BEELUCK(ビーラック)店主の拙いけれど真実を語る健康小話

BEELUCK(ビーラック)の店主が自身の経験と知り得た情報を元に「真の健康」について、コツコツとお話しするブログ。

健康情報:偏頭痛予防にCoQ10が役立ちます

2007-10-24 17:25:26 | Weblog
2005年のアメリカの神経学会誌にCoQ10が偏頭痛の予防に役立つことを示す研究が載って話題になっています。
これは再発性の偏頭痛患者42人(平均38.7歳)を対象に、一日3回100mgのCoQ10を摂らせたグループと、CoQ10に見せかけた偽薬(プラセボ)を与えたグループに分けて、4ヶ月の間に発作が起こる頻度の変化をみたものです。

結果、CoQ10を摂らせたグループの発作頻度は半分に減りました。また、発作が減った患者はCoQ10を摂取したグループの患者の約半数(47.6%)に及んでいます。
副作用もなく安全であることも確認されました。
CoQ10の摂取は偏頭痛もちの人に役立つようです。

店長のコメント
当「真の健康を考える店」でも新しく開発された活性化技術(ミセル化)により通常のCoQ10の8倍の吸収率を誇る[Super Bio Q10]スーパーバイオ Q10という名のCoQ10サプリメントの取り扱いを始めました。
世間一般に出回っていますCoQ10とは中身が違う
[Super Bio Q10]スーパーバイオ Q10を一度ご確認ください。

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健康情報:ボケ防止にオメガ3が足りません、現代人はαリノレン酸が今の4倍必要です

2007-10-16 18:17:10 | Weblog
私ども、「真の健康を考える店」の主力商品に育ちましたフローラ社製「亜麻仁油」の輸入販売元であります「うまいもの倶楽部」から「うまいもの倶楽部通信」というミニ情報紙が創刊されましたので、私個人の感想、意見よりも客観性があることから当店のお客様へもお伝えしたく、「うまいもの倶楽部」様の了解を得まして小話にてご紹介することになりました。

20歳をピークに人の脳細胞は一日当たり10万個死滅するといわれています。 
このため年をとるに従って名前が出てこなかったり、用件を忘れたり何かと物忘れが多くなります。
これは脳の老化によりますが、さらに進むと脳の萎縮や脳の血管性障害が起こり認知症になってしまいます。
この認知症の症状がある人が日本には約200万人いるといわれています。
それも、65歳以上の方ではその約8%といわれていますから、10人に1人の割合に近づきつつあります。

”ボケたくない”と思ったらどうすればよいのか。
答えは、”オメガ3を摂る”ことです。
基本的に食用油はオメガ3とオメガ6に分類されますが、オメガ6のリノール酸を多く含んだ食事を与えたネズミとオメガ3のα-リノレン酸を多く与えたネズミを比較した実験では、明らかにオメガ3のα-リノレン酸を与えた方が記憶力・学習能力が高まったという結果が出ています。
つまりボケ防止になるわけです。

ところが、現代人はその成分ほとんどがオメガ6からなる紅花油、大豆油などリノール酸ばかりを摂り、オメガ3のα-リノレン酸はほとんど摂っていません。
その摂取割合は、オメガ6:オメガ3=8対1だといわれています。
これがさまざまな病気の原因になっているのです。
せめて、 2対1の割合に戻す必要があるのです
単純に計算すると、オメガ3を今の4倍は摂らねばならないことになります。
このことから、オメガ3を最も多く含んだ植物油として「亜麻仁油」が注目されています。

店長のコメント
オメガ6:オメガ3の摂取比率の問題点に加えて、食用油の製造・加工方法に起因し、更にその食用油を用いて高温で処理・加工された加工食品によるトランス油の問題、そして食用油の原料に含まれる農薬の問題などを考えますと、多くの家庭で見られます欧米化された現代日本の食生活に於いては「亜麻仁油」の必要性といいますか重要性はますます増すばかりといった感が非常に強くするもであります。

私どものフローラ社製「亜麻仁油」の取り扱い数量が徐徐にではありますが確実に増えてきていますことからしますと、日本国内でも「亜麻仁油」に対する注目度がだんだんと高まり、広く認知されてきているように感じるのであります。
が、しかしその一方で、 今のアメリカやヨーロッパでは、すし、豆腐、納豆などといった昔からの日本の食材、和食がヘルシーという意味合いから大きなブームとなっているという情報を見聞きするにつけ、戦後30年、40年、50年、60年とグローバル化といわれる世界共通の認識の下にエスカレートするばかりの現代日本人の食生活の欧米化と乱れに改めて危機感をつのらせるものであります。

現代日本人である皆様はどのようにお考えになりますでしょうか?

