goo blog サービス終了のお知らせ 

寄り道しながら前へ

 思いつくまま気の向くまま
ゆっくりいろんなことを考えてみよう。

 

適齢期に読む本?

2006-07-26 13:14:53 | 
子どもの頃、たくさんの本を読んでいた娘が、最近あまり本を読まなくなったよ、というので、私が娘の年頃だった時に、何を読んでいたのかを調べてみた。
(物好きにも、18才の時からの読書記録をつけてきた。内容や感想はない)

年の前半1月~6月では

未来の記憶     デニケン
星への帰還     デニケン
考えるヒント    小林 秀雄
アドルフ・ヒトラー   ルイス・スナイダー
太古史の謎     アンドルー・トマス
世界の神秘     庄司 浅水
ぐうたら愛情学   遠藤周作
女性に関する十二章   伊藤 整
白夜物語      五木寛之
地球とはなにか   竹内 均
パルタイ      倉橋由美子
怪奇小説集     遠藤周作
楼蘭        井上 靖

ざっと見渡して色気のない本ばかり。
まだまだ、この25歳の時では婚期は遠くにあったんだな。
        

娘には、自分を磨く為にも読書は続けて欲しいと思う。
私と違って文学を読める力もあるのだから。

「あやつられた龍馬」を読んで

2006-07-20 17:28:14 | 
  「あやつられた龍馬」  加治 将一 著  祥伝社
    ――明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン ――

明治維新は謎の多い不思議な革命だ。だからいろいろ考えてみたくなる。

* 一介の脱藩者がなぜあれほどの活躍ができたのか?
* 長州征伐が起ころうとしているときに英国へ密航した「長州ファイブ」たちはなぜロンドンへ留学できたのか。
* なぜ徳川慶喜は逃げ、戦わなかったのか?
* なぜ、侍は丁髭と二本差しを簡単に放棄したのか(幕府は倒すが武家社会は温存するという「幕藩体制」ではなく武家社金そのものを壊す「武士の解体」)?
* なぜ、議会制度を思いついたのか?

維新の英雄たちを動かした『黒幕』の正体はだれなのか、今まで考えたことがなかったが、フリーメーソンのグラバーが影で動いたといわれればそのようにも思えてくる。

タイトルが龍馬になっているので、読む前には龍馬だけが混乱の日本の中にあってフリーメーソンにあやつられたのかと思ったが日本全体があやつられていたようだ。龍馬は土佐からの密偵でありながら幕府の隠密そしてグラバーのバックアップで「薩長連合」「大政奉還」の大仕事を成し遂げる。 

「坂本龍馬は、維新史の奇蹟、といわれる。
龍馬だけが、型破りである。日本史が坂本龍馬を持ったことは、それ自体が奇蹟であった」
と司馬遼太郎が書いている。
そんないわれ方をするのも、影で操る人がいたに違いないと思わせる要因かもしれない。

 薩摩も長州もうまくあやつられて日本は開国し、英国に儲けさせたかもしれないが、龍馬の暗殺は、逆にフリーメーソンがあやつっていれば起こらなかったのではないかと私は思う。龍馬が進めた「無血開城」を阻止して薩長に蜂起させる必然が、英国にはなかったと思うから。
 私には、龍馬暗殺は依然として謎のままだと思えるが・・・。

 著者は、フリーメーソンを調べていく中で、アメリカ独立戦争、フランス革命、世界大戦などの大変革とフリーメーソンとのかかわり合いをみてきて、日本はどうだったんだろうと考えたそうだが、フリーメーソンが日本に介入するほど、当時の日本に価値があったのだろうか。

 読みながら不思議だったのは、影であやつるだけで、民主主義を根付かせようとか、貿易をしようとすることで、なぜ軍事力で植民地にしてしまわないのかということだった。
 当時の英国は、商品はあくまでも、法律にのっとって、商品力で売る。植民地化を目指したり、軍事力を盾にしないというのが基本姿勢で「小英国主義」というものらしい。これは、ものすごく驚きだった。おかげで日本は助かったのだけど。

 新しい明治維新論はなかなか面白い。

あやつられた竜馬

2006-07-15 21:41:30 | 
 narnia さんが紹介されていた

「あやつられた竜馬」 加治将一 著  祥伝社

さっそく図書館で見つけ、父にも見せたい、語り合いたい、と思い実家に帰る時ボストンバッグに入れた。
旅の友としてはちょっと重いんだけど。

途中の「のぞみ」や「しおかぜ」の中で読んだが私は半ばまで読んで、父に紹介して渡した。

9日間で父は途中までしか読めなかったがふたりの話題にはできた。
歴史好きの父だから、さすがに幕末の人物や出来事には詳しい。
ただ、本書のメーンテーマのフリーメーソンになると馴染めなかったようだ。

