about Panzerkampfwagen Models

AFVプラモ製作記です。

ドラゴン 1/35 4号戦車G型 その6

2017-06-25 16:42:34 | 4号戦車G型



ようやく完成しました。
今回は修正に次ぐ修正で、本当に完成するんだろうかと思ってましたが、なんとか仕上げました。

ウェザリングはいつものようにパステルワークです。
アクリル溶剤を筆に付けて、パステル粉を筆に取り、車体に付けていきます。
車体が暗いグレーなので、土埃は明るい色を選び、埃が溜まりそうなところに残るように溶剤の量などを調節しながら少しずつ汚していきます。
このとき、筆だけでなく太さの違う綿棒を駆使しながら付けては拭き取りを繰り返していきます。
この作業においても大事なのはイメージ、想像力ですね。
履帯が巻き上げる土埃がどのように車体を汚していくのか、どこに埃が溜まっていくのか、実際の状況を想像しながら作業を進めていきます。
このとき、あくまで1/35スケールだということを常に意識して作業を進めていきました。
単に汚しただけだと1/1の汚れになってしまいますからね。

ガッシュの基本塗装をMr.カラーのクリアー半光沢で保護していても、アクリル溶剤を付けた筆でしつこくこすると塗膜が剥がれてしまいます。
実際剥がれた箇所も多数あって、その度にリタッチを繰り返していきました。

さらに、パステルワークによってせっかく塗膜を剥がした箇所がさっぱり目立たなくなり、再度、綿棒や爪楊枝を使って塗膜を軽くこすったりする作業を繰り返し行い、かなりの時間を要してしまいました。

今まで製作してきたものに比べて、塗装とウェザリングに3〜4倍の時間と手間がかかってしまいましたね(^_^;)
にしては、出来上がったものを見るとそこまで労力を使っただけの結果がいまいち見えてこないような気がします…

現物を手に取って目を近づけてよく見れば違いははっきり分かるのですが、ちょっと目から離して見るとあまり分からないという、何とも微妙な仕上がりではあります…

ただ、基本色がジャーマングレーであるからというのもあると思いますが、ダークイエローベースの塗装だとかなり効果的なのは間違いないですね。
それに、今回塗装剥がしのやり方を実際にやってみて、重要なポイントがかなり見えてきました。
次にやるときは一気にクオリティを上げられると思います。今回は反省点だらけですが…
それにしても、ジャーマングレーは本当に難しい。

それに、パステルワークのやり方もようやく分かってきたように思います。
何事も経験ですね(^_^)

以下完成写真です。























今回はジャーマングレーの単色塗装としましたが、作っている最中にどうしても冬季迷彩のものも作りたくなってしまったので、同じキットをもう1個買ってしまいました。
アホですね。
いったいいつ作るんだろう…

ドラゴン 1/35 4号戦車G型 その5

2017-06-19 18:31:23 | 4号戦車G型
細部の塗り分けを終えて、エッジ部分の塗装を剥がしていきます。



こんな感じになっていますが、いやあ、かなり苦労しましたね。

水を使えば溶剤の匂いを気にしなくていいので、車外装備品の塗装もガッシュでやろうとしたのがまず間違いでした。
エアブラシで吹き付けるのは問題ないのですが、筆塗りはかなり難しい。
どうしても塗膜が厚くなってしまい、細かいディティールが潰れてしまいます。
それでも何とか塗り終えたのですが、どうにも納得できなくて、結局、装備品の塗装はすべて剥がしてしまいました。
剥がすのは主にエタノールを含ませた筆と綿棒を使って、車体部分を剥がさないよう気をつけながら何とかうまく剥がすことができました。

しかし、問題はそれだけではなく、ガッシュで行ったフィルタリングのバイオレットが強すぎる、ダークブラウンのフィルタリングの乾いた後がシミ
になってしまった箇所が何箇所もあって、実に汚くなってしまいました。

模型用のものも含めアクリル系の塗料は、アルカリ系の家庭用洗剤ですべて落とすことができるので、いっそのことすべて落としてしまい、下地色の
段階からやり直そうかとも思ったのですが、ここまで費やした時間と労力を考えると簡単にはできないですよね。

そこで、薄めに溶いた基本色のグレーを筆塗りしていき、修正を試みました。
これでダメなら全部落としてしまおうと考えていたところ、なんとか納得できるところまで修正できました(^_^;)