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植物性油脂中のトランス脂肪酸/植物性油脂の摂取法-9

2007-10-13 17:03:41 | Weblog
9「厚生労働省の研究」

 一部の油脂(ナタネ油、オリーブ油、大豆硬化油脂)には、実験動物の寿命を短縮させてしまう成分が含まれていることがわかっており、その原因追究が厚生労働省科学研究で行われています。(文献14)

文献
1)Stender S,Dyerberg J.:Influence of trans fatty acids on health. Ann Nutr Metab. 48(2):61-66. 2004
2)Dausch JG.: Trans-fatty acids: a regulatory update. J Am Diet Assoc. 102(1):18, 20. 2002
3)Mozaffarian D, Rimm EB, King IB, Lawler RL, McDonald GB, Levy W.: trans fatty acids and systemic inflammation in heart failure. Am J Clin Nutr. 80(6):1521-5. 2004
4)Naruszewicz M, Daniewski M, Nowicka G, Kozlowska-Wojciechowska M.: Trans-unsaturated fatty acids and acrylamide in food as potential atherosclerosis progression factors. Based on own studies. Acta Microbiol Pol. 52 Suppl: 75-81. 2003
5)Weiland SK, von Mutius E, Husing A, Asher MI.: Intake of trans fatty acids and prevalence of childhood asthma and allergies in Europe. ISAAC Steering Committee. Lancet. 353(9169):2040-2041. 1999
6)Mozaffarian D, Pischon T, Hankinson SE, Rifai N, Joshipura K, Willett WC, Rimm EB.: Dietary intake of trans fatty acids and systemic inflammation in women. Am J Clin Nutr. 79(4):606-12. 2004
7)Lopez-Garcia E, Schulze MB, Meigs JB, Manson JE, Rifai N, Stampfer MJ, Willett WC, Hu FB.:Consumption of trans fatty acids is related to plasma biomarkers of inflammation and endothelial dysfunction. J Nutr. 135(3):562-566. 2005
8)Mojska H.: Influence of trans fatty acids on infant and fetus development. Acta Microbiol Pol. 52 Suppl:67-74. 2003
9)Morris MC, Evans DA, Bienias JL, Tangney CC, Wilson RS.: Dietary fat intake and 6-year cognitive change in an older biracial community population. Neurology. 62(9):1573-1579. 2004
10)http://www.who.int/dietphyscalactivity/publications/trs916/download/en/index.html
11)http://www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/04/minutes/4035m1_FinalSummaryMintes.pdf
12)http://www.cfsan.fda.gov/^lrd/fr03711a.html
13)2003年6月16日厚生労働省 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会会議議事録 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/06/txt/s0616-1.txt
14)2004年度厚生労働省科学研究:奥山治美(名古屋市立大学大学院薬学研究科)数種の食用油に含まれる微量有害因子に関する研究 http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIST00.doにて「奥山治美」で検索

参考図書
J・フィネガン:危険な油が病気を起こしている 中央アート出版社、今村光一訳、1998

この「危険な油が病気を起こしている」の他、「医者も知らない亜麻仁油パワー」、「いまの食生活では早死にする」、「キレない子どもを作る食事と食べ方」、「ガンは栄養療法で治る」、「オーレユーロペンの奇跡」、「万能のハーブ[イチョウ葉]エキス」等々、真の健康を考えるうえでの指針として信頼できる良書のみを自信をもってご紹介しますので、お気軽にお問い合せください。(info@beeluck.co.jp)

 

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植物性油脂中のトランス脂肪酸/植物性油脂の摂取法-8(3)

2007-10-12 15:28:20 | Weblog
「植物性油脂」のそれぞれについて(3)

[10]エコナ:
ナタネや大豆を原料にオレイン酸とグリセリンを化学的に反応合成した化合物でジアシルグリセロールを主成分とする合成食用油。
通常の植物性油脂はトリアシルグリセロールが多く、消化・吸収後、中性脂肪に再合成され、エネルギーとして使用されなかった分は体脂肪として蓄積されるがジアシルグリセロールは、中性脂肪に再合成されにくい特性をもっている。
しかし、トランス脂肪酸含有が5.2%と高く、厚生労働省の2003年6月16日での薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会の審議で問題になった(文献13)。
アメリカで販売されている油のEVONAはトランス脂肪酸含有が0%と表示されている 。      

[11]亜麻仁油(フラックス油)、エゴマ油(シソ油):
アレルギー児で欠乏しやすいω-3系の不飽和脂肪酸(α-リノレン酸:リノール酸が起こすアレルギー悪化を抑制する作用がある)が多く含まれているため、うまく使えば、アレルギー症状改善、神経症状緩和などに効果を発揮する。
ただし、酸化しやすく、光・酸素ですぐに過酸化脂質ができるので、遮光されたビンに入れて冷所で保存し、開封後は早めに使い切る必要がある。
また、高温で酸化・変性(トランス脂肪酸が生成されやすい)するため、40℃以上の高温になる料理では使えない。

