半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第111話

2020-08-05 07:41:03 | webブログ

おはようございます、バレエ教師の半澤です!
8月!夏スケジュールですよ!!
朝は10時から、昼はは12時からです。夜も7時から
レッスンをやっております。
土曜日は朝10時と昼12時のみです。夜はありません。
日曜日もやってますので、どうぞ宜しく
お願い致します。

ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)

私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/
1表紙.jpg
ルイースと写真.jpg






創業36年、本場博多のもつ鍋・水炊き専門店【博多若杉】


連絡をお待ちしてますね!

2020年12月23日(水)寝屋川市民会館にて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。


Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
ヨーダのようだ…
第111話
偉い剣幕のおばちゃんにたじろぎながら、「あ、あ…
そうだよね…でもさ、やっぱりもうちょっと安くして
欲しんだけど…」おばちゃんは他所の方を見ながら
動きもせずに、「あー、こりゃイディオート(バカ)だわ…。
あんた、それも忘れているんかいな…。あたしゃーね!
安くなんかしないって言ったんだよっ~!」

ショージはその度迫力と言うか、見えない気の力と
言うのか、その声だけで後ろに弾き飛ばされた。
「うわ~っ!あ、思い出したよ…た、確かにそう言ってた、
その通りだよね…げ~っ!このおばちゃん、妖怪か!?」

おばちゃんは何かモグモグ…とビニール袋に手を突っ込み
ながら、それを口に運んで食べている。おばちゃんを見て
いると、スターウォーズに出て来たヨーダというキャラクター
にも似ているし、日本の元首相の宮澤喜一にも似ている。
マラソン選手の増田さんのロシアンバージョンのお婆ちゃん…
と言っても過言ではない。

ただ、目だけは妖怪だけが持ち得る恐ろしいまでの隙の
無さと言い、近寄るものは徹底的に妖術で懲らしめる
天下無敵の度迫力だ!ショージはテーブルの上の輝く
までの美しさのゴールデンフォックスを見て、「もう一度
被ってもいいかな?」と上目使いで見ると、こちらには
目もくれずにしきりにビニールの中の物を食べながら、
こくんと頷いた。

ショージは目を凝らしてビニール袋の中を見つめると、
「おっ!向日葵(ひまわり)の種じゃん!」急におばちゃんの
顔がオウムにも見えて来た。フォックスをかぶると、
「ああ…なんて温かいんだ…」そして頭に手をやると
可笑しいまでにボワーンと大きく、まるで巨大なマッシュ
ルームのように手に感じることが出来た。「ここに鏡が
あればな…」と思ったが、いずれにしてもショージの頭に
ピッタリサイズであった。「欲しい…どうしても欲しい!
ヤ ハチュ~!」

ネゴシエーション(交渉)

他にも色々なシャプカがあり、明らかに狸や、ちょっと
見当も付かない野獣の毛のシャプカがたくさんあるのだが、
ショージはこれだけが一番綺麗で気に入ってしまったのだ。
おばちゃんはそんな事には全く興味も無いのか、それとも
向日葵の種がそれほど美味しいのか、こっちには目も
くれなかった。

と思った瞬間「おいっ!買うなら金よこせっ!買わないなら
邪魔だからあっちに行けっ!」と恐ろしいほど険悪な表情で
口から向日葵の種の殻をペッと吐き出した。普通のお店の
店員がこんなに酷い客とのやりとりをしたら、「ふざけんな~っ!」
と客が切れて「おいっ!店の主人を出せっ!」と喧嘩沙汰にも
なりそうなはずだが、今は立場が完全に逆で、下手したら
このおばちゃんに張り倒されるかもしれない。

「わ、わかってるよ…ルーブルはこれしか持って無いんだ…」
そう言いながら、おばちゃんにショージの売上げ全部の
お金を出して見せた。するとおばちゃんは、それには
非常に興味を示し、「どりゃどりゃ…?」そして直ぐに
「あんた、こんなはした金でシャプカが欲しいってか?
ふざけんじゃないよっ!全然足りないんだよ~っ!」

ショージは両目を瞑りながら、「ひえ~っ!わ、分かって
いるよ…だ、だからさ、これでどうかな、あのドルで、そう、
ドルで残りを払うってのは?」おばちゃんは、プイっと
向こうを見ながら、「あたしゃ、そんな面倒な物はいらん!
全額ルーブルで頂こうじゃないかっ!自分で勝手に何処かで
両替して来いっ!そんなドルだ~?いらんわいっ…」

もう、こうなるとこの妖怪…じゃない、おばちゃんは箸にも
棒にも掛からなかった。全く話しにならないのである。
「この人、本当にロシア人か?普通、ロシア人ならドルと
言った瞬間に目を輝かせるものなのに。ああ…こうなったら
是が非でも早く両替に行かなきゃ!