世界の歴史の裏側で、歴史を操作したといわれるフリーメーソンが、日本の幕末に出没し、開国時にも密かに暗躍し、龍馬もあやつられていたという説だ。

 剣の腕のいい龍馬や中岡慎太郎が防戦できずに惨殺されたのは、巷の噂とは異なる陰謀があったのではないかという。

 私はフリーメーソンとかテンプル騎士団などのキーワードに弱い。すぐに関心を持ってしまう。父はそうではないので途中でもてあましていたようだ。

 長崎のグラバー邸は有名だが、さて、グラバーさんて何をした人かということになると、今まで知らないばかりか関心もなかった。本書を読むと、グラバーさんのことを調べたくなってきた。

 実際には私は半分しかまだ読んでいなくて、父も所々しか読めていないので、話が深まらなくて、横道にそれてばかりだったが。
 今日、図書館で貸し出し延長をしてきたので、最後まで読むぞー。父にも手紙で教えてあげようか・・・・な。

日本は二十一世紀の勝者たりえるか

2006-06-28 21:11:27 | 
「日本は二十一世紀の勝者たりえるか」ーーこうすればこの国はよくなるーー
日下公人 渡部昇一 竹村健一  太陽企画出版 ¥1400

この顔ぶれの鼎談ならおもしろそうだと思ったので読んでみた。
三人は、一般マスコミとはまったく異なる視点で、日本が現在抱えている問題点と、明治以降の歩みを振り返ってみた、と。

さまざま話していたなかで私が気になったのは、歴史教科書には、日本がひどいことをした事実以外にも、日本が行った良いこと、誇ってよいことも書くべきではないかと述べていたところだ。

日本の躍進が人種平等を実現した
渡部  戦争に敗けた日本が、経済復興を成し遂げるわけなんですが、それまでは世界の構図は、白人の先進国が金持ち、有色人種の国が貧乏であると考えられていました。ところが、あれよあれよという間に、天然資源のない小さな島国の日本が、一人当たりのGNPでアメリカを越えてしまった。これは世界に大きなショックを与えたんですよ。
渡部  マレーシアのマハティールさんも「有色人種が白人と平等に話せるようになったのは、日本のおかげだ」といっています。

日下  昔、元首相の村山さんがマハティール首相に、日本軍の侵略行為について謝罪したら、「何を謝る必要があるんですか」と逆に諭されたんですよね(笑)。

戦後生まれの戦時のことを知らない者ではあるまいに、日本のことをよく調べないまま、謝罪すればいい、というのでは困ってしまう。

竹村  江沢民が来日したときにも、江沢民は日本に謝罪を強要したけれど、小渕さんは署名を最後まで拒否した。あのとき『ロンドン・エコノミスト』誌は、「中国は日本が侵略したとばかりいっているが、中国は中国で千年前にベトナムを侵略し、今なおチベットを侵略している。しかも、朝鮮半島への侵略は数え切れない。自分のことは棚にあげて、日本を非難するのはおかしい」と書いていた。

戦前の日本は軍国主義が支配し、アジアを侵略した暗黒の時代であり、日本は世界に対し酷いことばかりしてきたと今の子どもたちが教えられているとしたら、子どもたちは自分の国に誇りがもてず、二十一世紀の日本がどうなるか心配になってくる。

本が書かれたのは1999年、不況から抜け出す見込みもなかった頃なので日本人にもっと自信を持って頑張ろうよといっている。

「国家の正体」 日下公人  
にも戦争中の日本人の知られざる善行が書かれている。

『逃亡』帚木蓬生を読んで

2006-06-25 20:46:30 | 
先週はずっと 『逃亡』 帚木蓬生 著  を読んでいた。

「諜報活動に明け暮れた香港をひそかに逃れて苦難の末辿り着いた日本。しかし復興に血道をあげる故国は逃亡憲兵に牙をむいて襲いかかる。人身御供を求めて狂奔する国家に捕まるいわれはない。波濤を越え辺地に潜んで二年。元憲兵の逃避行」「息もつけぬ感動、憤怒、そして救済!国家とは何か、責任とは何か、愛は、死は、緊張とヒューマニズムに溢れた、渾身の大作小説」

憲兵の立場から戦争を描いていて、日本が大陸でひどいことをしたのだということも書いてある。
2千枚の大作だが長さを感じさせないで読み応えがあった。
私の生まれる前のことではあるけれど、あまりにも知らないことが多すぎる。
帚木氏は1947年生まれにもかかわらず、ここまで調べて書かれている。