国産のエゴマ油(シソ油)は、光(透明なガラス瓶に入れられている)、酸化(開封後は早く使い切る必要があるが表示がない)、温度(高温での調理も可能と表示されているものがある)などを考慮しないで販売されているものが多く注意が必要である。サラダなど、温度が低い調理方法の料理に少量を使う。

α-リノレン酸は野菜に含まれるため、野菜類を充分に摂取することが大切である(生野菜だけでは、充分な食物繊維、充分量の野菜を摂れないので、充分量の煮た野菜料理を食べる)。
一部の亜麻仁油は牛肉程度のダイオキシン汚染があるので、多量の摂取は避ける。
有機栽培で汚染が少ない原料を使い、トランス脂肪酸が生成されないように低温で絞り、酸化しないように酸素を遮断した方法で作られた亜麻仁油(フラックス油)はカナダのフローラ社やオメガニュトリッシュ社が販売している 。

[12]類例としての魚油:
ω-3系の不飽和脂肪酸(エイコサペンタエン酸EPAやドコサヘキサエン酸DHA)を含む油脂として魚の油脂があるが、高度のPCB・ダイオキシン、有機塩素系殺虫剤、水銀、有機スズなどの汚染があるので、汚染が少ない魚を選択し、摂取量に注意する。
エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸はα-リノレン酸から体内で合成されるので、必須脂肪酸とは言わない。魚アレルギーがあって魚に含まれるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸を摂取できなくても、野菜・芋類・豆類・大豆発酵物(味噌など)、亜麻仁油からα-リノレン酸を摂取すれば体内で生成される。

海草にも、α-リノレン酸が多いが、有毒な無機ヒ素を含むヒジキの摂取は薦められない。他の海草を適量食べる。

文献
13)2003年6月16日厚生労働省 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会会議議事録 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/06/txt/s0616-1.txt

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植物性油脂中のトランス脂肪酸/植物性油脂の摂取法-8(2)

2007-10-11 17:41:36 | Weblog
「植物性油脂」のそれぞれについて(2)

[4]オリーブ油:
ω-3系の不飽和脂肪酸が少なく、高温でも変化しにくく、高温での調理に使える。しかし、実から油を圧搾して絞るため、栽培時に使われた農薬が残留する可能性がある。
従って、有機栽培のエクストラバージンオイルを使う必要がある。。      

[5]ゴマ油:
圧搾して絞られビタミンEも豊富で、ω-3系の不飽和脂肪酸が少なく高温でも変性しにくいため、高温での調理も可能で、香りもよい。しかし、ゴマアレルギーが多いため、アレルギー児では使用しにくい。

[6]大豆油、コーン油ほか:
大豆油、コーン油、ナタネ油など輸入された原料を使った油は、輸入時に害虫駆除の目的で混ぜられた有機リン系殺虫剤が種子表面に残留しており、油に残留する可能性が高い。
また、油精製時に石油系溶剤を使用して高温で作られた大豆油、コーン油、ナタネ油は、トランス脂肪酸の生成率が高くなる。
この方法で作られた油には酸化を抑制するビタミンEなどの抗酸化物質が少ないため、酸化して過酸化脂質が出来やすく、アレルギー症状が悪化する可能性が高い。
綿実油も栽培時農薬で汚染されている可能性が高く、高温で精製されるため、同様の問題を含む。

[7]米油:
玄米から白米に精米するときに出た糠から、石油系溶剤で抽出し高温で作られている。したがって、トランス脂肪酸の生成が高くなっている可能性がある。
また、糠は使用された農薬や、水田のダイオキシンやPCBなど脂溶性化学物質で汚染されているため、米油にも残留している可能性が高く、アレルギー児での使用は推奨できない。

[8]圧搾して作られたヤシ油:
飽和脂肪酸が多く、熱に強く加熱料理に向いているが、現在販売されているヤシ油(パーム油)は精製を加えた油のため、ビタミンEなどが取り除かれている。

[9]ベニハナ油:
キク科花粉にアレルギーがある場合は使えない。

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植物性油脂中のトランス脂肪酸/植物性油脂の摂取法-8(1)

2007-10-10 21:56:37 | Weblog
「植物性油脂」のそれぞれについて(1)

[1]グレープシード油:
ブドウ酒を作るために果汁を絞った残りのブドウの種を乾燥させ、圧縮して絞った油 。
リノール酸(多価不飽和脂肪酸、約65%)、オレイン酸(一価不飽和脂肪酸、約18%)を含む。
ブドウ栽培で使用した農薬は果皮に残留するため、厚い果肉に守られた種子は汚染が軽く、それを絞った油にも残留が少ないのではないかと思われる。さらに、絞られた油が瓶詰めされた状態で輸入されるため、ポストハーベスト(輸入時に原料となる種子の害虫を駆除するために使われる)されていない。
経験上、アレルギー児が使ってもアレルギーが悪化しにくい。
ビタミンEが多いため酸化しにくく、過酸化脂質(過剰な活性酸素によって作られ細胞を傷つけアレルギー症状を悪化させる物質)が出来にくい。
但し、アレルギー症状を悪化させる作用があるリノール酸の含有が多いので過剰な摂取は避ける。
高温でする料理でも少量を使うようにする。      

