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永江朗のオハヨー!日本語 ~広辞苑の中の花鳥風月

短期集中web連載! 手だれの文章家・永江朗が広辞苑を読んで見つけた自然を表す言葉の数々をエッセイに綴ります。

ながきひ【永き日】

2013年03月18日 | な行
ながくて暮れるのがおそい日。多く春の一日をいう。永日。

「永き」なんていうから、たとえば死んであの世に旅立った日のことかなと思ったのだが、ぜんぜん違っていた。ほとんど字のまんまの意味である。

 正確にいうと昼がもっとも長いのは夏至。だから季節としては春ではなくて夏なのだろうけど(夏至はたいてい6月21日ごろだ。東京だと初夏だけど、北海道ではようやく春)、感覚としては春のほうが日が長く感じる。

 日は長いのに、春の朝は眠い。春眠暁を覚えず。朝眠いことと、日が長くなることと、何か関係があるのだろうか。たとえばメラトニンの分泌量が変わるとか。

 わが家は内外の照明のオンとオフをタイマーにまかせている。タイマーはバカなので、日が長くなったり短くなったりしても、変わらず同じ時刻にオン/オフする。そこでときどき設定時刻を変えてやらなければいけない。冬至をすぎると、だんだんと設定時刻を遅くする。タイマーをいじるこのとき、「おお、日が長くなったものよ」と実感する。現代人は日の長さもいちど数値に置き換えてからでないと感じ取れない。それがちょっと悲しい。