バンコクから愛を込めないで (ボクシング奈落編)

ボクシングから離れていたあたしは復活するのか(゜Д゜)!?

(タイのボクシング) 久々に「思い出し笑い」してしまう大会見ました♪サムイ島興行の巻(2)

2011年05月23日 17時51分11秒 | タイのボクシング
(写真は自身初めてのベルトを獲得したペッバーンボーン)


大変遅くなりましたがゴーキェットのサムイ島興行の報告でっす。フェースブックにマジにいっぱい写真があるので楽しんでくらはい。内容的にも最後の最後まで濃いいい興行でした♪個人的にはMVPは「チーム・ペッバーンボーン」ですね。


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  (愚連隊の一言)サムイ♪サムイ♪あっそ~れサムイ♪ ぐへへへへへ(意味不明)


興行内容の続きです。


▼第3試合:ABCOコンチネンタル・スーパーフライ級王者決定戦
ワンディー・シンワンチャー(タイ) VS ペッバーンボーン・ソー・タナピンヨー(タイ)

個人的にはメインより面白かったこの試合。事前には「技のワンディーVS力のペッバーンボーン」というイメージだったんですが、思い切り覆されました。それが面白かった。

前半主導権を握ったのはなんとペッバーンボーン!ハンドスピードでは完全にワンディーの方が早いんだが、ワンディーのステップインする際に頭から先に突っ込んでくる癖(下の写真)



<ワンディーの突っ込みは頭から…>



<それを左フックで迎撃!>


を見切って左フックを合わせ、左ジャブをカウンターで入れる。これは試合後のパーティーでトレーナーが


  「あの左フック良かったでしょ!」


と強調してたように念入りに計画してましたね。




<2ラウンド>


ところが3ラウンドに入ると老獪なワンディーが頭をつけての至近距離での戦いに誘導します。ここでフックとアッパーを駆使して攻めるワンディーにペッバーンボーンが手も足も出ない感じになったんですが… ビックリしたのは次の4ラウンドに同じ状態からペッバーンボーンが反撃、左右のフックと左アッパーの手数でワンディーを上回る攻撃を見せます。この対応力が非常に意外でペッバーンボーンを見直しました。試合中の作戦変更への対応力は重要ですからね。

  4ラウンドの中間採点はジャッジ3者が38-38

ところが5ラウンドに入っても頭をくっつけながら戦う結果として偶然のバッティングが発生。ペッバーンボーンが左まぶたをカット。ワンディーも右目の下から血が出ます。
ドクターチェック後のワンディーのフック、アッパーのコンボの攻撃にペッバーンボーンがロープに詰って危うくなるもののかろうじて逃げ切ります。




<5ラウンド(カット前)>




<5ラウンド(カット後)>


以降のラウンドは前半ペッバーンボーンが足を使って距離を取り、後半に接近戦で打ち合いになるようなパターン。しかし6ラウンドは後半ワンディーが5ラウンドのように捕まえて攻勢、7ラウンドは逆にペッバーンボーンがワンツーのツー=ストレートに合わせてうまくカウンターを入れて連打を許さず。最後となった8ラウンドは頭をつけての打ち合いのさなかにペッバーンボーンの流血がひどくなりドクターチェックが入り、続行不可の判断がでて負傷判定になりました。


  判定は75-76、76-75、74-77


でペッバーンボーンの勝利。(あたしの採点で75-76でペッバーンボーン)



<勝者コールでジャンプして喜ぶペッバーンボーン>


試合後ワンディーのマネージャーであるナリス・シンワンチャー氏が「判定がおかしい!ワンディーの勝ちだ!」と息巻いたようですが、微妙な部分が多く、どちらに転んでもおかしくない内容だったと思います。

しかし、あたし的には採点結果よりも若いペッバーンボーンと「攻めばかりで守りが…」と揶揄されるタナピンヨージムの面々がきっちりワンディーへの対策を立て、パンチの速さで劣るペッバーンボーンがワンディーへのクリーンヒットを重ねたのがすっごい印象に残りました。それと接近戦に対するペッバーンボーンの対応力。


  これは後から思い出してニヤニヤしちゃうくらいの感動でした。


もちろん「強いもの」が勝つのは当たり前なんですが、実力が劣るものでも工夫をして勝利をもぎ取れる、といのが真剣勝負の醍醐味のひとつだと思っているのでそれを体現してくれた今回のペッバーンボーンに感動しまくりました。いやあ、これは記憶に残る勝利ですわ。

もっとも試合後のパーティーの席でペッバーンボーンとそのトレーナーとは「このタイトルはまだ世界王座への長い道のりに向かう扉を開けただけだから、これからまだ練習して一歩一歩上に上がるように頑張らなきゃだまだよ」と話をしました。トレーナーも本人もよく理解してくれてます。
地域タイトル(ましてやコンチネンタルだしぃ)の価値というのはこんなものなんだけれど、勝者コールの時のペッバーンボーンの喜びようを見ればボクサーの向上心を煽るものとして有効に働いていると思います。(まあタイの場合は日本のような新人王戦みたいなタイトルはないですからねぇ。)