[2]圧搾絞りナタネ油(カノーラ油):
輸入したカノーラ(心臓疾患などに悪影響を与える脂肪酸の一種エルシン酸が少ないナタネの品種)を使って、圧搾絞りで作られている。
原料が輸入のため農薬の残留の問題が残るが、ω-6系不飽和脂肪酸、ω-3系不飽和脂肪酸、ビタミンK、ベータカロチン、ビタミンEなどを含む。
ω-3系不飽和脂肪酸を含むので高温(160℃以上)での調理には向いていない。

[3]国産ナタネ使用ナタネ油:
従来から国産ナタネは、エルシン酸(エルカ酸)が多い欠点があり、輸入ナタネが植物性油脂の原料に使われてきた。
しかし、1990年に東北農業試験場(現、東北農業研究センター)が、エルシン酸を含まない国産キザキナタネを開発し、1992年から青森県で作付けされるようになり、油に加工されて販売されている。

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植物性油脂中のトランス脂肪酸/植物性油脂の摂取法-7

2007-10-09 13:30:40 | Weblog
(対策-3)「アレルギーの人に薦めたい油脂の摂取方法」

 高温で調理する炒め物などの料理、お菓子作りには、グレープシードオイルを少量、加熱しすぎないように使う。
揚げ物など油を多量に高温で調理する料理はしない。

 圧搾絞りナタネ油は、少量を過熱しない料理(温度があまり上がらない野菜炒めなど)に使う。
野菜を充分に摂りながら、少量の圧搾絞りナタネ油を温野菜やサラダなどに使う。     

 通常は、グレープシードオイルと圧搾絞りナタネ油を組み合わせて使い、同時に、野菜を充分に摂ることで、ω-6系とω-3系不飽和脂肪酸をバランスよく摂取できる。
どうしても、野菜が不足で、ω-3系が不足する場合は、少量の亜麻仁油を温野菜やサラダに使う。

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植物性油脂中のトランス脂肪酸/植物性油脂の摂取法-6

2007-10-08 07:53:14 | Weblog
(対策-2)「油脂摂取の方法」

1)汚染が少ない原料から圧搾絞りで造った植物性油脂を使う
 グレープシード油、圧搾絞りカノーラ油(アレルギー用ナタネ油)、有機栽培エクストラバージンオイルなど

2)高温で加熱調理するときに使える油
 ①ω-3系が少なくω-6系の不飽和脂肪酸が多い油:グレープシード油、オリーブ油、ゴマ油
 ②一価飽和脂肪酸や飽和脂肪酸が多いため熱に強い油:ヤシ油[パーム油]、ココナッツ油
 ③飽和脂肪酸:ラード油(豚油:汚染がない餌で飼育された豚の脂)

3)ω-3系の不飽和脂肪酸(α-リノレン酸)の摂取
α-リノレン酸は日本人が昔から多く摂取している白菜・キャベツ・大根などナタネ科、エゴマ、シソナドシソ科、かぼちゃ、ネギ、ピーマン、トマト、ほうれん草、春菊などの野菜、芋類、大豆、マメ科植物、果実に多いので、野菜(生野菜、ゆで野菜)、野菜たっぷりの汁物、芋類、豆類、豆製品・大豆発酵物、果実などを適量摂取することで、充分な量のω-3系の不飽和脂肪酸(α-リノレン酸)を摂ることが必要。

もし、上記の野菜などの食品が十分食べられず、油脂で補う場合は、汚染が少なく、トランス脂肪酸が生成しないように低温で搾り、酸化しないように酸素を遮断した方法で造られた亜麻仁油(フラックス油)を使う。
カナダのフローラ社やオメガニュートリション社がこの方法で亜麻仁油を造っている。
ω-3系の油脂は加熱により変性してトランス脂肪酸ができやすいので高温では使えない。
サラダなど40℃以下の温度の料理に少量を使う。
成人で大さじ1~2杯/日、子ども小さじ2杯/日、乳児小さじ1杯/日程度。

4)母乳の摂取
母乳中には、ω-3系、ω-6系の不飽和脂肪酸がバランスよく含まれているのに対して人工ミルクは、乳脂肪を取り除き、精製された植物性油脂に置き換えているため、トランス脂肪酸を含んでいる可能性がある。
しかしまた、母親がトランス脂肪酸を摂取している場合には、母乳中に分泌される(文献8)。
最良の方法は、母親がトランス脂肪酸を含む油脂食品を食べないようにして、バランスよく油脂を食べて母乳を与えることである。