修正が終わったところで、タミヤエナメルを使って車外装備品の塗り分けを行い、塗り分けが終わったところでMr.カラーのスーパークリアー半光沢を
全体に吹き付けて塗装面を保護します。

ようやく、エッジ部分の塗装を剥がす作業に入ります。
やり方としては、綿棒にエナメル溶剤を含ませて剥がしたい箇所に軽く当てて、そのまま綿棒でこすったり、爪楊枝を使って剥がしたりしましました。
乗降ハッチやエンジンデッキのハッチなど頻繁に開け閉めされていたであろう箇所のエッジ、フェンダーや装甲板のエッジ部分を中心に剥がしていき
ます。
剥がすといっても1/35なので1mm以下の傷を付けていくような感じで、下地のチャコールグレーの装甲板の色を出していきます。
また、剥がすだけなく、剥がれてはいないがヤレて塗膜が薄くなった状態を表現するために剥がす手前の段階までこすったりした箇所も多数あります。

かなりの時間と労力を要したのですが、予想していたとはいえ、あまり目立たないですね〜。
ジャーマングレーの塗装を剥がして下地のチャコールグレーを見せるのだから、目立つわけはないんですが…
それでも、金属っぽい質感はかなり表現できているのではないかと思います(^_^)







写真がイマイチなので分かりにくいですが、エッジ部分の塗装が剥がれている感じ、塗膜が微妙にヤレている感じが分かるでしょうか?
ウェザリングというより、エイジングですね。

ここまで来たら、後はパステルワークによりウェザリングをして完成です。

割と簡単に書いていますが、かなりの手間と時間を費やしていて、モチベーションが途切れそうです…


ドラゴン 1/35 4号戦車G型 その4

2017-06-12 20:14:09 | 4号戦車G型
基本塗装に入りますが、今回は模型用塗料ではなく、画材用として売られているアクリラガッシュを使います。
これはアクリルエマルジョン系の塗料で、乾く前は水で薄めたりできるが、乾くと水では溶けなくなります。
これを使うのは、比較的塗膜が弱いことから剥がしやすいためですね。
ご存知の方もいると思いますが、この技法は高石誠氏の著書「戦車模型超級技術指南3」で紹介されています。




さて、まずは基本となるグレーですが、ブラックとホワイトを調合して濃さの違うものを3種類作りました。
色見本として、Mr.カラーのジャーマングレー、エクストラダークシーグレー、ニュートラルグレーを参考に調合し、薄め液は消毒用エタノール
を使っています。
まずはテストとしてプラ版に吹き付けたところ、特に問題なく吹き付けることができたのですが、これ、ハンドピースのニードル先端に塗料が固
着しやすいですね。
吹き付け途中で塗料の出が悪くなったら、溶剤につけた筆でニードル部分を洗浄する必要があり、ちょっと面倒ではあります。

テスト用のプラ版は、何も塗装していない面とラッカー塗装した面の2箇所に行いました。
完全に乾燥した後、綿棒や爪楊枝を使って塗料を剥がしてみたところ、塗装していない面では簡単に楊枝で傷が入りますし、綿棒でも簡単に塗料
を剥がせます。
一方、ラッカー塗装した面ではちょっと力を加えなければ簡単には剥がれません。
が、力を入れすぎるとラッカー塗装面まで一緒に剥がれてしまうので繊細な力加減が求められますね。うーん、結構難しいかも。
難しい分、塗膜は剥がれてはいないけど塗膜がヤレて薄くなった状態というのも再現できます。

さて、調合したグレー3色を使って早速塗装してみました。
軽くカラーモジュレーションをかけて塗装した後、同じくアクリラガッシュのバイオレットを使ってフィルタリングを施します。



アクリラガッシュの塗膜は、ラッカー溶剤だと簡単に溶け、アクリル溶剤だとゆっくりと溶け、エナメル溶剤だと溶けるというより剥がれます。
これは実際に実験してみた結果そうなったので、エナメル系でフィルタリングをすることはできませんよね。
そこで、アクリラガッシュの乾くと水では溶けなくなるという特性を生かして、同じガッシュを水でかなり薄めてフィルタリングを行いました。
溶剤が水というのは、思いのほかメリットが大きく、まずはまったく匂いがないというのは実に快適です。
塗料皿に塗料を入れて、もう1つの塗料皿に水をいれて適宜濃さを調整しながら行っても、まったく匂いがありません。
水だから当たり前ですけどね。

