バリ記 

英語関係の執筆の合間に「バリ滞在記」を掲載。今は「英語指導のコツ」が終了し、合間に「バリ島滞在記」を連載。

バリ記2

2019-12-13 10:47:17 | バリ記
1999年10月31日
まだ賄賂の話

 
 さて、これまでの観光客世界のバリと、ビジネス世界のバリは様相がまったく違うということを今回の旅行で思い知りました。日本の新聞などですぐに投書したがる善良な市民や筑紫哲也のようのきれい事ばかりを言っている人は、バリ島には住めないのかもしれません。
空港のイミグレーションでパスポートを見せますね。あのパスポートに例えば広告用パンフレットをはさんでもらったら、すべての観光客にパンフがいきわたりますよね。これ、O.Kなのです。もちろん‘賄賂’です。
僕のビザは、一回きりの長期(一年)滞在で労働もできるビザです。日本の領事館では、初めての人はまずこのビザになります。このビザを持つと、バリに到着してから一週間以内に入国管理事務所に行き、イエローカード(外国人居住証明書)を発行してもらわなければなりません。このカードを持つと、バリから日本が一年以内に何度でも往復できるのです。ただし、バリから出国する際、約3万円の税金を支払わなければなりません。それで僕はイエローカードは要らないから、マルチビザに切り替えたい、と言ったのです。マルチビザはジャカルタで申し込むのですが、申し込みをしてくれる代理人というのがいるのです。マルチビザをとるのに4万~5万かかると言います。
そしたら、入国管理事務所の担当員は、「ドゥント ウォーリ、ユー コンタクトミー、ビフォーゴーイング バック ジャパン、アイテイクユー トゥ ジ エアーポート」と言うのです。あれあれまたかよ、薄気味悪いなと思いながら渋い顔をしていると、親切そうに笑い、上司も仲間もみんないるところで「イフ アイテイク ユー、タックス 100万ルピア O.K?」 参ったぜ、という感じです。安い給料を補う一部だと考えざるを得ません。
税金申告はどの会社も、税務署員に申告書を書いてもらう。まあ、これでは消費税や印紙税くらいしか入ってこない政府は、バリ島の道を拡幅したり、新しい道を作ったり、地下鉄を走らせたりすることはとても無理かもしれません。

果物の季節

 今は、バリ島は雨季。夕方とか夜、突然に雨が降り始めます。湿気が多く、洗濯物も夜から朝の間まで乾きません。この季節は、ランプータンというとげとげのある赤い果物や果物の王様といわれるドリアンの収穫時期です。果物の女王とよばれるマンゴスチンは本来三月ですが、スーパーでは出でいます。
 ヌサドゥアやサヌール、ジンバラン、ウブドでは時間がゆっくり過ぎ、プールサイドで日がな本を読んでは時に泳いだり、レゴンダンスやケチャを見たりという静かで穏やかな日々が過ぎているでしょう。
 レギャン通りからスミニャック通りは、良い店がたくさん並んでいます。もしも一人で歩くのなら、ブルータクシーの人にガードしてもらうのが安心です。昨日、僕は、ひったくりの泥棒事件を二件スミニャックで見ました。万が一ひったくられたら、大声を出すのが良いようです。店の人たちが一斉に出で来て泥棒を追いかけていました。二人で歩き、そこにいつも見張ってくれる人がいればパーフェクトです。
知らない人と握手をするのは禁物です。どうしてだかわかりません。みんなそれを信じています。魔術をかけられる、というのです。

バリの大工さん
 
 六人の大工さんや左官屋さんが、店の改装をやっています。バリ独特の火山岩のような白い石を割る人、それを貼る人、まあ、そのスピードは日本人の半分以下です。遅いのです。玄関にドアがまだつかないので、2人の人が土間で寝泊りしています。毛布などはなにもなく痛いだろうなと思うけどそれが当たり前のようだから「毛布を買おうか」などと言えません。
大工のボスは、ただただ何もしません。監督するだけです。徴密に仕上げるという感覚もないようで、その点はいちいち細かく指示しなければなりません。毎日十四~十五時間くらい働いています。
彼らは、貧乏そうですが、人がたいへん良さそうな人たちです。僕は、夜中に差し入れをしたり、チップをやって「これで一服でもしてくれ」など言っているのですっかり気に入られています。仕事のスピードアップのためなのですが、彼らには、ただ日本人は気前がいいという風にしか思ってないみたいです。



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