本当にどうだったのか・・・・立場が違えば言うことも違うかもしれない。
でも、少し気をつけて戦争のときのことを知る努力をしなくてはいけないと思った。

そして
 オール図解  30分でわかる「太平洋戦争」日本文芸社
を図書館で見つけたので借りてきた。
読んでわかったことは、日本の兵隊は食糧の補給もなく、ろくな装備も持たしてもらえず、先の読めない国のリーダーのせいで、多くが無駄に死んだのではないか、ということだった。
 
 いろんな本を読んでみないといけない。
 様々な角度から。
 
 帰省したとき、父の話も聞いてこよう。

『氷河期』の発見

2006-06-17 20:57:43 | 
『氷河期』という言葉がなぜか私の心をゆさぶる。昔地学が好きだったからか。

19世紀、化石や地層の科学的研究がはじまった。聖書に基づく洪水説も根強かったころ一―ー面期的な新説が登場した。かつて地表は氷河に覆われていた、というのだ。
 北極でさえ氷のない海域だと思われ、巨大な氷河が存在することすら知られていなかった時代。この新説は、大スキャンダルとなった。
 だが、真理を求めて戦う人々がいた。命を賭して探検に挑んだ『詩人』、理想の科学者像を伝えた『教師』、巧妙に学説を完成した『政治家』。(カバーより)


『氷河期』の発見  エドマンド・ブレア・ボウルズ  扶桑社

 アガシはスィスに生まれ育ち、もっとも大きなアルプスの氷河までほんの少しの距離のところで仕事をしていたが、巨大な氷の存在に気がついたことは一度もなかったらしい。
 イライシャ・ケーンはグリーンランドの北端に向かって進んだが、北極に近づくにつれ氷は自ずと薄くなっていき、ついには消えるだろうと思っていた。
 チャールズ・ライエルはスイスを訪れ、モンブランの氷河を徒歩で渡ったが、氷河のせいで地形が変わっていることになぜか気がつかなかった。

 ケーンの北極圏の探検はこれでよく帰還できたと思うほど危険なものだったし、『氷河期』という概念を理解されないまま研究し続けるアガシのエネルギーもすごい。氷河に覆われた世界のことなど、現代の我々と違って、見たことがないにもかかわらず凄まじい想像力を使って思索を深めていった、ダーウィンと同時代の19世紀の科学者達のドラマである。

 中心になって語られるこの三人が氷河期を世界中の人に知らせる人物となる。こういう人たちの研究の積み重ねがあってこそ、今の人類の発展もあるのだなあと感じいる。

角田光代さんの本からニルヴァーナ

2006-05-19 11:49:05 | 
日経新聞のコラムで
角田光代さんを取り上げていた。

  角田さんは、フリーター、バックパッカー、独身女性などの同世代を中心に若い女性を描き続けている。

 川端康成文学賞を受賞した「ロック母」について

 舞台は瀬戸内海に浮かぶ殺風景な島。十八のときに島を出た主人公の「私」はおなかに妊娠した子を抱えて十年ぶりに戻ってくる。五歳年下の恋人に捨てられ都会の夢破れての帰還である。なぜか両親は帰ってきた娘に何の質問もせず、あきれるくらいそのまま受け入れてしまう。ただし、両親の様子が少しおかしい。いつのまにか父親が家事を行うようになり、母親は娘が家に残していったニルヴァーナのロックをどかん、ずずずずすんという爆音で聴きながら人形の服を作っている。そんな母親に付き添われて娘は呉の病院で出産することになる:…。

 ニルヴァーナは九〇年代前半の人気ロツクバンド。音楽は悲痛で、中心人物のカート・コバーンは九四年に猟銃自殺した。そんなことは知らずに「頭が集中す、る」といって聴くロック母と、「おかあさん、私もうニルヴーナなんて聴かないの」と語る娘。どこか似通った母と娘の姿に、けだるい田舎の現実が投影されている。(編集委員浦田憲治) 


 ニルヴァーナって私は今まで知らなかったけれど、昨日偶然に、娘が中学生の時に聞いて好きになったロックだったと知った。
 
 コラムでは、いま一番脂がのっている女性作家と紹介しているが、角田さんの本を読んでも、世代が隔たりすぎているせいか、今まで私には共感できるものがなかったし、どこがいいのかもわからなかった。
 若い人なら知っている音楽や映画やその他を知らないままでは理解も無理だったかと、ニルヴァーナをきっかけに感じてしまった。