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植物性油脂中のトランス脂肪酸/植物性油脂の摂取法-5

2007-10-07 09:59:31 | Weblog
(対策-1)「注意すべき油脂食品」

1)植物性油脂に水素を添加して液状の油脂を固化させた硬化油脂を含む以下の食品を摂取しない
 マーガリン(トランス脂肪酸が10~13%程度含まれる)
 ファットスプレッド(トランス脂肪酸が4~7%程度含まれる)
 クッキーやケーキなどショートニングが含まれる食品
 卵を使用していないマヨネーズなど

2)植物性油脂を人工的に加工した油脂は摂取をひかえる
 エコナ(トランス脂肪酸が最大5.2%含まれる、最近の調査ではエコナ揚げ油に1.5%)

3)高温で油脂を抽出・精製した植物性油脂の摂取は控える
 市販大豆油、米油、コーン油、ナタネ油、綿実油など(トランス脂肪酸が0.4~2.3%程度含まれる)

4)高温の植物性油脂を使って調理した食品・ 高温の植物性油脂を使って加工した食品は控える
 揚げもの・フライ類、油で揚げたスナック菓子類、揚げせんべい、クッキー、冷凍食品、マヨネーズ、アイスクリーム、レトルトカレー、コーヒー用ミルク、チョコレートなど

5)揚げもの調理に使った油を何回も繰り返し使わない(ただし、揚げもの調理自体がお勧めでない)

6)農薬が残留した原料(ポストハーベストされた輸入穀物)から造った油脂は避ける
 輸入大豆から造った大豆油、輸入トウモロコシから造ったコーン油、輸入ナタネから造ったナタネ油、輸入小麦のフスマから造った小麦胚芽油油など

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植物性油脂中のトランス脂肪酸/植物性油脂の摂取法-4

2007-10-06 10:58:40 | Weblog
4「対策」

トランス脂肪酸の摂取を減らし、適量のω(オメガ)-6系(ご飯2杯で1日に必要な量が摂れます)と充分な量のω(オメガ)-3系の必須不飽和脂肪酸を摂取することがたいせつです。

私の言葉としては、
充分な量のω(オメガ)-3系の必須不飽和脂肪酸を摂取する方法はと言えば、答えはやっぱり「亜麻仁油を毎日継続して食すること」となります。

先日、書きました
「オメガ-3」の重要な役割(2007-09-25 17:03:04)
必須脂肪酸「オメガ-3」が不足する理由-2(トランス脂肪酸)(2007-09-25 15:53:37)
必須脂肪酸:オメガ-3と亜麻仁油(2007-09-22 06:33:00)
の内容を再確認していただけるのが一番かと思います。

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植物性油脂中のトランス脂肪酸/植物性油脂の摂取法-3

2007-10-05 06:19:13 | Weblog
3「各国の対応」

これらのトランス脂肪酸の影響を考慮して、WHO・FAO食事・栄養及び慢性疾病予防に関する合同専門協議会(2003年)(文献10)やアメリカの食品医薬品庁(FDA)(2004年)(文献11)では、食事中のトランス脂肪酸摂取量を総摂取エネルギーの1%以下にするよう勧告しています。

デンマークでは2004年から加工食品に使われる油脂中のトランス脂肪酸含有量を2%以下に規制、オランダでも油脂中のトランス脂肪酸が規制されています。
また、カナダでは2003年よりトランス脂肪酸の表示が義務付けられました。
アメリカでは2006年1月からトランス脂肪酸の表示が義務付けられます(文献12)。
デンマークやオランダ以外のヨーロッパ諸国でも表示や規制が検討されています。

日本では、厚生労働省の公衆衛生審議会が1999年に出した「弟6次日本人の栄養所要量」で、トランス脂肪酸の摂取量増加が動脈硬化の危険性増加につながることが指摘されていますが、規制や表示制度は予定されていません。

文献
10)http://www.who.int/dietphyscalactivity/publications/trs916/download/en/index.html
11)http://www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/04/minutes/4035m1_FinalSummaryMintes.pdf
12)http://www.cfsan.fda.gov/^lrd/fr03711a.html

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植物性油脂中のトランス脂肪酸/植物性油脂の摂取法-2

2007-10-04 07:33:15 | Weblog
2「トランス脂肪酸とは」

植物性油脂(不飽和脂肪酸)に人工的に水素を添加して液状の油脂を固化させた硬化油脂(マーガリン、ショートニング)、ヘキサンなどの溶媒を使って高温で精製された植物性油脂(市販大豆油、コーン油、米油、ナタネ油、綿実油など)、高温の植物性油脂を使って調理した食品(揚げ物、フライ、天ぷら)、植物性油脂を含み高温で調理された食品(スナック、冷凍食品など)には、これらの人工的な操作によって発生したトランス脂肪酸が多く含まれていることが分かってきました。