で、上の写真の状態になったのですが、ややバイオレットが濃すぎのように見えますが実物は写真ほどは濃くはないです。
それでも、ちょっと濃すぎですね(^_^;)

その後、ガッシュのブルーで同様にフィルタリングを施し、次にブラックとブラウンを混ぜて濃いめのダークブラウンを調合して、フィルタリング
を施しました。
最後のダークブラウンは、フィルタリングというよりもウォッシングとスミ入れという感じで行いました。



こんな感じになっています。なかなかいい雰囲気じゃないですか(^_^)
ようやく基本塗装完了です。
次は細部の塗り分けと、いよいよ塗膜剥がしを行います。


ドラゴン 1/35 4号戦車G型 その3

2017-06-08 20:45:20 | 4号戦車G型
戦車とは全く関係ないですが、大好きなPaul Weller、Ray Davis、The CharlatansのNewアルバムが立て続けに発表され、いずれも
すばらしい内容で充実した音楽生活を送ってます。
どこかの店のキャッチコピーではないですが、まさにNo Music、No Life!です。

さて、塗装に入るわけですが、今回は便利アイテムを導入しました。



その名も「クイックホイール」
写真のように転輪をはめ込むだけでゴム縁部分をマスキングしてくれるというもので、先にゴム縁部分を塗っておいて、クイックホ
イールの裏側からはめ込んで表側からエアブラシで吹き付けるだけできれいに塗り分けができるという優れものです。
これはドラゴンの4号戦車系専用のもので、他にもティーガー用やパンター用、タミヤ用のそれぞれの車種用がそろっているようです。
4号戦車系はすでにストックがいくつもあるので、これは今後も活躍することでしょう。
パンター用も欲しいかも。

本体の方ですが、まずはこんな風になりました。



すっかり金属製になってしまいました笑
これは、Mr.カラーのスーパーメタリックカラーのスーパーチタンを全体に吹き付けたものです。
ディティールの細かさが際立ってますね。

次に、この上から茶系のチャコールグレーと青系のチャコールグレーを、下地の金属色が透ける程度に薄く、かつ敢えてムラができる
ように吹き付けていきます。



茶系のチャコールグレーはMr.カラーのジャーマングレーにレッドブラウンとマホガニーを適量混ぜたもの、青系のチャコールグレーは
同じくジャーマングレーにフラットブラックとブルーを適量混ぜたものを使っています。

さて、これは何をやっているのかというと、塗装が剥げて変色しているがまだ錆びていない状態の装甲板の色を表現したものです。
つまり、この上から基本塗装を行い、その基本塗装を実際に剥がすことで、塗装が剥がれた状態を再現しようとしています。
いわゆるチッピングの技法の1つですね。

この場合、下地色としてオキサイドレッドを使うということも考えたのですが、塗装が剥がれた箇所の色が今回使用したチャコールグレ
ー系の方がより金属っぽさを感じさせるのではないかと思い、オキサイドレッドを使うのはやめました。
プラスチックが金属のように見える表現として、こちらの方がより有効ではないかと思います。

この後、基本塗装を行い、その基本塗装を剥がすという作業に続きます。
ちなみに、今回の4号戦車G型はジャーマングレーの単色塗装を行うつもりです。
単色といっても、濃さを変えたグレー数色を使いますが。
ただ、ルクスを作ったときに分かったのですが、ジャーマングレー単色の場合、チッピングってあまり目立たないんですよね〜。
はてさて、うまくいくのかどうか(^_^;)



ついでに履帯も一緒に塗装しておきました。
使用したのはMr.カラーのフラットブラックにマホガニーを同量で混ぜたものです。



転輪も同じようにスーパーチタンを吹き付けた後、チャコールグレーを吹き付けています。
確認のため、クイックホイールから外してチェックしてみたところ、おおむねきれいに塗り分けできていますが、1つ1つ見ていくと
筆塗りで修正しなければならないものもいくつかありました。
ま、これは転輪がクイックホイールにきちんと押し込まれていなかったものがあったからなので、次からは修正なしでいけるはずです。

ようやく下地塗装完了で、次は基本塗装です。
好きでやっているとはいえ、手間がかかりますな(^_^;)


ドラゴン 1/35 4号戦車G型 その2

2017-06-06 14:47:52 | 4号戦車G型

履帯の組立ですが、連結式履帯を組み立てるのも3回目なので、だいぶ要領をつかんできたかなと思います。
やり方は以前と同じで、カッティングボード上に両面テープを貼り付け、その上に履帯のコマを並べていきます。
で、規定数のコマを並べ終わったら、流し込みタイプの接着剤を各コマの連結部分に流し込み、半乾きの状態になったら両面テープ
から剥がして車体に巻きつけるというもので、言葉で言うだけだと簡単ですね。