 「ロック母」はまだ読んでいないが、娘が好きだった音楽が出てくると思えば少し近づけるかもしれない。音楽もちょっと聴いてみようか・・・・。

「巨大投資銀行」の中で

2006-05-09 00:07:36 | 
「巨大投資銀行」黒木亮 著  の中に実名で登場している女性がいたのでとりあげてみたい。

 大蔵局理財局でNTT株の放出を担当していた片山さつき企画官は、不正をしたかもしれないゴールドマンサックスに説明を求め、主幹事からはずすかもしれないと述べた。
 そのことにあわてたゴールドマンは大蔵省に泣き付き、前財務官の榊原英資も動いた。そして、大蔵省は片山企画官をNTT株の放出と関係のない政策評価室へ異動。
 その後、主幹事証券会社の中にゴールドマンの名があった、とある。GSの政治力だそうだが・・・・。

 これって、気がついた片山さつき氏をはずした、ということね。

 ミスター円こと榊原英資が日本を売ったと、経済評論家や小説家から言われたりするのはこういうこともあったのかと知る。テレビでコメンテイターとしてよく登場しているが、発言は的確なんだろうか?

 片山さつき氏は、刺客として官僚をやめ選挙に出てきた時、私はあまり好印象をもてなかったが(顔とヘアスタイルが好きでなかったという、それだけでしかないが)有能な官僚だったらしきことがうかがわれる。有能な女性の存在を知ることは嬉しい。

 「国家の罠」を書いた佐藤優氏は、外務省のラスプーチンといわれ、鈴木宗男氏と共に記憶にあるが、文芸春秋誌上で、佐藤ゆかり氏に期待したいと述べている文章がある。

 片山さつき氏、佐藤ゆかり氏ともに、『小泉チルドレン』や『マドンナ議員』としてマスコミで囃されるが、もともとの優れた能力を発揮し、活躍されることをを望んでいる。

 

図書館戦争

2006-05-01 11:13:01 | 
面白い本に出逢った。
本が好きな人なら、ヒロインを応援したくなる。

「図書館戦争」 有川 浩(ひろ) メディアワークス

コンセプトは『月9連ドラ風』、もしくは『行政戦隊図書レンジャー』(??)

まるで自衛隊のような図書隊の抗争。

公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律「メディア良化法」ができたため、検閲機関の権力が増し、それに対抗できるのは図書館しかない。
メディア良化委員会に対し、図書館も防衛力を必要として図書隊(警備隊)を持つことになったと言う設定が面白い。

「前略
 お父さん、お母さん、おげんきですか。
 私は元気です。
 東京は空気が悪いと聞いていましたが、武蔵野辺りだと少しはマシみたい。
 寮生活にもなれました。
 念願の図書館に採用されて、私は今―ーーーーーー

 毎日軍事訓練に励んでいます。       」

で始まるこの物語。

主人公、笠原郁のキャラが魅力。めっぽう威勢がよくて直情型で、考えるより先に飛び出してしまう。
 軍事訓練の後、図書防衛特殊班に配属される。豪快な上司、笑い上戸で温和な上司、厳しくて怖いがいつも郁とけんか口調になる上司、美人で口達者な同室の友たちに囲まれ、本を守る闘いを続けるというもの。

会話は、よくこんなに言い返す言葉が思い浮かぶなあ、と羨ましくなるわたし。

それだけでなく、表現の検閲や規制、「子どもの健全な成長を考える会」の行き過ぎた活動など、現実に起こっては困るなあ、というものへの闘いを通じて、図書館や本についても考えることができる。

  お薦め!  

蚊トンボ白鬚の冒険

2006-04-18 20:35:35 | 
月曜の朝、夫を東京へ送り出した後は、私の天下。
洗い物もせず本を読む。
使った食器は洗い桶の中。
その状態で2日間。

昼食も夕食も支度をしなくても食べられる物にした。
私一人の食事くらい・・・・・・。
ああ、なんて自堕落な主婦なんだろう。

やっと今、2日分の食器たちを食洗機に入れた。
本を読み終わったから。

「蚊トンボ白鬚の冒険」  藤原伊織  講談社

読み始めた本が、ハードボイルドで、
止まらなくなってしまったのだ。
藤原伊織氏の本はいつもそうなってしまう。

蚊トンボの白鬚(シラヒゲ)さんが頭の中に住み着いてしまったので、
自分の脳の中と会話するのだが、
会話がおかしい。
ウイットに富みすぎて不自然だとの書評も見かけたが、
楽しい方がいい。
会話に少々の知性もあった方がいい。
知的なヤクザ、狂気のハッカー、酒好きのお姉さん、最高に変わり者の鉛管工、
ユニークな人物像も楽しめた。