トランス脂肪酸は、反すう動物の腸内細菌によって作られ、反すう動物(牛、羊、馬、山羊など)の肉や乳脂肪中に含まれていますが、それ以外の自然な状態では存在しない脂肪酸で、構造が天然に存在するシス型ではなく、トランス型になっている脂肪酸なのです。

不飽和脂肪酸は生物の細胞膜を作っていますが、細胞膜を作るためには不飽和結合部で折れ曲がったシス体の構造が必要です。
直線構造をしたトランス体の不飽和脂肪酸が細部膜の構造内に紛れ込むと、細胞膜は弱くなり壊れやすくなります。

血管内皮、気道粘膜、消化管粘膜、皮膚などの細胞も含め体内の細胞機能が傷害されて、生物反応が正常に行えなくなり、病気を起こす可能性があります。
また、天然の不飽和脂肪酸は体内で代謝され、さまざまな生物活性を有する物質(プロスタグランディンやロイコトリエンなど)になります。

トランス脂肪酸は、体内では代謝されないため、これらの不飽和脂肪酸代謝物の生理作用をかく乱すると思われます。
この結果、アレルギー症状・神経系の症状を悪化させ、心臓病や糖尿病などの発生を高めます(文献1、2)。

次のような報告がされています。
1)トランス脂肪酸は、コレステロールやLDL-C(LDLコレステロール:悪玉コレステロール)を上昇させ、炎症反応を増加させ(IL-6やCRPなどを増加させる)、血管内皮を損傷させるため、虚血性心疾患に悪影響を起こすとして注目されています(文献3、4)。

2)トランス脂肪酸の摂取量が多くなると気管支喘息、アレルギー鼻炎、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の罹患率が上がることが報告されています(文献5)。
トランス脂肪酸が炎症反応を悪化させる(文献6、7)ことから考えると、トランス脂肪酸の摂取が多い人ではアレルギー症状が激しくなると思われます。

3)胎児や乳児の発達に影響を及ぼす可能性が指摘されています(文献8)。

4)その他、トランス脂肪酸は認知症を起こす可能性も考えられています( 文献9)。

文献
1)Stender S,Dyerberg J.:Influence of trans fatty acids on health. Ann Nutr Metab. 48(2):61-66. 2004
2)Dausch JG.: Trans-fatty acids: a regulatory update. J Am Diet Assoc. 102(1):18, 20. 2002
3)Mozaffarian D, Rimm EB, King IB, Lawler RL, McDonald GB, Levy W.: trans fatty acids and systemic inflammation in heart failure. Am J Clin Nutr. 80(6):1521-5. 2004
4)Naruszewicz M, Daniewski M, Nowicka G, Kozlowska-Wojciechowska M.: Trans-unsaturated fatty acids and acrylamide in food as potential atherosclerosis progression factors. Based on own studies. Acta Microbiol Pol. 52 Suppl: 75-81. 2003
5)Weiland SK, von Mutius E, Husing A, Asher MI.: Intake of trans fatty acids and prevalence of childhood asthma and allergies in Europe. ISAAC Steering Committee. Lancet. 353(9169):2040-2041. 1999
6)Mozaffarian D, Pischon T, Hankinson SE, Rifai N, Joshipura K, Willett WC, Rimm EB.: Dietary intake of trans fatty acids and systemic inflammation in women. Am J Clin Nutr. 79(4):606-12. 2004
7)Lopez-Garcia E, Schulze MB, Meigs JB, Manson JE, Rifai N, Stampfer MJ, Willett WC, Hu FB.:Consumption of trans fatty acids is related to plasma biomarkers of inflammation and endothelial dysfunction. J Nutr. 135(3):562-566. 2005
8)Mojska H.: Influence of trans fatty acids on infant and fetus development. Acta Microbiol Pol. 52 Suppl:67-74. 2003
9)Morris MC, Evans DA, Bienias JL, Tangney CC, Wilson RS.: Dietary fat intake and 6-year cognitive change in an older biracial community population. Neurology. 62(9):1573-1579. 2004

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植物性油脂中のトランス脂肪酸/植物性油脂の摂取法-1

2007-10-03 08:08:03 | Weblog
「亜麻仁油」を通じて知ることができましたお医者さん(宮城県多賀城市にあります「かくたこども&アレルギークリニック 小児科・アレルギー科」の角田和彦先生)のホームページ(「アレルギーっ子の生活HP」)の中の「亜麻仁油」に関連した情報、即ち「植物性油脂中のトランス脂肪酸・植物性油脂の摂取法」を皆様にお伝えすることを快く了承していただきましたので、ご紹介してまいります。

角田先生ご自身の診療経験に基づき、マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸の恐ろしさアレルギー疾患の起こしやすさは、ω(オメガ)-6系不飽和脂肪酸(リノール酸)の過剰摂取とω(オメガ)-3系不飽和脂肪酸(α-リノレン酸)の摂取不足が関係していること、そしてよりよい摂取方法などを分かりやすく説明されています。