▼第4試合:ノンタイトル、6回戦、契約重量118ポンド
ラチャサック・ゴーキェットジム(タイ) VS ウィレム・マラヒナー(インドネシア)





前々から疑問なのが、インドネシア人選手とか試合開始早々から外を回っちゃうんですよねえ…

 「およそ格闘技ってやつのだいたいは格下が格上の周りを回るものなんだ」(ふろむ「グラップラー刃牙 外伝」)

という真理はタイトルマッチで挑戦者が王者に対して、ってのならまだ分かるんですが、今回のようにまだ若い相手に年長で経験のあるインドネシア人選手がはなから外を回っちゃうのは「気弱」としかいいようがありませんわ…
結果若いが「パンチが強い」(ゴーキェットの中の人)というラチャサックが3Rにボディー攻撃のラッシュでダウンを奪いレフェリーがストップ、TKO勝ちを収めました。


▼第5試合:ノンタイトル、6回戦、契約重量135ポンド
トーイ・ゲオサムリッ(タイ) VS センサック・ソー・サクサンヤー(タイ)





これまた新星候補のトーイが登場。この選手は結構いいですねえ。相手のセンサックは闘争心はあれどパンチが大振りすぎて10発に1発もパンチが当たりません。この辺トーイの目とボディワークも中々良かったです。結局1R後半ブンブン振り回して疲れたセンサックに強いパンチを当てて2度ダウンを奪ったトーイがTKO勝利。


▼第6試合:女子ボクシング、ノンタイトル、6回戦、契約重量105ポンド
アマラー・ゴーキェットジム(タイ) VS チョンプー・ナクショッククンナタム(タイ)





OPBF王者のアマラーが久しぶりにリングに登場。相手はこの試合がデビュー戦のチョンプー。これはチョンプーには荷が重過ぎました。終始前に出て積極的にワンツーからボディーブローで攻めるアマラー。このボディー連打で1Rにチョンプーからダウンを奪ったもののこれはかろじて立ったところをゴングに救われます。しかし2Rも容赦なくボディーを攻めるアマラーがロープに追い込んでダウンを奪ったところでレフェリーが即座にストップしました。

この試合は翌朝の朝食のときにジャッジやリングドクターの中の人と話しましたが「レベルの違いすぎるマッチメイクはやっぱりまずいよね。」という話になり、日本のA,B,C級の3階級のシステムについて説明したところ結構興味をもって聞いてもらえました。


以降2試合はムエタイです。

▼第7試合:、ムエタイ、5回戦、契約重量130ポンド
サンシャイン・ソラリー(ドイツ) VS ナロンチャイ・ソフト99(タイ)





先のウボンラチャタニー興行には同行したけれど試合の出番がなかったサンシャイン君(本名がサンシャインです。すっごい名前ですな)が登場。しかし相手は背が高く、リーチもあり、100戦練磨(重要)のナロンチャイ(汗)

  「弱い相手と聞いていたのにキャリア100戦の相手って…(汗)」(BYサンシャイン君)

実際、実力差が大きすぎましたね。サンシャイン君自身どう見ても体が硬くてキックが高く上がらない、リーチが短いのでパンチでも打ち負ける… うーん…
後半にはナロンチャイが飛び膝蹴りや木村健吾直伝(嘘)稲妻レッグラリアートまで繰り出す始末…

あまりの力の差に3R途中でレフェリーが試合を止めました。


▼第8試合:、ムエタイ、5回戦、契約重量145ポンド
ガブリエル・エンジェルジム(ブラジル) VS クワンチャイ・トー・パランタクシン(タイ)





体格で勝り、それなりテクニックのあるガブリエルが最後の試合で観客をめっちゃ沸かせてくれました。テクニックではクワンチャイが上ですがいかんせんリーチ、足の長さとガブリエルが圧倒的に上でなんとかカバーします。しかし体格だけじゃなくて…

  試合中にマジに2段蹴りかましてくれた!?Σ( ̄□ ̄;)

2段蹴り、ジャンプしてそこから蹴りを繰り出すわけですが、以前F16ってムエタイボクサーが真空とび膝蹴りを見せてくれましたが、ガブリエルのはジャンプしておいて足先で相手を蹴り上げるもの。

っと3Rに…


  2段蹴りでダウン奪ったぁぁぁああ!?Σ( ̄□ ̄;)


めっちゃ大迫力!?



<これがガブリエルの2段蹴りだ!!!>


しかしさすがに試合巧者のクワンチャイ。この後は2段蹴りは警戒して当てさせません。逆に体格は小さいのに組み付いて投げを何度も打ちます。この辺はさすがの崩しのテクニック。ガブリエルは上背があるんだから相手のわきの下に自分の腕を差し込むだけでも相手の動きを止められるんですが、クワンチャイがうまく下から組み付いて持ち上げますね。





5Rにはクワンチャイのローキックがかなり効いてガブリエルダウンなどもあり、試合は最終的にクワンチャイが判定勝ちしましたが、観客の大声援はガブリエルにも向かいました。


普通は最後の試合の方は観客も少なくなって熱気が冷めるんですが、今回は最初から最後の試合まで盛り上がりが続きました。非常に楽しい興行でした。


もう一回余談が続きます♪



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