東京の北の玄関口、JR上野駅の中央改札に描かれている壁画は、僕が子供の頃からあります。調べてみたら1951年(昭和26)に設置されたそうです。東京藝術大学出身の猪熊弦一郎の作品「自由」です。彼は、当時「上野」という場所は、「東京の中で一番気の毒で不幸せな世相を反映している。」と書いています。「家のない浮浪者、身寄りのない引揚者、墜落してゆく子女、そんな人たちの暗い世界をそのまま見せているようだ。」と感じたそうです。そこで、「この目に触れる壁画の新鮮で明るい色彩や単純な形によって、毎日この駅を通る大勢の人たちの生活に希望と喜びを与えたい。」と考えながら着手して、題を「自由」としたそうです。あれから70年余り、この壁画は 様々な人々の出会いや別れ、喜び哀しみを見下ろしてきたことでしょう。そして、これからも…😊
F4 2023/12/15