」おばちゃんに「じゃ、両替に行ってくるわ!」と言うと
、おばちゃんは興味無さげに、「ヘッ…プッ!」と口から
向日葵の種の殻をショージの方に吐き出した。「あな恐ろしや…!」
(つづく)


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第110話

2020-08-05 07:41:03 | webブログ

おはようございます、バレエ教師の半澤です!
8月!夏スケジュールですよ!!
朝は10時から、昼はは12時からです。夜も7時から
レッスンをやっております。
土曜日は朝10時と昼12時のみです。夜はありません。
日曜日もやってますので、どうぞ宜しく
お願い致します。

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(オフィシャル ウエブサイト)

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rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
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ルイースと写真.jpg






創業36年、本場博多のもつ鍋・水炊き専門店【博多若杉】


連絡をお待ちしてますね!

2020年12月23日(水)寝屋川市民会館にて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。


Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第110話
「マイチキ、エト、スコーリカ パーパストイ?!」(おい、
小僧、これ幾らだ?)おっさんが掴んだのはカシオの腕時計だ。
やはり目敏い。こういう物には超敏感に反応した。

すると通りがかりの人が次々に寄って来て、ショージがまだ
並べ終えていないグッズを手にとっては「幾ら?」の連発だ。
腕時計の値段はショージが言った前回の値段と同様のルーブル
の値段だった。おっさんは3個共に即買いだった。「ほ…
すんげ~!一気に3個売れた…!」そしてポケットティッシュも
5セット完売…まだ店開きも済んでいないのに、商売成立
だった。

強き事 岩の如し

群衆の心理というのは面白いもので、周りの人々は
ショージのバッグを見ながら、次に何が出て来るのか
目敏く見ているのだが、あっという間に歯磨き粉と
歯ブラシは同じ人が2つとも買ってくれた。若い奥さん
のような女性がストッキングを見て、「これ幾ら?
」すると横のおばちゃんが、3つ掴んで、「これ頂戴!」
もう値段なんか関係無いみたいだ。

それもそのはず、ストッキングはこのロシアでは非常に
貴重な物だったのだ。ショージはバッグから、ショージの
食べるはずだった揚げ煎餅と柿の種の辛いオカキを出した。
するとおっちゃんが「シュト エタ?」(なんだいそりゃ?)
と不思議そうに尋ねた。「アー、エト、ヤポンスキー 
クレーチェル!」と答えると、「ワッハハ!よし、買う!」と
これまた完売。そう言う事であっという間に全てが売れて
しまった。

この全ての売れた金を数えてみたが、シャプカ(ロシアの
獣の帽子)の値段には届かない。半分の値段にも到底
届かなかった、「後は交渉するか…」おそらくあの怖い、
おばちゃんには交渉の余地は無いとは思ったが、ショージの
切り札は何と言ってもドルだ。これだけは必殺のアイテム
であるから、「よし、おばちゃんに直談判しよう!」

 ショージは店を畳んでおばちゃんの所に行くと、
おばちゃんはショージの顔を見ても「ん?」とも反応
しないし、微動だにしないで「きっつい目で僕を睨んで
いるのはどういう訳だろ?これじゃ岩だよ…おばちゃんは
ストロング アズ ロックと辞書で引けそうだぞ!」

おばちゃんの前の小さなテーブルには「お、あるある!」
ゴールデン・フォックスの輝くばかりの毛がフサフサの
帽子が堂々と置いてあった。「おばちゃんは多分、何の
反応も見せないところからすればきっと僕の事なんかは
忘れてしまっただろうな…んじゃ、もう一度値段を聞いて
みるか?少しは安く言い違えるかもしれないし、もし
前回よりも高く言ってきたら、この前はもっと安かった
じゃない!」と振り直せるか。

 「あー、こんにちは…おばちゃん、これ幾らかな?」
おばちゃんはヒキガエルのような顔つきで「あんた相当な
バカ?この前、値段を聞いたんだろが!そんなに早く忘れる
のかい!」「…?」ショージはおばちゃんを見ながら口から
言葉が出なかった。「このおばちゃんは岩は岩でも、ただの
岩じゃなかったか!」
(つづく)