1)汚染が少ない原料から圧搾絞りで造った植物性油脂を使う
グレープシード油、圧搾絞りカノーラ油(アレルギー用ナタネ油)、有機栽培エクストラバージンオイルなど
2)高温で加熱調理するときに使える油
①ω-3系が少なくω-6系の不飽和脂肪酸が多い油:グレープシード油、オリーブ油、ゴマ油
②一価飽和脂肪酸や飽和脂肪酸が多いため熱に強い油:ヤシ油[パーム油]、ココナッツ油
③飽和脂肪酸:ラード油(豚油:汚染がない餌で飼育された豚の脂)
3)ω-3系の不飽和脂肪酸(α-リノレン酸)の摂取
α-リノレン酸は日本人が昔から多く摂取している白菜・キャベツ・大根などナタネ科、エゴマ、シソナドシソ科、かぼちゃ、ネギ、ピーマン、トマト、ほうれん草、春菊などの野菜、芋類、大豆、マメ科植物、果実に多いので、野菜(生野菜、ゆで野菜)、野菜たっぷりの汁物、芋類、豆類、豆製品・大豆発酵物、果実などを適量摂取することで、充分な量のω-3系の不飽和脂肪酸(α-リノレン酸)を摂ることが必要。
もし、上記の野菜などの食品が十分食べられず、油脂で補う場合は、汚染が少なく、トランス脂肪酸が生成しないように低温で搾り、酸化しないように酸素を遮断した方法で造られた亜麻仁油(フラックス油)を使う。
カナダのフローラ社やオメガニュートリション社がこの方法で亜麻仁油を造っている。
ω-3系の油脂は加熱により変性してトランス脂肪酸ができやすいので高温では使えない。
サラダなど40℃以下の温度の料理に少量を使う。
成人で大さじ1~2杯/日、子ども小さじ2杯/日、乳児小さじ1杯/日程度。
4)母乳の摂取
母乳中には、ω-3系、ω-6系の不飽和脂肪酸がバランスよく含まれているのに対して人工ミルクは、乳脂肪を取り除き、精製された植物性油脂に置き換えているため、トランス脂肪酸を含んでいる可能性がある。
しかしまた、母親がトランス脂肪酸を摂取している場合には、母乳中に分泌される(文献8)。
最良の方法は、母親がトランス脂肪酸を含む油脂食品を食べないようにして、バランスよく油脂を食べて母乳を与えることである。