私どもの取り扱っています書籍「医者も知らない亜麻仁油パワー」に書かれています内容とも基本的に合致していますし、なによりも日本の医療現場でのご経験に基づく内容はより親密さを感じるものとなっています。

なお、お子さんのアトピーでお悩みの親御さん方にはホームページは角田先生のホームページ「アレルギーっ子の生活HP」のアドレスを記しておきますので、ご覧いただきまして参考になさってください。
アドレスは、 http://homepage2.nifty.com/smark/  です。

1「序章」

調理に使用する油脂は、大きく分けて動物性脂肪の飽和脂肪酸(獣肉油脂、牛乳、卵に含まれる)・一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸(野菜、芋類、海草、魚に含まれる)に分けられます。

多価不飽和脂肪酸には必須脂肪酸のω(オメガ)-6系不飽和脂肪酸(リノール酸)とω(オメガ)-3系不飽和脂肪酸(α-リノレン酸)が含まれますが、アレルギー疾患の起こしやすさは、ω(オメガ)-6系不飽和脂肪酸(リノール酸)の過剰摂取とω(オメガ)-3系不飽和脂肪酸(α-リノレン酸)の摂取不足が関係しています。

当アレルギー外来(注:かくたこども&アレルギークリニック 小児科・アレルギー科)におけるアレルギー症例の経験から、植物性油脂含有加工品、特に、マーガリンやショートニングを含む食品を食べるとアレルギーがひどくなる傾向があり、たとえ牛乳成分が入っていない牛乳アレルギー用と称するマーガリンでも使用は避け、マーガリンやショートニングが含まれる加工食品はなるべく避けるように指導してきました。
お菓子を作るときもマーガリンやショートニングは使用せず、自然の状態の液状の植物性油脂を使用することを薦めてきました。

マーガリンは植物性油脂に人工的に水素を添加して液状の油脂を固化させた硬化油脂です。
マーガリン以外でも人工的に植物性油脂を加工した製品は使わないことを薦めてきました。
これらの油脂中には、油脂加工で生じた自然には存在しない油脂であるトランス脂肪酸が生成されています。

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水道水の塩素の害について(原作:板垣 熙)-10

2007-10-02 15:05:34 | Weblog
10「自己防衛の必要性」

人類が創造した有機塩素化合物を始めとする各種化学的化合物は、本来、自然界に存在し得ない物質であって、地球上のすべての動植物にとって、長い進化の過程で初めて体験する全くの異物であり、生命体を構築する構成物質とは無縁のものです。
人類を始め現存する生物は、その進化の速度を遥かに上回る勢いで押し寄せてくるこれらの異物に対し、まだ肉体的に対抗し得る有効な生理的防御機能を持ち合わせていません。

トリカブト、フグ、ハブなど自然界の動植物のもつ毒は、その場で即座に敵を倒す強力な武器として存在しますが、それには一定のルールがあって、水溶性であるため、油の膜(脂肪酸)でできている人間の細胞を通過することはできません。
従って、脳やその他、中枢部にダメージを受けることはありませんし、その場の処置が適切に行われれば、後後病気になったり後遺症に悩まされることもありません。そのうち、毒は自然に分解されてなくなってしまいます。

これに対し、人間が作り出した化学的化合物は、脂溶性で容易に細胞膜を通過してしまいます。この人工の毒物は、もちろん自然界のルールに従った性質はありませんから、一度体内に侵入すると分解排出されにくく、残留蓄積されていきます。
これらは、胎盤を経由して胎児に集まりやすい性質をもち、厄介極まりない連中なのです。

水銀に塩素が結びついて有機水銀となって、人体の中枢を侵したのが水俣病です。イタイイタイ病も同じですが、それが表にでるまで地域の奇病としてかたずけられた時間の方が長く、表面化してからも、その他の公害同様この種の事件は、因果関係の証明が困難な上、仮に証明されても莫大な時間と費用を要し、ほとんど責任を問われる者のないままに終わり、肉体的被害を被った者が、結局「被った者損」という陰湿さが常に付きまといます。

歴史は、私たちにいろいろなことを教えてくれています。
ある書物に、こう書かれています。「今、よいとか、安全であるといっている根拠は、まだ被害が発見できずにいる、という言葉の言い換えにすぎない。」と。全く同感です。
それどころか、これまで被害が出ていても、因果関係が証明されないという理由だけで、使用され続けた有害物質がどれほどあったことか。

これから、お母さんになられる方や、現に家族の健康を預かって頑張っておられる主婦の皆さん、そして、世の男性諸氏、人間の頭脳が判断した「安全」は、その人の立場や利害関係で「無害」にもなれば「有害」にもなり、全くアテになりません。

人工の毒物から、自分自身や家族の健康を守るには、自己防衛を真剣に考えなければならないときがやってきているのです。

私は、この10年間、これらの毒物から身を守るために、最も有効な手段は何かを考え続けてきました。
時代は、毒物を造り続ける反面、また、これらから身を守るための商品も産みだしています。そこには、当然、本物とまがい物が存在します。

