平成27年3月15日 北國新聞の「時鐘」より
「夢のために汗を流した、みなさまのおかげで・・・・」
走り出した北陸新幹線の一番列車「かがやき」に車内アナウンスが流れた。
一瞬、言葉が途切れた後に「最高のおもてなしをお約束します」と続いた。
車掌さんも感極まったのではなかったか。
乗客にも感動が伝わったはずだ。
プラチナチケットと呼ばれる乗車券を手に入れた甲斐があったというものだ。
帰りはグランクラスに乗った。
グリーン車でさえ乗車した経験がないのに「最初で最後」と思い切ったのである。
新高岡を過ぎたころアテンダントが「ありがとうございました」と一礼した。
18人の乗客から拍手がおきた。
これも珍しいことではないか。
鉄道の旅はあたたかい。
新幹線といえども土地の香りがする。
日本海の潮の香。
北アルプスの氷雪の冷たさが、そのまま車中に漂ってくる。
駅に着いてドアが開く。
乗客の言葉が変わる。
人間の肉声が聞こえる。
土地の匂いも言葉も、お客さんの一人なのである。
東京に近づくと「東京の匂い」がする。
青春期の思い出の香りである。
「行き交う年もまた旅人なり」の心境にさせる。
北陸新幹線の開業でたくさんのNEWSが。
私自身もいつのまにか感化気味?
そんな折、読んだ文章に尚更、筆者の強い思いを感じたのかも。