で、できたのがこれです。
コマは片側100コマ使いました。
説明書では98コマと指示されていたのですが、念のため99コマで組んで巻きつけたところ、ほんのちょっとだけ短かったので1コマプ
ラスして100コマにしました。
ま、この辺りは誘導輪を前後に微調整できるので、この調整次第で1〜2コマは変わってくるので100コマが正しい数だというわけでは
ありません。

最も大事なポイントは、両面テープの粘着力をできるだけ弱めておくことだと思います。
今回、何度もTシャツやズボンに貼っては剥がしてを繰り返して粘着力をかなり落としたつもりだったのですが、それでもまだ強すぎ
でした。
粘着力を落とさないと、テープから履帯を剥がす際に少々力を加えなけれならないので、そのときに半乾きの履帯が切れてしまいます。
履帯がずれないように軽く固定するだけの粘着力があれば十分です。

接着剤は、リモネン系の流し込みタイプを使っています。
リモネン系を使うのは、乾燥により時間がかかるので余裕を持って作業ができるからです。
で、流し込みを終えてから僕の場合は10分ほど接着剤の乾燥を待って両面テープから剥がしていきます。
模型製作のブログなどを見ると、ここは30〜45分待つという方もいるのですが、僕が思うには、10分も待てば充分ではないかと思うの
ですが、どうでしょうか。

実際、作業中に履帯が切れることもなく、スムーズに作業は終わりました。
転輪をシャーシにマスキングテープで固定するとか、事前の準備をしっかりしたこともうまくいった要因ですね。
経験者だと分かると思いますが、固定していないと履帯を巻きつけるときに転輪がポロポロ外れたりしてイライラしたり、焦ったりす
るんですよね。

履帯の緩みは、ほんの少しだけ、本当に軽〜く緩ませた程度にしました。
というのは、記録写真を見ると4号戦車系の履帯は割と緩みが少ないものが多いからです。
ティーガーやパンターだとダルダルなものも多いのですが、どうしてでしょうね。
履帯の幅が広いと外れにくいのかなとも思いますが、詳しくは分からないです。

ちなみに、実際の運用においては、高速走行メインの場合は履帯が外れるのを防ぐために張りをきつめにし、不整地走行をする場合は
サスペンションの動きを阻害しないように履帯の張りを緩めに調整していたそうです。

ドラゴンのマジックトラックは、履帯の左右を間違えないように片方を薄いグレー、もう片方を濃いグレーという成型色で作ってくれ
ているのですが、説明書のどこをどう見ても、どっちが右用でどっちが左用なのかの記載がありません…
じつにドラゴンらしいですな笑



さて、特にドラゴンのキットを作る際は、この写真のような大雑把でかまわないので仮組をした上で細部を作ったり、接着したりする
べきですね。
ドラゴンの組立説明書のように、手順や細部についてあまり詳しい解説がない場合、後になって、え、増加装甲を装着した場合はこの
部品を使わないといけなかったの?なんてことになり、非常に面倒なことになるからです。
← はい、面倒なことになりました。(T ^ T)
すでに接着してしまっていると、どうしようもなくて切ったり削ったりしてうまく誤魔化すしかありません。
今回、なんとかうまく誤魔化せたと思います。
どこの部分なのかは公表しません笑

シャーシ、転輪類、履帯が出来上がると、もはや山場は越えました。
地味でしんどい作業も、もう終わりです。
あとは車体上部、砲塔の組立を残すのみ。

で、一気に組立を終えました。



やはり4号戦車はカッコイイですね。



追加工作として、後部パネルのワイヤー取付フックを真鍮線で作り変え、ボッシュライトのコードを真鍮線で作りました。
この辺りは定番ですね。



このキット、適度にエッチングパーツも入っており、プラと選べるようになっているのですが、ほぼエッチングパーツを選択しました。



4号戦車は細部の造形が細かいので、自ずとパーツ数なども増えてしまうのは致し方ないところですが、それにしても作りごたえのある
キットです。
パーツの組み合わせはピタっと決まるし、細部のモールドなどはよくもまあここまで再現できるものかと感心してしまいますね。

次回から塗装に入りますが、また新しいやり方を試す予定です。