例えば、浄水器ひとつをとってみても、消費者のニーズに合わせて物を作るとすれば、水道の蛇口をひねったときと同じ水量が確保され、しかも、できるだけコンパクトでなければなりません。しかし、有機塩素化合物のような物を完全に除去しようとすれば、ソレナリノスペースと時間が必要で、消費者のニーズに合わなくなります。
少なくとも、水に関する限り、手軽さや便利さに惑わされないでほしいと、声を大にして申し上げたいのです。

電子水、波動水、πウオーター、アルカリイオン水等等、水がきれいだった時代には聞いたこともなかった人工の水の名を聞くと、眉をひそめたくなります。
水がビジネスとして十分成り立つとなるや、続続と登場し始めたこれらの水は、自然界には存在しません。生命の源である水でさえ、人工的に作り替え、商売の道具としてしまう人間とは、いったい何なのでしょう。

要は、人間が汚した部分を水の中から取り除いてやれば、それで済むことなのです。私は、「できるだけ、自然のままであるべきだ」という考えをベースにして、すいに取り組んでまいりました。すいに不安をおもちの皆様、私どもでは、みなさんの疑問や質問に対し、十分満足のいく回答ができる知識と経験をもっております。

人間が造りだした毒物から身を守るための対策、商品の選び方など、何なりとご相談ください。「水、大気、土壌、食」これら生物生存の絶対的条件のすべてを汚してしまった人間として、お互いに話し合おうではありませんか。

次世代が、安心して生活できる環境を創るために・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 平成10年11月27日

 板垣 ひろし

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水道水の塩素の害について(原作:板垣 熙)-9

2007-10-01 07:51:32 | Weblog
9「水道水の残留塩素濃度基準」

では、私たちは日ごろどれくらいの濃度の塩素を口にしているのでしょうか。日本の水道法は、残留塩素法といって「家庭の蛇口をひねったとき、最低でも0.1PPM(水1リットル中0.1ミリグラム)以上の塩素が残留していなくてはならない。」というものです。(プールは0.4PPM以上)。

私が実際に測定して歩いた範囲では、京阪神に奈良を加えた地域の都市部で、0.1PPMというところはごくまれで、ほとんど0.3~0.5PPMくらいで、高いところでは、1.0PPMというところもありました。

米軍の野戦基準が残留塩素濃度を0.4PPMとしていることを考えると、私たちがいかに高濃度の塩素を口にさせられているかお分かりいただけると思います。
因みに、0.4PPMという濃度は、蛇口から出る水をコップに汲んで、空中から落ちてくる菌が入っても、殺菌されるというものすごいレベルなのです。

戦前までアメリカと違って、日本でもヨーロッパでも、水道水には塩素は必要最小限しか入れなかったし、法律が蛇口のところまでも塩素を要求するところはありませんでした。
西ドイツも日本も敗戦によって米軍に占領され、塩素消毒を強制されることになりました。共に占領軍の指令で、排水池での塩素投入量は0.4PPMと定められましたが、ドイツは占領終了後、原則として塩素消毒を廃止してしまいました。

第1次世界大戦の野戦において塩素ガスを放出し、連合国側におびただしい犠牲者を出し、第2次世界大戦でも、また塩素ガスを使って人間の大量殺戮をやったドイツは、塩素の恐ろしさを自らが一番よく分かっていたからでしょう。

後に、日本でも衛生状態の改善により、終戦直後の規定0.04PPMを見直し、0.1PPMに減らしたのですが、その後の急激な経済発展に伴う環境の悪化で、水源を地下水に求めるドイツと違って、河川や湖などの地表水を利用する日本では、そんな程度の塩素投入量では間に合わなくなって、終戦直後の規定より遥かに後退した現在の水道法ができたのです。

日本と同様、明治中期ころまでコレラに悩まされ続けたヨーロッパでさえ、現在、諸都市の水道事情をみる限り、残留塩素濃度について規定があっても、配水池、または水道管内についてであって、蛇口のところまで要求している都市はほとんどありません。
例外的に蛇口の塩素濃度について定めているスイスでも、0.1PPM以下という上限規定であって、ゼロでもかまわないことになっています。

有害なものは必要以上には使わないのが当たり前なのに、日本の残留塩素法にみる「これ以上なくてはならない。」というのは、人の健康など無視したものであって、経済最優先の考え方が、急激に変化する環境悪化に対応できる法律を作ってしまったとしか、いいようがありません。

《注》塩素は、反応性が高いため、配水池で投入された後、送水の途中で送水管の中でいろいろの物に反応するため、だんだんと減少していきます。従って、蛇口での検出濃度(残留塩素濃度)と配水池での投入量では、大変な差があります。当然のことですが、浄水場に近いところほど高濃度になります。

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