います!